UCI(国際自転車競技連盟)が9月29日プレスリリースを出し、ランプレとミルラムのプロツアーライセンス申請を認可。その一方で、コフィディスとBboxブイグテレコムのライセンス申請を却下した。チームスカイはすでにライセンス取得を決めているが、新星レディオシャックの申請は保留の状態だ。

6年間プロツアーライセンスを保有してきたBboxブイグテレコム6年間プロツアーライセンスを保有してきたBboxブイグテレコム photo:Kei Tsuji新城幸也が所属するターコイズブルーのBboxブイグテレコムと、深紅のジャージに身を包むコフィディス。フランスのこの2チームは、2005年のプロツアー発足時からライセンスを保有してきた古株チームだ。

今年でライセンスを失効するこの2チームは、来シーズンに向けてライセンス更新を申請。しかしUCIは申請を却下した。リリースの中でライセンス却下の具体的な理由については触れられていないが、事実として、9月21日に発表されたUCIワールドランキングでこの2チームは下位に沈んでいた。

ジロを欠場し、ツールとブエルタに出場したコフィディスジロを欠場し、ツールとブエルタに出場したコフィディス photo:Makoto Ayano今回の発表を受け、Bboxブイグテレコムのジャンルネ・ベルノドー監督は以下のような声明を出している。

「UCIはチームが提出した書類(資金力やマネジメント等)を認めながらも、競技レベルの低さを指摘してきた。チームはこの5年間で最高の成績を今シーズン残しているというのに、これは驚きの決定だ。しかし今回の決定の影響はそれほど大きくない。現在のプロツアー18チームは、2008年にロンドンで結んだ協定によりグランツールの出場は2010年まで確約されている」。

「(プロツアーライセンスが無ければ)年間プログラムの変更をしなければならない。今シーズンは1月のツアー・ダウンアンダー出場のために大幅にプログラムを変更したが、来年以降は出場しない可能性が高い。来年のツールでは、今年以上のパフォーマンスを見せることが出来ると思っている。チームの理念に賛同してくれている信頼出来るスポンサーに支えられている。今回の決定が彼らのサポートを揺るがすことは無い」。

Bboxブイグテレコムとコフィディスの2チームは、UCIプロコンチネンタルチームとして来シーズンを闘うことになる。その一方で、同様にライセンス更新を申請していたランプレは2013年まで4年間、ミルラムは2010年までの1年間のライセンス更新が認められた。

ミルラムのチームマネージャーを務めるゲリー・ファンヘルヴェン氏は「チームにとって非常にいいニュースだ。今回の決定によって来シーズンに向けてのチーム構想に自信がもてる。これからもミルラムは世界トップレベルのチームを目指して成長を続けたい。そしてもちろん、世界のトップシーンで闘う唯一のドイツチームとして存在感を増していきたい」と、ライセンス更新の喜びを語っている。

スキル・シマノはすでにライセンス申請を取り下げており、新規参入組の中でチームスカイだけがライセンスを獲得。ランス・アームストロング(アメリカ)率いるレディオシャックの申請は保留の状態。まだ審議が続けられており、数日のうちに結論が出ると見られている。

監督コメントは各チームの公式サイトより。

text:Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji, Makoto Ayano