1990年1月1日以降に生まれた選手を対象にしたマイヨブラン(ヤングライダー賞)争いは、いわば将来のマイヨジョーヌ争い。ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)を筆頭にマイヨブランを争うと予想される若手有力オールラウンダーの名前をチェックしておこう。



若手オールラウンダーを中心に繰り広げられるマイヨブラン争い若手オールラウンダーを中心に繰り広げられるマイヨブラン争い photo:Tim de Waele


ヤングライダー賞トップのティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)ヤングライダー賞トップのティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr) photo:Makoto Ayano1975年のツール・ド・フランスで初めて導入されたマイヨブラン(ヤングライダー賞)は、将来のマイヨジョーヌ候補がしのぎを削るもう一つの総合争い。現在マイヨブランを争っているメンバーが5年後、10年後にマイヨジョーヌを巡って競り合うことになる。

ツール・ド・フランス初制覇を狙うナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ツール・ド・フランス初制覇を狙うナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Kei Tsujiマイヨブランの対象となるのは、プロ1年目の新人だけではなく、誕生日が1990年1月1日以降の選手。つまり25歳以下の選手だ。

ジャンクリストフ・ペローとロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)ジャンクリストフ・ペローとロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:Kei Tsujiヤングライダー賞対象選手が総合優勝に輝いたのは過去に数例ある。1983年にローラン・フィニョン(フランス)、1997年にヤン・ウルリッヒ(ドイツ)、2007年にアルベルト・コンタドール(スペイン)が、マイヨジョーヌとマイヨブランを同時に獲得している。2010年アンディ・シュレク(ルクセンブルク)は総合2位でフィニッシュし、3度目のヤングライダー賞を獲得。総合優勝したコンタドールがその後のドーピング違反発覚で失格になったことで、史上4例目のヤングライダー賞対象選手による総合優勝が決まった。

アダム・イェーツとサイモン・イェーツ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)アダム・イェーツとサイモン・イェーツ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsuji2015年大会に出場する198名の選手のうち、マイヨブランの対象となるのは例年よりも多めの32名。「花の1990年生まれ」と呼ばれる次世代ライダーにとって最後のマイヨブラン獲得のチャンスとなる。

ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ) photo:Tim de Waele若手の中ではマイヨジョーヌ候補でもあるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)の力が飛び抜けている。1990年2月4日生まれの25歳キンタナの目標はあくまでも総合優勝であり、黄色を狙ううちに自然と白色が付いてくる。

トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:Tim de Waele1年前にマイヨブランを獲得した(総合3位)ティボー・ピノ(フランス、FDJ)や、同賞2位(総合6位)のロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)にとってもマイヨブラン最後の年。キンタナと総合争いを繰り広げることになるだろう。

オリカ・グリーンエッジからはイギリス人の双子兄弟アダム・イェーツとサイモン・イェーツが出場。1992年生まれの兄弟はイギリスの次世代オールラウンダーとして注目を集める存在で、サイモンは2013年トラック世界選手権ポイントレース優勝、同年ツアー・オブ・ブリテン総合3位。2015年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネではヤングライダー賞に輝くとともに総合5位に入っている。アダムも2014年ツアー・オブ・ターキー総合優勝、同年クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ総合6位、2015年ティレーノ〜アドリアティコ総合9位という実力者だ。

世界チャンピオンのミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)や、2014年ジロ総合7位&ブエルタ総合14位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)、ルクセンブルクのロード&TTチャンピオンで2015年ツール・ド・スイス総合6位のボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)、ドイツチャンピオンのエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)らも総合力でヤングライダー賞上位に絡むと予想される。

その他、登坂力に秀でたクライマーとしてワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)やティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)、エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ)らの名前も挙がる。

最終的なヤングライダー賞獲得は難しいが、ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)らが序盤ステージでマイヨブランを争うことになるだろう。

初日の個人タイムトライアルを狙うトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)やローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がマイヨブランに袖を通す可能性も高い。

フランスを代表するスプリンターとなったアルノー・デマール(フランス、FDJ)、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)、ブライアン・コカール(フランス、ユーロップカー)の3人衆は全員マイヨブラン対象選手だ。



ツール・ド・フランス2014ヤングライダー賞ランキング
1位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)                      90h07’21”
2位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)               +3’11”
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +1h13’40”
4位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)            +1’39’45”
5位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)                   +1’52’35”

歴代のマイヨブラン獲得者(同年の総合成績)
2014年 ティボー・ピノ(フランス)          総合3位
2013年 ナイロ・キンタナ(コロンビア)        総合2位
2012年 ティージェイ・ヴァンガーデレン)       総合5位
2011年 ピエール・ロラン(フランス)         総合10位
2010年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク)     総合1位
2009年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク)     総合2位
2008年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク)     総合12位
2007年 アルベルト・コンタドール(スペイン)     総合1位
2006年 ダミアーノ・クネゴ(イタリア)        総合12位
2005年 ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)    総合12位
2004年 ウラディミール・カルペツ(ロシア)      総合13位
2003年 デニス・メンショフ(ロシア)         総合11位
2002年 イヴァン・バッソ(イタリア)         総合11位
2001年 オスカル・セビリャ(スペイン)        総合7位
2000年 フランシスコ・マンセーボ(スペイン)     総合9位
1999年 ブノワ・サルモン(フランス)         総合16位
1998年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ)          総合2位
1997年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ)          総合1位
1996年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ)          総合2位
1995年 マルコ・パンターニ(イタリア)        総合13位
1994年 マルコ・パンターニ(イタリア)        総合3位
1993年 アントニオ・マルティン・ベラスコ(スペイン) 総合12位
1992年 エディ・ボウマンス(オランダ)        総合14位
1991年 アルバロ・メヒア(コロンビア)        総合19位
1990年 ジル・ドリオン(フランス)          総合15位

text:Kei Tsuji in Utrecht, Netherlands
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