エネコ・ツアー最終日前日の第6ステージは、総合リーダージャージを着るエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)が総合2位のタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)を破って優勝。ボーナスタイムにより総合リードを広げたボアッソンは、大会初制覇に向けて翌日の最終TTに挑む。

ベルギーのヘンクをスタートして行く選手たちベルギーのヘンクをスタートして行く選手たち photo:Cor Vosエネコ・ツアー第6ステージはベルギーのヘンクからオランダのルールモントまでの163.3kmで行なわれた。大きな上りは皆無。予想されていた横風はそれほどキツくなく、選手たちは平均47km/hを超えるハイスピードで163.3kmを駆け抜けた。

この日はブエルタ・ア・エスパーニャ出場を見据えてトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)がDNS。他にも前日に鎖骨を骨折したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)やウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、フランセーズデジュー)ら、合計6名がスタートしなかった。

リック・フレンス(オランダ、ラボバンク)、フーブ・デュイン(オランダ、ガーミン)、アレクサンドル・セロフ(ロシア、カチューシャ)リック・フレンス(オランダ、ラボバンク)、フーブ・デュイン(オランダ、ガーミン)、アレクサンドル・セロフ(ロシア、カチューシャ) photo:Cor Vosレースは34km地点でリック・フレンス(オランダ、ラボバンク)、フーブ・デュイン(オランダ、ガーミン)、アレクサンドル・セロフ(ロシア、カチューシャ)の3名が飛び出し、最大4分20秒のリードを得て逃げる展開に。

しかし平坦コースでは、人数で勝るメイン集団が圧倒的に有利。ランプレやクイックステップ、リクイガスの集団コントロールにより先頭3名はゴール6km手前で吸収。大集団はスプリンターチームが先頭でポジション争いを繰り広げながら、ハイスピードでゴール前へと突き進んだ。

黄色い花畑の横を通過していく黄色い花畑の横を通過していく photo:Cor Vosまだ1勝も飾っていないリクイガスが積極的に集団を牽いたが、ラスト1kmのアーチでチームコロンビア・HTCが主導権を奪い取る。最終ストレートでマーク・レンショー(オーストラリア)に発射されたボアッソンが、先頭でスプリントを開始した。

マシュー・ゴス(オーストラリア、サクソバンク)やタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)が対抗したが、リーダージャージを着るボアッソンは誰にも先頭を譲らずゴール。ステージ1勝目を飾ったボアッソンは、ポイント賞ランキングのトップに躍り出た。

ゴスやブラウンらを下したエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)が優勝ゴスやブラウンらを下したエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)が優勝 photo:Cor Vosボアッソンはチーム公式サイトの中で「今日は最高のスプリントだった、シャンゼリゼでカヴェンディッシュの勝利をお膳立てしたような完璧なリードアウトで、マーク(・レンショー)が僕をゴールまで連れて行ってくれたんだ。チームは一丸となって僕をサポートしてくれた。僕はその仕事を完遂しただけ」と語っている。

ボーナスタイムを加算したボアッソンは総合リード拡大に成功している。ファラーとの総合タイム差を15秒から21秒に、ラルスイティング・バク(デンマーク、サクソバンク)とのタイム差を15秒から25秒に広げ、総合優勝に王手をかけた。

ステージ優勝を飾ったエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)がリーダージャージをキープステージ優勝を飾ったエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)がリーダージャージをキープ photo:Cor Vos翌日の第7ステージは、13kmの最終個人タイムトライアル。総合2位のファラーは元々トラック競技で鍛えた独走力の持ち主で、総合3位のバクもデンマークTTチャンピオンに3回輝いている選手。しかし2007年から3年連続でノルウェーのTTチャンピオンに輝いているボアッソンの優位は揺るがないと見られている。

ボアッソン自身も「明日の個人TTで総合リードは守りきれると思う。大会中ずっと支えてくれたチームに“ありがとう”を言うために、総合優勝で恩返ししたい」とコメント。ヘント〜ウェベルヘムジロ・デ・イタリアステージ優勝に続くビッグな勝利が見えてきた。

この日、新城幸也(Bboxブイグテレコム)はスプリントに絡まずに65位でフィニッシュ。総合成績では65位につけており、ツール・ド・フランスに続くエネコ・ツアー完走まで残すところ1ステージとなった。


エネコ・ツアー2009第6ステージ結果
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)3h28'58"
2位 マシュー・ゴス(オーストラリア、サクソバンク)
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)
4位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
5位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)
6位 マーク・レンショー(オーストラリア、チームコロンビア・HTC)
7位 バーデン・クック(オーストラリア、ヴァカンソレイユ)
8位 クリストフ・ホダールト(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
9位 アンジェロ・フルラン(イタリア、ランプレ)
10位 クラース・ロデウィック(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
65位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)

個人総合成績
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)26h33'33"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)+21"
3位 ラルスイティング・バク(デンマーク、サクソバンク)+25"
4位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)+31"
5位 ヨースト・ポストゥーマ(オランダ、ラボバンク)+33"
6位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)+35"
7位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)+38"
8位 ヤン・バケランツ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
9位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア・HTC)+39"
10位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、サイレンス・ロット)+42"
65位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+29'02"

ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)

チーム総合成績
ラボバンク