2016/02/15(月) - 11:29
初日は初夏と思えるほどの陽射しと強風。2日目も朝から暴風雨のち晴れ。今年もシクロクロス東京は激しく変化する天候に翻弄された。しかし2日目のCX東京もスリル溢れる好レースに沸騰した。
昨年は冷たい冬の雨。一昨年は大雪だった。シクロクロス東京は近年、過酷な悪天候に翻弄されてきた。そして今年も例外ではなかった。初日は気の早い春一番が吹き、気温は20度を超えるまでに上昇、ビールが飛ぶように売れた。
そして心配された2日目は朝から雨と強い風が吹き荒れた。天気予報で午前早めには回復するだろうと言われていた天候は昼近くまで荒れたまま。キッズレース、そしてエンデューロの参加者たちは降り続く雨と泥に苦しんだ。
シクロクロスといえば泥。林間のシングルトラックはぬかるみ、スリッピーになった。初心者デビューも多いこのレース。しかし気温が20度近くあり、寒くははなかったのが幸いで、キッズたちの本格的な(過酷な)シクロクロス入門としてこのうえない機会になったようだ。
メーンイベントの近づく午前11時前、空を覆っていた雲が早足に去り、瞬く間に青空にすり替わった。それとともに気温もぐんぐんと上昇し、前日に続いての夏日のような気候になった。2日連続の20度超えの、普通ではない天気だ。会場にいた人皆が、雨具を脱ぎ、Tシャツ姿に。
雨の間は観客もまばらで少なく心配されたが、エリートのスタート時間が近づくにつれ人が徐々に集まりだす。会場周辺はカフェや商業施設が密集している人気のエリア。そこから湧いてくるかのようにコース脇に詰めかける人、人。関係者の心配をよそに、スタート前に大観衆が出揃った。蓋を開けてみれば15,000人の観客動員数。2日合わせて21,000人という史上最高の数を叩きだした。
そして沸騰したレース展開。女子レースの手に汗握る展開。新CX女王の坂口聖香初の全日本チャンピオンジャージに身を包んでの快走劇に会場は沸いた。
そして男子エリートで観客の沸騰は最高潮に。天候の超回復とともにコースの状況は刻一刻と変化した。ぬかるんだ林間の泥は徐々に締まり、水分を含んで締まっていた砂は乾くとともにふかふかの状態に。それとともに「走りやすいライン」も変化し、それを見抜くのも選手たちの力量。観ていて圧倒されるほどのスピードとテクニック、パワーとタクティス、そして暑さへの適応力。すべての要素が必要なシクロクロスという競技におけるトップ選手たちのプロフェッショナルな走りに魅了された1時間となった。
この日、JSPORTSはコース各所にカメラを設置してのオンデマンドによるエリートレースのライブ配信を行った。史上最高の観客動員数に加え、シクロクロス東京が大きなオーディエンスを獲得したターニングポイントとなったようだ。
イベントの仕掛け人、主催者である棈木(あべき)亮ニさんは今年で5回目の大会の成功に胸をなでおろす。
「天候に肝を冷やした2日間でした。初日、まずは強風にテントやバナーがとばされないように、と。見てくれの問題以上に安全上の理由です。2日目の朝は会場周辺は台風のような暴風雨で、キッズのレースは中止にしなければと思ったぐらいです(実際には風がおさまったことで実施できた)。昼まで雨と風の対策に追われました。疲れましたね(笑)。
初日の観客動員数が6,000人、2日目16,000人で合計21,000人は過去最高です。目標だった2万人をクリアしました。今までの過去最高は2年目大会の13,000人でしたが、それを大きく上回りました。初日は天気が良かったから、2日目はメインレースのエリート前に天候が回復してくれたからです。瞬間的にも7,000人を超える観客がいたようです。
今年はメディアの事前報道が多くて、告知が流れたことで一般の方が大会のことを知るチャンスが多かったようです。全国放送などでも紹介され、来年に向けてさらに良いことだと思っています。
エリートレースが面白かったことは大きいですね。自分が観ていても面白かった。女子もいいレースでしたし、男子の展開は息を呑むようなスペクタクルでした。海外のスター選手たちと競い合って日本人選手が勝ってしまうんじゃないかという展開は、まさに主催者冥利に尽きますね。
昨年から今年、大きな変化はJ SPORTSによるライブ配信でした。地上波ではなくオンデマンドのライブ配信という条件ではありますが、一般の人が離れていてもライブでレースを見れるというのは大きかった。イベントはメディアによる伝え方で変化します。主催側では見せ方、映されるカッコ良さにこだわってレースをつくりました。レース中にモニターで見ていましたが、ライブ配信はいい絵が撮れていましたね。編集無しで、そのままでも最高に面白い映像だと思いました。
イベントとして毎年「より良くしよう」と思っています。最終的にはホッとして満足です。コースについてはかなり好評で、難しすぎたかなと思う面はあるにせよ、良かったのではないかと思います」。
大盛況だったシクロクロス東京 2日間の会場風景から
都会の真っ只中のフィールドでの都市型シクロクロスとして稀有な存在のシクロクロス東京。観戦に訪れる人はサイクルファンのみならず、家族連れや通りすがりのショッピング客、お台場の浜での散歩やデートを楽しむ一般客も多い。それに対応すべく様々な趣向やサービスが凝らされている。目立ったシーンをピックアップして紹介しよう。
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Kei.Tsuji, Yuichiro.Hosoda, Yuya.Yamamoto
