ガゼッタ紙が伝えたところによると、9月27日にスイス・メンドリシオに開催されるロード世界選手権に向けて、イタリアチームのフランコ・バッレリーニ監督が補欠2名を含む代表メンバー11名を発表した。注目は絶好調クネゴと昨年の覇者バッラン。ポッツァートやガルゼッリ、バッソもメンバー入りした。

ブエルタで2勝を飾ったダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)ブエルタで2勝を飾ったダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) photo:Cor Vosベッティーニ=ベッティーニ=バッランと、3年連続で世界チャンピオンを輩出したアッズーリ(イタリア代表チームの呼称)。9月27日に開催されるロード世界選手権エリート男子で、大会4連覇を目指すイタリアチームのフランコ・バッレリーニ監督が、代表メンバー11名(補欠が2名)を発表した。9月15日付けのガゼッタ紙が伝えた。

イタリア代表メンバー11名(補欠2名を含む)年齢・世界選出場回数
ダミアーノ・クネゴ(ランプレ)27歳・3回
アレッサンドロ・バッラン(ランプレ)29歳・4回
イヴァン・バッソ(リクイガス)31歳・4回
マルツィオ・ブルセギン(ランプレ)35歳・3回
ステファノ・ガルゼッリ(アックア・エ・サポーネ)36歳・1回
ルーカ・パオリーニ(アックア・エ・サポーネ)32歳・5回
フィリッポ・ポッツァート(カチューシャ)28歳・3回
マウロ・サンタンブロジオ(ランプレ)24歳・初出場
ミケーレ・スカルポーニ(ディキジョヴァンニ)29歳・初出場
マッテーオ・トザット(クイックステップ)35歳・5回
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(ISD)26歳・1回

エースを担うのは、昨年の世界選手権で2位に入ったダミアーノ・クネゴ(ランプレ)。グランツールレーサーからクラシックレーサーへと進化を遂げたクネゴは、現在開催中のブエルタ・ア・エスパーニャで超級山岳ステージを制して2勝。絶好調ぶりを猛アピールしている。

現世界チャンピオンのアレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレ)現世界チャンピオンのアレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレ) photo:www.tourdepologne.plスイス・メンドリシオの世界選コースは、上りの厳しさが顕著だ。周回コースは1周13.8kmで、アックア・フレスカ(長さ1600m・最大勾配12%)とナヴァッツァーノ(長さ1750m・最大勾配11%)の2つの上りが登場する。エリート男子は標高差245mの周回コースを19周。合計262kmの長丁場になる。

獲得標高差は昨年のヴァレーゼの3555mを優に越える4655m。スプリンターよりもクライマー向きなのは明らかだ。長い上りをこなす登坂力、勝負どころでのアタック力、そしてゴールでのスプリント力を兼ね備えた選手として、クネゴに白羽の矢が立ったのだろう。

イタリアチームで重要な役割を担うイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)イタリアチームで重要な役割を担うイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) photo:Unipublicガゼッタ紙の中でクネゴは「コースは2回試走したけど、本当にキツいコースだと思った。獲得標高差は4600mオーバー。最初のアックア・フレスカの上りが鍵を握ると思う。2つ目の上りは距離は長いけど勾配は緩い。とにかく、いつも通りアタックで活路を見出したい」と語り、初のアルカンシェル獲得に向けてイメージトレーニングは万全の様子。

今回選出されたメンバーについてクネゴは「アレ(バッラン)はチームに無くてはならない存在。昨年の僕のように、レース終盤にアタックを仕掛けてライバルたちを消耗させてくれると思う。チームにやる気をもたらしてくれるピッポ(ポッツァート)の存在も心強い。ステファノ(ガルゼッリ)は非常に持久力のある選手で、距離の長い耐久レース向き。そしてイヴァン(バッソ)は、チームが必要としているパワーの持ち主だ。彼が終盤にペースを上げて、ライバルたちをセレクションにかける。チームの活躍は彼の走りにかかっていると思う。他のメンバーもアシストとして申し分ない選手ばかりだよ」と、メンバー構成に満足しているようだ。

「最大のライバルはバルベルデ。カンチェラーラ?いや、彼には厳しすぎるコースだと思う」。イタリアの期待を一身に受けるクネゴは、9月15日の第16ステージを最後にブエルタをリタイアする。ステージ2勝を飾った小さな王子はイタリアに帰国し、最後の詰めに入る。

現世界チャンピオンのバッランも第16ステージでブエルタを去る予定。つまり、バッランにとって、第16ステージがアルカンシェルを着て走る最後のレースになる。ウィルス性疾患により戦線を長期離脱し、今年のクラシックシーズンを棒に振ったバッランは、アルカンシェルを着て合計63レースに出場。約10870kmを走った。アルカンシェルを着ての勝利はツール・ド・ポローニュのステージ優勝と総合優勝の2勝に留まった。

イタリアチームには、かつての主将パオロ・ベッティーニもスタッフとして帯同する。世界選手権4連覇に向け、イタリアチームは準備万端だ。

text:Kei Tsuji

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