2012年にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制したマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)がツール・ド・フランス直後のドーピング検査でEPO(エリスロポエチン)陽性。兄弟揃ってのドーピング陽性によってアスタナが揺れている。



2012年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制したマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)2012年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制したマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) photo:Kei Tsujiイグリンスキー兄弟の弟ヴァレンティンのEPO陽性が発覚したのは今年9月のこと。ヴァレンティンはEPOを摂取していた事実を認め、9月10日にアスタナから解雇されている。

弟ヴァレンティンの陽性からわずか3週間。今度は兄マキシムのEPO陽性が発覚した。陽性反応が検出されたサンプルは8月1日に行なわれたドーピング検査で採取されたもの。イグリンスキーは直前のツール・ド・フランスでヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)のアシストをつとめ上げた。UCI(国際自転車競技連合)は両者の関連性については言及していないが、弟ヴァレンティンと兄マキシムからEPOが検出されたドーピング検査日は10日しか離れていない。

アスタナが加入しているMPCC(サイクルスポーツ倫理団体)のルールによると、12ヶ月の間に2度のドーピング陽性者が出た場合は次のUCIワールドツアーレースから8日間チーム活動を自粛しなければならない。今回の陽性発覚を受け、アスタナは「当該選手は暫定的に出場停止状態にあり、Bサンプルの結果を待っている状態」として活動自粛はしない意向を示している。10月5日に開催されるイル・ロンバルディアには出場する見通しだ。

なお、UCIが発表した10月1日付けの「暫定出場停止選手リスト」の中には、今年6月に現役を引退した濱田博の名前もある。ツール・ド・熊野のドーピング検査で、当時湘南ベルマーレに所属していた濱田のサンプルからクレンブテロール陽性が検出された。取材によれば、濱田には喘息の症状があり、その治療のために摂取した新薬の成分に微量のクレンブテロールが含有していたこと、担当医師もそれを知らなかったことが原因だという。

TUE(治療目的使用に係る除外措置)を事前に申請して承認されていれば、例外的に禁止薬物の使用が可能となる。しかしTUEを承認されていなければ、医療上の理由であっても禁止薬物は使用出来ず、使用した場合には当然ドーピング違反となる。ロードに限らず、UCIレースに出場するプロ・アマチュア含めた全選手は、今一度アンチドーピングに関する知識を深めるべきだ。

text:Kei Tsuji, Makoto Ayano