タイム差0秒で迎えた総合ワンツーによる争い。激坂を含む18.3kmコースでトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)が勝利し、ステージ2位に入った総合2位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)が総合優勝に輝きました。



TTバイクで前半区間を走るホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)TTバイクで前半区間を走るホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Tim de Waele


トップタイムで優勝したトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)トップタイムで優勝したトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:Tim de Waele山がちなコースで6日間にわたって開催されたブエルタ・アル・パイスバスコの最後を締めくくるのは、もちろん山がちな個人タイムトライアル。前半は下りのワインディングが続き、後半にかけて2つの登りが登場する。最後は前日の第5ステージにも登場した最大勾配26%の2級山岳アイア峠(別名アイアの壁)を駆け上がる。

ステージ7位に入ったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ステージ7位に入ったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Tim de Waele前半と後半のコースキャラクターが大きく変わるため、TTバイクでスタートし、中盤にノーマルバイクにスイッチする選手が続出。オランダTTチャンピオンジャージを着るドゥムランがトップタイムをマークする中、総合トップ2の闘いが始まった。

リーダージャージを着て最終TTを走るセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)リーダージャージを着て最終TTを走るセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ) photo:Tim de Waele先にフィニッシュしたのは総合2位のロドリゲスで、ドゥムランから僅か4秒遅れという好タイムを叩き出す。最終走者リーダージャージを着るエナオモントーヤも好走したものの、ドゥムランから17秒遅れに。エナオモントーヤがロドリゲスから13秒遅れに終わり、最終日に総合順位が逆転した。

ブエルタ・アル・パイスバスコで初総合優勝を飾ったロドリゲスは「1年間続いた勝てない状態を脱して、この4日間で3勝目(ステージ2勝+総合優勝)。とてもスペシャルなことであり、TTで良い走りを出来たことも嬉しい。下りではリスクを負ったものの、登りではホセ・アセベド監督から情報を聞きながら全開で走行。最後まで集中力を切らさなかった」とコメントする。

ロドリゲスに期待がかかるのは得意なアルデンヌ・クラシックでのさらなる活躍。アムステルゴールド・レースでは2011年2位、フレーシュ・ワロンヌでは2012年優勝、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュでは2013年2位という成績を残している。「アルデンヌ・クラシック直前のタイミングで、パイスバスコという特別な地で勝てたことをとても嬉しく思う」と好調ロドリゲスは語る。カチューシャはヘント〜ウェヴェルヘム、ロンド・ファン・フラーンデレンに続くUCIワールドツアーレース制覇だ。

選手コメントはチーム公式サイトより。



ステージ11位に終わったトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)ステージ11位に終わったトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ) photo:Tim de Waele総合3位サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)は総合5位にダウン総合3位サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)は総合5位にダウン photo:Tim de Waele
失意のセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)失意のセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ) photo:Tim de Waele総合トップスリー、2位エナオモントーヤ、1位ロドリゲス、3位イサギーレ総合トップスリー、2位エナオモントーヤ、1位ロドリゲス、3位イサギーレ photo:Tim de Waele


ブエルタ・アル・パイスバスコ2015第6ステージ結果
1位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)          28’46”
2位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)               +04”
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)                  +05”
4位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)        +17”
5位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)              +21”
6位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)      +23”
7位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)                 +30”
8位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)                +34”
9位 レイン・ターラマエ(エストニア、アスタナ)                 +36”
10位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ) +37”

個人総合成績
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)             21h49’38”   
2位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)         +13”
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)                   +29”
4位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)                  +38”
5位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)            +46”
6位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)                +1’06”
7位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)                +1’14”
8位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ) +1’15”
9位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)               +1’25”
10位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)                     +1’33”

ポイント賞
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

山岳賞
オマール・フライレ(スペイン、カハルーラル)

スプリント賞
ルイス・フェルファーク(ベルギー、ロット・ソウダル)

チーム総合成績
カチューシャ

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele