標高480mの1級山岳タンブルマウンテンで繰り広げられた山岳バトル。「ヴェローナのいつものトレーニングコースに似ていた」と言うエドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)がビッグネームを下して勝利し、総合トップに躍り出た。
いくつもの街を抜けてタンブルマウンテンを目指す photo:www.tourofbritain.co.uk
ツアー・オブ・ブリテン2014第3ステージ photo:www.tourofbritain.co.ukツアー・オブ・ブリテン第3ステージは4つのカテゴリー山岳が登場する180kmの難関山岳ステージ。いくつものアップダウンをこなした後、1級山岳タンブルマウンテンにフィニッシュする。一日の獲得標高差は2800mで、最後は標高480mの頂上に向かって平均勾配8%/距離4.7kmを駆け上がる。
レース序盤に飛び出したマーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)やマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ・サクソ)ら6名 photo:www.tourofbritain.co.uk山岳賞ジャージを着るマーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)やマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ・サクソ)ら6名がレース序盤から逃げたものの、総合争いの行方を大きく左右する山岳ステージだけに集団はこの動きを警戒。最後まで粘ったボアーロも1級山岳タンブルマウンテンを前に吸収される。
先頭で競り合うエドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)とニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ) photo:www.tourofbritain.co.ukティンコフ・サクソが牽引する形で登坂がスタートすると、頂上まで4kmを残してまずはジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・シャープ)がアタック。続いてザルディーニがカウンターアタックで飛び出し、残り3km地点でバウアーをかわして独走を開始する。
独走でフィニッシュするエドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF) photo:www.tourofbritain.co.ukダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ)が牽引する集団からニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)が飛び出すと、そのまま先頭のザルディーニに合流。ステージ優勝とリーダージャージ目がけて走ったロッシュだったが、ザルディーニを引き離すことが出来ない。
残り1kmを前に再びザルディーニが腰を上げるとロッシュが下がる。ロッシュを置き去りにしたザルディーニがリズミカルなダンシングでフィニッシュまで独走した。9秒差のステージ2位にミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)、11秒差のステージ3位にロッシュが入り、ステージトップ3がそのまま総合トップ3に浮上した。
「今日は普段からトレーニングで走っているイタリアのヴェローナ近郊に似ていた。自分向きだったんだ。イギリス最高峰と言われる登りで勝つことが出来て光栄だ。タフだったけど、美しい登りだった」と、大会最難関の山頂フィニッシュを制したザルディーニは語る。
キャリア最高の勝利を手にした24歳のイタリアンクライマーは落ち着いて戦況を読み、持ち前の登坂力でUCIプロチームライダーを退けた。「後ろからニコラス(ロッシュ)が合流してきたときも焦らず自分のペースを保った。先に行かせて様子を見たけど、実際すごく調子が良くて、タイミングを見計らってもう一度アタックした。頂上付近のファンの声援を受けながらフィニッシュする瞬間は最高だったよ」。
「今大会ではアグレッシブに攻撃しようと決めていたし、このリーダージャージを守り抜きたい。タイムトライアルでウィギンズやクヴィアトコウスキーからタイムを失うだろうから、この先のステージでタイムを稼がないと」と、ザルディーニは総合優勝に向けて意気込んだ。
選手コメントはレース公式サイトより。
グルペットでフィニッシュするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)ら photo:www.tourofbritain.co.uk
リーダージャージを獲得したエドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF) photo:www.tourofbritain.co.uk
ツアー・オブ・ブリテン2014第3ステージ結果
1位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF) 4h35'02"
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)+09"
3位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ) +11"
4位 ディラン・テウンス(ベルギー、BMCレーシング)
5位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +14"
6位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
7位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ)
8位 セバスティアン・レイヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング) +16"
9位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
10位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、ネットアップ・エンドゥーラ)
個人総合成績
1位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF) 11h30'21"
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)+13"
3位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ) +17"
4位 ディラン・テウンス(ベルギー、BMCレーシング) +21"
5位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +24"
6位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ)
7位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター) +26"
8位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、ネットアップ・エンドゥーラ)
9位 セバスティアン・レイヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング)
10位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) +37"
ポイント賞
ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
山岳賞
マーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)
チーム総合成績
IAMサイクリング
text:Kei Tsuji
photo:www.tourofbritain.co.uk





残り1kmを前に再びザルディーニが腰を上げるとロッシュが下がる。ロッシュを置き去りにしたザルディーニがリズミカルなダンシングでフィニッシュまで独走した。9秒差のステージ2位にミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)、11秒差のステージ3位にロッシュが入り、ステージトップ3がそのまま総合トップ3に浮上した。
「今日は普段からトレーニングで走っているイタリアのヴェローナ近郊に似ていた。自分向きだったんだ。イギリス最高峰と言われる登りで勝つことが出来て光栄だ。タフだったけど、美しい登りだった」と、大会最難関の山頂フィニッシュを制したザルディーニは語る。
キャリア最高の勝利を手にした24歳のイタリアンクライマーは落ち着いて戦況を読み、持ち前の登坂力でUCIプロチームライダーを退けた。「後ろからニコラス(ロッシュ)が合流してきたときも焦らず自分のペースを保った。先に行かせて様子を見たけど、実際すごく調子が良くて、タイミングを見計らってもう一度アタックした。頂上付近のファンの声援を受けながらフィニッシュする瞬間は最高だったよ」。
「今大会ではアグレッシブに攻撃しようと決めていたし、このリーダージャージを守り抜きたい。タイムトライアルでウィギンズやクヴィアトコウスキーからタイムを失うだろうから、この先のステージでタイムを稼がないと」と、ザルディーニは総合優勝に向けて意気込んだ。
選手コメントはレース公式サイトより。


ツアー・オブ・ブリテン2014第3ステージ結果
1位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF) 4h35'02"
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)+09"
3位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ) +11"
4位 ディラン・テウンス(ベルギー、BMCレーシング)
5位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +14"
6位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
7位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ)
8位 セバスティアン・レイヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング) +16"
9位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
10位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、ネットアップ・エンドゥーラ)
個人総合成績
1位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF) 11h30'21"
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)+13"
3位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ) +17"
4位 ディラン・テウンス(ベルギー、BMCレーシング) +21"
5位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +24"
6位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ)
7位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター) +26"
8位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、ネットアップ・エンドゥーラ)
9位 セバスティアン・レイヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング)
10位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) +37"
ポイント賞
ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
山岳賞
マーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)
チーム総合成績
IAMサイクリング
text:Kei Tsuji
photo:www.tourofbritain.co.uk