気温は最後まで0度を超えなかった。時折小雪が舞うSUGO国際モトクロスコースで繰り広げられたシクロクロス全日本選手権。メカトラを誘発する粘土質の泥に苦しめられながらも、竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)が4連覇を掴んだ。


男子エリート 54名がスタートを切る男子エリート 54名がスタートを切る photo:Kei Tsuji
男子エリート スタート前に山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)と渡辺航先生が握手男子エリート スタート前に山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)と渡辺航先生が握手 photo:Kei Tsuji男子エリート 1周目のキャンバー区間をクリアする選手たち男子エリート 1周目のキャンバー区間をクリアする選手たち photo:Kei Tsuji

男子エリート バイクを担いで「忍者返し」をよじ登る男子エリート バイクを担いで「忍者返し」をよじ登る photo:Kei Tsujiその名の通り、普段モトクロスのレース会場として使用されているスポーツランドSUGO国際モトクロスコース。切り拓かれた山は粘性の高い泥に覆われており、絶え間なくアップダウンが続くのが特徴だ。

男子エリート 泥詰まりによって出遅れた山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)男子エリート 泥詰まりによって出遅れた山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム) photo:Kei Tsuji三船雅彦氏がディレクションしたコースには、急勾配の「忍者返し」や下り基調のウォッシュボード、斜面を横切るキャンバー、スピードの出る舗装路の下りが組み合わされている。全長2.7kmコースは1周につき100m近くを登る。

男子エリート ウォッシュボードをスムーズにクリアする竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)男子エリート ウォッシュボードをスムーズにクリアする竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ) photo:Kei Tsuji前日から降った雪と霜によって路面は濡れ、乾くことのないまま午前中のレースで泥状に練り上げられた。加えて氷点下に近い風が吹き、半分凍結した泥が絶え間なくバイクにまとわりつく。泥の粘性が時間とともに刻々と変わる過酷なコンディション。2カ所のピットエリアでスタッフと連携し、泥によるリスクを如何に下げることが出来るかが勝敗を分けた。

男子エリート 2番手に浮上した門田基志(TEAM GIANT)男子エリート 2番手に浮上した門田基志(TEAM GIANT) photo:Kei Tsujiスタートともに飛び出したのは大会3連覇中の竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)だった。そこに今シーズン好調の山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が追いつき、続いて丸山厚(BOMA RACING)もジョインする。スタート後早々に竹之内vs山本の様相を呈したが、最初の「忍者返し」通過後に竹之内が抜け出した。

竹之内に先行を許してしまった山本は「(竹之内)悠の後ろにつけて『作戦通りだ!』と思ったんですが、最初の忍者返しを越えたところで前輪が泥でロックしてしまい、大きく順位を落としてしまった。少ししか見れていませんが、やはり悠は泥の処理が上手かった」と語る。同じく好スタートを切った丸山も泥に苦戦し、大きく順位を落とした。

一方、スタート直後にチェーントラブルを被った小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)は実質的に後方スタートに。次々に前走者をパスしてポジションを上げたが、同じく1周目の泥に苦しめられることになった。「スタートしてすぐにチェーンが落ちてしまいました。そこからラインを外しながら無理にでも前に出ようと走ると、泥を拾ってしまってバイクが走れない状態になった。バイクを交換してから落ち着いて追い上げたんですけど、最初の遅れを取り戻せませんでした」と小坂光は振り返っている。

ライバルたちの失速によって単独先頭に立った竹之内は、後続を40秒引き離す圧倒的なペースで1周目を終える。追走したのは合田正之(Cycleclub3UP)や斎藤朋寛(RIDE LIFE GIANT)で、2周目に入ると門田基志(TEAM GIANT)が2番手に浮上。小坂光は1分40秒、山本は2分遅れで2周目に入った。

男子エリート モトクロスコースを駆け抜ける竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)男子エリート モトクロスコースを駆け抜ける竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ) photo:Kei Tsuji
男子エリート 次々に選手をパスする小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)男子エリート 次々に選手をパスする小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス) photo:Kei Tsuji男子エリート 後半にかけて勢いを増す濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)男子エリート 後半にかけて勢いを増す濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM) photo:Kei Tsuji
男子エリート 泥のダウンヒルをこなす竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)男子エリート 泥のダウンヒルをこなす竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ) photo:Kei Tsuji

男子エリート 泥詰まりでストップする竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)男子エリート 泥詰まりでストップする竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ) photo:Kei Tsuji快調に1分30秒のリードを稼ぎ出した竹之内だったが、4周目に差し掛かるところで様子が急変する。粘性を増した泥がフレームとタイヤ、ブレーキの間にまとわりつき、ホイールが回転を停止する。竹之内が時折立ち止まって指でかき出しているうちに、後続門田とのタイム差は30秒にまで縮まった。

