10月8日(木)イタリア中部のトスカーナ州で第57回コッパ・サバティーニ(UCI1.1)が開催され、アルカンシェルデビューのカデル・エヴァンス(オーストラリア)にアシストされたフィリップ・ジルベール(ベルギー、サイレンス・ロット)が勝利を飾った。

ジルベールをアシストするカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)ジルベールをアシストするカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット) photo:Cor Vos今年で開催57回目のコッパ・サバティーニは、UCIヨーロッパツアーに組み込まれたワンディレース。コースは21kmの大周回を8周と、12kmの小周回を4周する全長199kmで、ラスト1kmから高低差70mの上りが続く。上りスプリント勝負に持ち込まれるのが通例だ。

レースは1周目から大きく動き、25名の大きな逃げグループが形成される。逃げの中には、この日アルカンシェルデビューを飾ったエヴァンスや、チームメイトのジルベール、2006年と2007年に優勝しているジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)、ドーピングによる出場停止処分を乗り越えたエマヌエーレ・セッラ(イタリア、カルミオオーロAスタイル)らが入った。

悠々とスプリント勝利を収めたフィリップ・ジルベール(ベルギー、サイレンス・ロット)悠々とスプリント勝利を収めたフィリップ・ジルベール(ベルギー、サイレンス・ロット) photo:Cor Vosイヴァン・バッソ(イタリア)擁するリクイガスやルーカ・パオリーニ(イタリア)擁するアックア・エ・サポーネが積極的にメイン集団を牽いて追撃したが、逃げグループとのタイム差は広がるばかり。結局25名の逃げ切りが決まり、メイン集団に残った選手たちはリタイアする結果となった。

ジャンパオロ・ケウラ(イタリア、バルロワールド)が脱落して24名で繰り広げられた優勝争い。ラスト1kmからの上りでアルカンシェルのエヴァンスがジルベールを引き連れて先行し、ジルベールがラスト200mからスプリントを開始。3度目の栄冠を目指したヴィスコンティが対抗したが届かず、そのままジルベールが悠々とゴールラインを駆け抜けた。

優勝したフィリップ・ジルベール(ベルギー)と13位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)優勝したフィリップ・ジルベール(ベルギー)と13位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット) photo:Cor Vosジルベールはジロ・デ・イタリア第20ステージに続くイタリア国内2勝目。今シーズン4勝目だ。「エヴァンスの走りに敬意を表したい。彼が完璧なアシスト役に回ってくれたおかげで、僕はずっと脚を貯めることが出来た。ラスト200mまで飛び出すチャンスを待ち続けていたんだ」と、エヴァンスの走りを賞賛した。

早期に25名が逃げ、勝負が決まったことについて「14チームしか出場しないので、レースを完全にコントロールするのは難しい。だからチームのロベルト・ダミアーニ監督は常に前でレースを展開するように指示してきた。確かにその通りだったよ」と、予想通りの展開だった様子。週末に開催される連覇がかかったパリ〜トゥールに向けて好調ぶりをアピールした。

レース展開ならびに選手コメントはガゼッタ紙より。

コッパ・サバティーニ2009
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、サイレンス・ロット)
2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)
3位 レオナルド・ベルタニョッリ(イタリア、ディキジョヴァンニ)
4位 ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)
5位 ミゲル・ルビアーノシャベス(コロンビア、チェントリ・デッラ・カルツァトゥーラ)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)
7位 マルチェッロ・パヴァリン(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)
8位 アレッサンドロ・ベルトリーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)
9位 ルーカ・マッツァンティ(イタリア、カチューシャ)
10位 ルーカ・ソラーリ(イタリア、ディキジョヴァンニ)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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