総合勢が活発に動いた第16ステージ。自身初となるジロでのステージ優勝を挙げたアレハンドロ・バルベルデや、総合リードを上積みしたステフェン・クルイスウィクらのコメントを紹介します。



ステージ優勝を遂げたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

ステージ優勝を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)ステージ優勝を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Kei Tsuji
プロセッコを開けるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)プロセッコを開けるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Kei Tsujiジロでステージ初優勝を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)ジロでステージ初優勝を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Kei Tsuji信じられない勝利だ。今日は過酷なステージになるだろうとスタートから集中してレースに臨んだ。3月の段階で僕とアマドール、ベタンクールの3名で今日のステージを下見していたことが功を奏した。とてもこの勝利を嬉しく思っているし、チームのサポートがなければ不可能だった。

最初の登りではライバル勢を分断させることができなかったが、シャベスを引き離した状態でクルウィスウィクらとファイ・デッラ・パガネッラまで到達できたことは大きかった。あの時は皆が協調できていたし、誰もが上手く走ったと思う。ザッカリンとクルウィスウィク、そして僕の3人が互いに協力できたことが勝利に繋がった。

土曜日に調子を崩してしまったのは1800mほどの高地をずっと走っていたからだと思うが、休息日に上手く回復できた。山岳TTの時点ではほぼトップコンディションに戻すことができたので、今日はチームと協力して攻撃に打って出た。チームメイト、監督陣、メカニック、他のすべてのスタッフ、家族、子供たち、そしてファンたちに感謝しなければならない。

ニーバリは遅れたものの、最悪な状況にあったとは思っていない。彼は集団を上手くコントロールしていたし、僕が最終盤に彼を振り切ってからのペースを保てなくなっただけ。クルウィスウィクの走りは僕にとってはサプライズではなく、マリアローザを守ったことだって自然と思えるほど彼は走れている。昨年のジロでも最終週の調子が非常に良かったので、このまま総合優勝しても何ら驚きはしない。

このジロには2つの目標を胸に出場している。1つはステージ優勝で、もう1つが総合表彰台だ。1つ目を目標を今日クリアして、さらに総合でも3位に浮上した。生粋のアタッカーであるニーバリが総合表彰台の座を奪いにくるのは間違いないけど、今はこのステージ初優勝の喜びを味わいたい。

クルイスウィクの唯一の弱点はチーム力の弱さにあるが、今日彼は一人であることを感じさせないほど上手く立ち回った。まだジロは過酷なステージが金曜日と土曜日に残されている。今日の優勝が最終的な結果を良きものにしてくれるはずだ。

総合リードを広げたステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)

安定した走りでマリアローザを守ったステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)安定した走りでマリアローザを守ったステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji
とても調子が良かったので、バルベルデと攻撃に出ることにした。ニーバリは追うことができず、シャベスはその時すでに後方。チームに勝利をプレゼントしたかったが、相手がバルベルデでは分が悪かった。

全てがコントロール下にあったように見えたかも知れないけど、レース前半はとにかくアタックの連続で混沌としていた。ニーバリとバルベルデのアタックにはすかさず反応。上手くレースを運べたと思う。毎日これが人生最大のレースだと捉えて走っている。とにかく総合リードを更に稼ぐことができて良かった。明日からの2.3日は平坦なステージが続くが、注意を払って臨まなければならない。

2級山岳パッソ・デッラ・メンドラでアタックするイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)2級山岳パッソ・デッラ・メンドラでアタックするイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ) photo:Kei Tsujiバルベルデ、クルイスウィクと逃げたイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)

パッソ・デッラ・メンドラでは次々とアタックが掛かっていたので非常にスピードが速かった。ニーバリらと逃げ下りで吸収されたものの、次のファイ・デッラ・パガネッラでは調子が上がっていたので再びアタック。今日は総合タイムを奪うことができると感じていたので、どちらの登りも全開で走った。今日できることは全てやった。総合順位も上げることができたが、このままの調子で攻めていきたい。

ポイント賞ではなくステージ優勝を優先すると語るディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)ポイント賞ではなくステージ優勝を優先すると語るディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsujiマリアビアンカを着るボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)がアタックマリアビアンカを着るボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)がアタック photo:Kei Tsujiステージ4位のディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)

今日はステージ優勝を目指して走ったが、登りはクライマーに向きだった。総合上位勢と共に登ることができ好調を確認できたし、4位という結果にも満足している。良く走れたと思う。

総合2位に残ったエステバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)

アタックを軽く見てしまったかもしれない。追う立場になった時にチームメイトがものすごく力になってくれた。過酷なステージだったが、クルウィスウィクの走りには脱帽だ。

攻撃を仕掛けたボブ・ユンヘルス(ベルギー、エティックス・クイックステップ)

休息日明けのステージはいつも活発にレースが動く。最初の登りでは追いつかれないようにテンポを刻んだ。1日を通して調子は良かったし、今日の自分の動きに満足できている。マリアビアンカ争いという観点で見れば大きなアドバンテージを稼ぐことができた。この調子を最後までキープしていきたい。

翌日のステージ優勝を狙うジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)

距離が短く最初から総合勢が全開でいくことが目に見えていた。実際その展開になり、自分にとって最大の問題はタイムアウトだった。幸運にもチームメイトが手厚くフォローしてくれたので、最後の登りはギリギリタイムアウトを食らわずに済んだ。明日のステージに向けてリラックスできる。本当に疲れたが、今日は全員が疲れたはず。

過酷なステージを耐えた山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)

18分遅れのグルペットでフィニッシュを目指す山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)18分遅れのグルペットでフィニッシュを目指す山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
覚悟は出来ていたので良かったがやはり相当キツかった。ゴールしたタイミングで「先頭から何分遅れているかの表示」を確認すると17分台。意外と余裕があったのか?と思ったが、自分がゴールしたのが17分57秒、打ち切りタイムリミットが19分41秒。

打ち切りまで2分を切っており、最後に追い込んでいなければ恐らくグルペットが抹殺されていた。ちなみに132kmのレースで獲得標高2500m、自分のグルペットで平均速度38.4kmは速すぎると思う。トップに至っては時速40km越え……頭おかしい。ラスト10kmからの下りで最高時速96.4kmをマーク、素晴らしい。レース後に道に迷って1時間ぐらい彷徨った。

距離が短かったから良かったとか言っている場合じゃない。途中で休んで回復させた足もレース終盤に出し切ったと思う。明日に疲れが残っているのは確実だと思うので覚悟して明日に挑みたい。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)

※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:So.Isobe