総合勢が大きく動いたジロ第11ステージ。最終盤に抜け出し勝利を収めたディエゴ・ウリッシ、マリアローザのボブ・ユンヘルス、アンドレイ・アマドールらのコメントを紹介します。



ステージ2勝目を飾ったディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)

表彰台に上がったディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)表彰台に上がったディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:CorVos
プロセッコを開けるディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)プロセッコを開けるディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji再び完璧なチームワークのおかげで勝利をつかむことができた。狙っていたステージで勝利を飾ることができてとても嬉しい。今朝のミーティングでサーシャ・モードロが集団内に待機してスプリントに備え、自分がアタックに反応することで一致した。集団をコントロールし、アタックをお膳立てしてくれたモホリッチとコンティに感謝している。厳しい登りだったけど今の自分には問題なかった。

逃げグループに入ったアマドールとユンヘルスはとても速く、ブリッジを掛けるのであればラスト5kmの短い登りで行くしかないと考えていた。ユンヘルスとは協調体制を築くことができたのでゴールまで到達できた。プロ入り後しばらくは自分の力に自信が持てずに消極的なレースばかりしていた。でも今は自分の力を理解し、チームの信頼を胸に自信を持ってアタックできる。第4ステージの勝利がまぐれではないことを証明できたよ。

積極的に動きマリアローザを守ったボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)

アーゾロの旧市街を先頭で駆け上がるボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)アーゾロの旧市街を先頭で駆け上がるボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
コンディション自体は悪くなかったものの、(残り30kmの)落車によってチームメイトの多くが遅れてしまったので、集団が7〜8名に絞られた段階でアマドールがアタックした時、自ら動くしかなかった。ウリッシが合流したことでステージ優勝のチャンスはほぼなくなったけど、ライバルたちから1秒でも多くリードするために逃げを継続した。自分は昨年ドゥムランがブエルタで披露したような走りができるとは思えないが、調子はとても良い。山岳でもできる限りベストな走りを見せたいと思う。

タイムを稼いだアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)

積極的に動いたアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)積極的に動いたアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) photo:CorVos今日の結果に満足している。ほぼ200kmずっと平坦なコースだったが、ずっと集団はナーバスで落車の危険をはらんでいた。後方で発生した大きな落車はずっと危惧していたものが現実になってしまったもの。幸いほとんどのメンバーは足止めを受けず、良いポジションをキープしたまま短くも破壊力のある登りに入ることができた。

アレハンドロとニーバリ、シャベスが捕まったのを見て、他の総合勢を驚かすためにカウンターアタックを仕掛けようと思い動いた。ユンヘルスが追いついてきたが、後方に戻るより、ステージ優勝やタイム差を稼ぐためにこのまま行ける所まで行ってしまった方が得策だった。結果的にうまくいったが、ジロはまだ本格的な山岳にたどり着いていない。これからの展開に注意を払っていきたい。

ジロはようやく折り返しとなったばかりで、チームとしてもうまく動けている。クラッシュでモレーノを失ってしまったものの、総合力としてもまだまだ高い。僕とアレハンドロが総合上位につけていることも好材料だ。

攻撃を仕掛けたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:CorVos
ニーバリと協調できていなかたったように見えるって?そんなことは全くなかった。ニーバリが下りでアタックして、僕とシャベスは平坦路で追いついた。だから一呼吸整える必要があったんだ。ともかく彼には彼の走り方があるし、僕にも僕の走り方がある。

13秒遅れの集団先頭はジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)13秒遅れの集団先頭はジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji落車で遅れたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)落車で遅れたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) photo:Kei Tsujiステージ4位に入ったジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)

登りでは本当に苦しんだけれど、気づいたら総合系の有力クライマーと一緒に走っていたので調子は良かったんだろう。スプリントでは僕が最速だった。もちろん4位に大満足しているわけではなく、できるなら勝ちを狙いたかった。今日はチャンスを逃してしまったが、明日もまたスプリンターが狙えるステージだ。いつも言っているように100%振り絞って勝ちを狙っていく。

落車で大きく遅れたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)

何も見えないままクラッシュに巻き込まれてしまった。フロントホイールが壊れてしまったので交換に時間がかかったことも遅れた原因の一つ。タイムを失ってしまったが、調子も良いし、ジロが終わったわけではない。

ジロを去るトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)

序盤に素晴らしい結果を収めたジロを去らなければならないなんて、とても残念だ。痛みが酷くこれ以上レースを続行できない。今朝のミーティングでなるべく影響が出ないように走ろうと話たが、状況は何も改善されなかった。休息日に回復させたかったが、そこでも痛みは全く引かなかった。これまで応援してくれた全ての人に感謝したい。辛い決断だが、これ以外に選択肢が無い。

無難にステージをこなした山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)

サイン攻めにあう山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)サイン攻めにあう山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
最初のたった1時間半だけちょっとしんどかった。たった1時間半だけ。昨日の疲れが抜けきっておらずキツかったと思っていたが、冷静に考えれば平均時速51kmなのだから多少キツくて当然なのだろう。日々の回復はしっかり出来ているっぽいので自信を持ちたい。

今日でやっと折り返しに来た。疲労は溜まってきているような、溜まって来ていないような微妙な感じではあるが引き続き頑張っていきたい。噂のグランツールで1日あるという絶不調の日もタイムトライアルで消化したし、風邪も完治したようなので今のところ不安要素は一切ない。あとは自分の力を信じて全力で頑張るだけだと思う。明日はド平坦のステージなので、連続コーナーと石畳、そして横風にだけ気を付けて走るようにしたい。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)

※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:So.Isobe