昨年は冷たい冬の雨。一昨年は大雪だった。シクロクロス東京は近年、過酷な悪天候に翻弄されてきた。そして今年も例外ではなかった。初日は気の早い春一番が吹き、気温は20度を超えるまでに上昇、ビールが飛ぶように売れた。
そして心配された2日目は朝から雨と強い風が吹き荒れた。天気予報で午前早めには回復するだろうと言われていた天候は昼近くまで荒れたまま。キッズレース、そしてエンデューロの参加者たちは降り続く雨と泥に苦しんだ。
シクロクロスといえば泥。林間のシングルトラックはぬかるみ、スリッピーになった。初心者デビューも多いこのレース。しかし気温が20度近くあり、寒くははなかったのが幸いで、キッズたちの本格的な(過酷な)シクロクロス入門としてこのうえない機会になったようだ。
メーンイベントの近づく午前11時前、空を覆っていた雲が早足に去り、瞬く間に青空にすり替わった。それとともに気温もぐんぐんと上昇し、前日に続いての夏日のような気候になった。2日連続の20度超えの、普通ではない天気だ。会場にいた人皆が、雨具を脱ぎ、Tシャツ姿に。
雨の間は観客もまばらで少なく心配されたが、エリートのスタート時間が近づくにつれ人が徐々に集まりだす。会場周辺はカフェや商業施設が密集している人気のエリア。そこから湧いてくるかのようにコース脇に詰めかける人、人。関係者の心配をよそに、スタート前に大観衆が出揃った。蓋を開けてみれば15,000人の観客動員数。2日合わせて21,000人という史上最高の数を叩きだした。
そして沸騰したレース展開。女子レースの手に汗握る展開。新CX女王の坂口聖香初の全日本チャンピオンジャージに身を包んでの快走劇に会場は沸いた。
そして男子エリートで観客の沸騰は最高潮に。天候の超回復とともにコースの状況は刻一刻と変化した。ぬかるんだ林間の泥は徐々に締まり、水分を含んで締まっていた砂は乾くとともにふかふかの状態に。それとともに「走りやすいライン」も変化し、それを見抜くのも選手たちの力量。観ていて圧倒されるほどのスピードとテクニック、パワーとタクティス、そして暑さへの適応力。すべての要素が必要なシクロクロスという競技におけるトップ選手たちのプロフェッショナルな走りに魅了された1時間となった。
この日、JSPORTSはコース各所にカメラを設置してのオンデマンドによるエリートレースのライブ配信を行った。史上最高の観客動員数に加え、シクロクロス東京が大きなオーディエンスを獲得したターニングポイントとなったようだ。
イベントの仕掛け人、主催者である棈木(あべき)亮ニさんは今年で5回目の大会の成功に胸をなでおろす。
「天候に肝を冷やした2日間でした。初日、まずは強風にテントやバナーがとばされないように、と。見てくれの問題以上に安全上の理由です。2日目の朝は会場周辺は台風のような暴風雨で、キッズのレースは中止にしなければと思ったぐらいです(実際には風がおさまったことで実施できた)。昼まで雨と風の対策に追われました。疲れましたね(笑)。
初日の観客動員数が6,000人、2日目16,000人で合計21,000人は過去最高です。目標だった2万人をクリアしました。今までの過去最高は2年目大会の13,000人でしたが、それを大きく上回りました。初日は天気が良かったから、2日目はメインレースのエリート前に天候が回復してくれたからです。瞬間的にも7,000人を超える観客がいたようです。
今年はメディアの事前報道が多くて、告知が流れたことで一般の方が大会のことを知るチャンスが多かったようです。全国放送などでも紹介され、来年に向けてさらに良いことだと思っています。
エリートレースが面白かったことは大きいですね。自分が観ていても面白かった。女子もいいレースでしたし、男子の展開は息を呑むようなスペクタクルでした。海外のスター選手たちと競い合って日本人選手が勝ってしまうんじゃないかという展開は、まさに主催者冥利に尽きますね。
昨年から今年、大きな変化はJ SPORTSによるライブ配信でした。地上波ではなくオンデマンドのライブ配信という条件ではありますが、一般の人が離れていてもライブでレースを見れるというのは大きかった。イベントはメディアによる伝え方で変化します。主催側では見せ方、映されるカッコ良さにこだわってレースをつくりました。レース中にモニターで見ていましたが、ライブ配信はいい絵が撮れていましたね。編集無しで、そのままでも最高に面白い映像だと思いました。
イベントとして毎年「より良くしよう」と思っています。最終的にはホッとして満足です。コースについてはかなり好評で、難しすぎたかなと思う面はあるにせよ、良かったのではないかと思います」。
大盛況だったシクロクロス東京 2日間の会場風景から
都会の真っ只中のフィールドでの都市型シクロクロスとして稀有な存在のシクロクロス東京。観戦に訪れる人はサイクルファンのみならず、家族連れや通りすがりのショッピング客、お台場の浜での散歩やデートを楽しむ一般客も多い。それに対応すべく様々な趣向やサービスが凝らされている。目立ったシーンをピックアップして紹介しよう。
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Kei.Tsuji, Yuichiro.Hosoda, Yuya.Yamamoto
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