男子エリート 淡々とハイペースを刻む門田基志(TEAM GIANT)男子エリート 淡々とハイペースを刻む門田基志(TEAM GIANT) photo:Kei Tsuji「徐々に泥の質が変わって、前の周回と同じ走り方が通用しなくなった。泥が詰まった影響でチェーンが落ち、フロントディレイラーに絡んでしまったんです。そこで(追いつかれるという)覚悟をしましたね。タイム差が小さい状態だと門田さんのスイッチが入ってしまうので」と竹之内。「落ち着いてバイク交換にこぎ着けて、そこからは同じ間違いを二度としないように気をつけながら走りました。担ぐポイントでは早め早めに担いで走った」。

男子エリート ピットエリアはもう一つの戦場男子エリート ピットエリアはもう一つの戦場 photo:Kei Tsujiバイク交換した竹之内はペースを取り戻し、再び門田とのタイム差は拡大傾向に転じる。泥コースをトラブルを少なく走るコツについて竹之内は「ランをする選手の靴から剥がれた泥が路面に転がっている状態。その泥はタイヤにくっつきやすいので、出来るだけ他の選手が走らないラインを選んで走りました。ヨーロッパで経験してきたものが生きたと思います」と語っている。

男子エリート 独走で最終周回に入った竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)男子エリート 独走で最終周回に入った竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ) photo:Kei Tsujiほぼ毎周回バイクを交換し、その後は大きなトラブルなく走った竹之内が先頭で最終ストレートにやってくる。終始2番手で走り続けた門田を1分31秒、1周目から追走の走りを強いられた小坂光を2分03秒引き離してフィニッシュした。

シクロクロス全日本選手権4連覇。フィニッシュ後に4本指を立てた竹之内は「9連覇の辻浦さんには及びませんけど」と笑う。しかし直前のUCIレースで山本に連敗するなど、不安材料がある中での勝利だった。「2週間前の野辺山シクロクロスで良くも悪くも負けてしまった。その時はショックでしたが、誰でもパーフェクトな状態で走れるわけじゃないし、(山本)カズさんが強いことを認めて、自分は出来ることをする。ダラダラとした登りではなく、傾斜のきつい短い登りが多いことが味方しました。自分に相性が良いコースだと思っていたので、負ける気はしなかったです」。

竹之内は来週水曜日にベルギーに戻り、その後はUCIワールドカップやBpostBankトロフェーの出場が続く。「タイトルを穫ったので、胸を張ってベルギーに帰りたい。でも今日のような走りでもヨーロッパでは80%ルールでは切られてしまう。1年後、全日本選手権に戻ってくる時には更に強くなっていたいですね」と全日本チャンピオンは締めくくった。

男子エリート 4番手でフィニッシュに向かう濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)男子エリート 4番手でフィニッシュに向かう濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM) photo:Kei Tsuji男子エリート 3番手にまで順位を上げた小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)男子エリート 3番手にまで順位を上げた小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス) photo:Kei Tsuji
男子エリート 観客の声援に応えながらフィニッシュに向かう竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)男子エリート 観客の声援に応えながらフィニッシュに向かう竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ) photo:Kei Tsuji

男子エリート 両手を挙げてフィニッシュする竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)男子エリート 両手を挙げてフィニッシュする竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ) photo:Kei Tsujiこの日のサプライズは安定した走りで2位を射止めた門田だ。本人も「11月からオフに入ったのでシーズンよりも5〜6kg重い状態。2位という結果は全然想像していなかった」と打ち明ける。

男子エリート表彰台男子エリート表彰台 photo:Kei Tsuji「泥は元々好きで、マウンテンバイクでも泥のコースが得意。1周目でどんどん前が空いて、気付いたら2位。周りが泥で止まっている中で、バイクに泥が詰まりにくかった。楽しみながら走りました」と語る門田はシクロクロスへの本格参戦を考えると言う。

追い上げて3位に入った小坂光は「ミスと焦りを含めて実力かなと思います。今年こそはと思っていたのに。本当はしっかり勝負したかったので悔しいです」と声のトーンを落とす。

4位には後半にかけて勢いよく追い上げた濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)が入り、山本聖吾(スワコレーシングチーム)とのスプリントを制した山本和弘が5位に。この日スタートした54名のうち、トップと同一周回でフィニッシュしたのは7名だけだった。

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シクロクロス全日本選手権2014男子エリート結果
1位 竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)       59'15"
2位 門田基志(TEAM GIANT)               +1'31"
3位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)       +2'03"
4位 濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)      +4'16"
5位 山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)       +4'38"
6位 山本聖吾(スワコレーシングチーム)          +4'43"
7位 合田正之(Cycleclub3UP)             +5'11"
8位 小坂正則(スワコレーシングチーム)          -1Lap
9位 中間森太郎(TEAM edcoグラファイトデザインGIRO)  -1Lap
10位 山川惇太郎(Team CHAINRING)           -1Lap

text&photo:Kei Tsuji
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