アスタナプロサイクリングのイグリンスキー兄弟のEPO陽性に続いて、リザーブチームのコンチネンタルチームアスタナに所属する若手選手2名からドーピング陽性反応が検出。相次ぐドーピング違反は1軍チームのUCIワールドツアーライセンスに影響を及ぼすと見られている。



2015年度の雲行きが怪しくなってきたアスタナ2015年度の雲行きが怪しくなってきたアスタナ photo:Makoto.AYANOカザフスタン籍のUCIコンチネンタルチームであるコンチネンタルチームアスタナに所属するヴィクトル・オキシェフ(カザフスタン)から筋肉増強剤であるアナボリック・ステロイドの「違反が疑われる分析結果(Adverse Analytical Finding)」が検出。サンプルが採取されたのは5月のアジア選手権で、オキシェフは同大会のU23個人タイムトライアルで2位に入っていた。

マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) photo:Kei Tsujiまた、10月にはチームメイトのイリア・ダヴィデノク(カザフスタン)も同様にアナボリック・ステロイド陽性に。ダヴィデノクは7月のツアー・オブ・チンハイレイク総合優勝者。8月のツール・ド・ラヴニールでステージ優勝を飾り、その際に採取されたサンプルから陽性反応が検出された。ダヴィデノクは8月からスタジエール(研修生)としてアスタナプロサイクリングに合流。世界選手権U23ロードレースで8位に入っている。

登録は異なるが、コンチネンタルチームアスタナはアスタナプロサイクリングの実質的なリザーブチーム。カザフスタンの若手育成を掲げて2012年に活動を開始した。

10月のイグリンスキー兄弟EPO陽性に始まり、僅か2ヶ月の間に同じカザフスタンのアスタナサイクリングプログラムからドーピング陽性が4件連続したことになる。ダヴィデノクの陽性が判明した時点でUCI(国際自転車競技連合)のライセンス委員会は「チームの倫理基準が充分なものであるのかライセンス委員会が判断し、適切な裁定を下す」と、UCIプロチームのライセンス登録の見直しを発表。11月6日にジュネーブで行なわれたUCIのヒアリングにチームが出席し、近日中に方向性が示されると見られていた。

しかし、そこに追い討ちをかけるようなオキシェフの陽性。ツール・ド・フランス覇者ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)が所属するアスタナプロサイクリングは2015年のUCIワールドツアーライセンスを保有しているが、条件付きのライセンス付与もしくはライセンス取消になる可能性が大きくなってきた。

text:Kei Tsuji

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