東欧最大規模のステージレース、ツール・ド・ポローニュの第4ステージは2日連続となる大集団スプリントで決着。ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)やルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)らを差したヨナス・ファンヘネヒテン(ベルギー、ロット・ベリソル)がプロ2勝目を飾った。



雨に見舞われた序盤。ユニークな4輪バギーの先導車が走る雨に見舞われた序盤。ユニークな4輪バギーの先導車が走る photo:tourdepologne.plツール・ド・ポローニュ第4ステージは、タルヌウ・ジェミニ・パルクから西へ向かい、ゴール地点のカトウィチュに特設された1周12.3kmの市街地周回コースを4周してフィニッシュする、今大会最長の236kmで争われた。コースプロファイルは最大標高差200mとほぼ平坦で、2日連続となる集団スプリントでの決着が予想された。

将来のポディウムガール候補?将来のポディウムガール候補? photo:tourdepologne.pl序盤から逃げたボリス・ファレー(手前、ベルギー、ロット・ベリソル)ら5名。沿道には多くのファンが駆けつけた序盤から逃げたボリス・ファレー(手前、ベルギー、ロット・ベリソル)ら5名。沿道には多くのファンが駆けつけた photo:tourdepologne.plウェットコンディションの序盤で、まずを逃げを決めたのはアレクサンドル・ラバコフ(ロシア、カチューシャ)、ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)、ブラニスラウ・サモイラウ(ベラルーシ、CCCポルサット)、アンドレイ・ソロメンニコフ(ロシア、ルスヴェロ)、ジェローム・クザン(フランス、ユーロップカー)の5名。

マティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)、マテウシュ・タツィアク(ポーランド、CCCポルサッ  ト)、ジョシュア・エドモンソン(イギリス、チームスカイ)の3名の逃げマティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)、マテウシュ・タツィアク(ポーランド、CCCポルサッ ト)、ジョシュア・エドモンソン(イギリス、チームスカイ)の3名の逃げ photo:tourdepologne.pl総合首位のペトル・ヴァコッチ(チェコ)を擁するオメガファーマ・クイックステップなどがコントロールするメイン集団に対して最大3分のタイム差を稼ぐも、一旦5名は集団に引き戻されてしまう。

クリセクら先頭3名を追走するジェローム・クザン(フランス、ユーロップカー)とプリジミスラウ・カスペルケウィッツ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)クリセクら先頭3名を追走するジェローム・クザン(フランス、ユーロップカー)とプリジミスラウ・カスペルケウィッツ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム) photo:tourdepologne.pl振り出しに戻ったプロトンからは、マティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)、マテウシュ・タツィアク(ポーランド、CCCポルサット)、ジョシュア・エドモンソン(イギリス、チームスカイ)の3名が飛び出し、この日2つ目となる逃げ集団を形成する。エスケープトリオは直ぐにリードを4分まで拡大するも、集団スプリントでのステージ優勝を目論む複数のチームによってタイム差を縮められ、すぐに吸収可能な状態に置かれる。

ジャイアント・シマノやベルキンがスピードを上げるジャイアント・シマノやベルキンがスピードを上げる photo:tourdepologne.pl周回コースに入って間もなく、残り43km地点で先頭3人と集団のタイム差が1分を切った所で、1つ目の逃げに入っていたジェローム・クザン(フランス、ユーロップカー)と第2ステージで逃げたプリジミスラウ・カスペルケウィッツ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)が追走を開始。残り30km地点で先に逃げた3人との合流に成功する。

一方でプロトンも徐々に加速し、5人になった先頭と集団とのタイム差減少に歯止めはかからず。後から合流したクザンとカスペルケウィッツが先頭から更に飛び出し、粘りを見せるも残り8.5kmでプロトンは再び1つに。

吸収のタイミングでマチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)が、残り6kmでアンジェロ・テュリク(フランス、ユーロップカー)をキッカケに3名が、残り1.5kmでトル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシング)が飛び出すも、ランプレ・メリダやベルキン、オリカ・グリーンエッジ、ジャイアント・シマノの追走によって全て吸収される。

最後は前日の覇者テオ・ボス(オランダ、ベルキン)が後方に沈む中で、ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)の牽引から発射されたサーシャ・モードロ(イタリア)が絶好の位置からスプリントを開始。後方からジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)とルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)を追い上げてくるも、残り100mを切ってから鋭い加速を見せたファンヘネヒテンがトップでゴールラインを通過。キャリア最大の勝利を飾った。

ファンヘネヒテンにとって、昨年のGP・ピノ・チェラミ(1.1)に継ぐプロ2勝目。UCIワールドツアーでは初勝利となる。普段はアンドレ・グライペル(ドイツ)らのスプリントアシストして走るプロ3年目の27歳だ。

今回のポローニュでもアシストとして参戦しているが「今日は、最後の周回コースの残り2周で(エースのケニー・)デハースから調子が悪いと相談され、僕がエースを務めることになった。今シーズンは序盤からコンディションが良かったし、それを結果として残すことができたから、とても嬉しい」とコメントした。

総合はヴァコッチが首位を守り、途中逃げたクリセクがボーナスタイム付きのスプリントポイント3つを全て先頭で通過し、9位から2位にジャンプアップすると同時にスプリント賞も獲得。山岳賞はクリセクと共に逃げたタツィアクが2つ山岳ポイントを共に先頭で通過し、首位に立っている。



勢い良く伸びたヨナス・ファンヘネヒテン(ベルギー、ロット・ベリソル)がスプリントを制覇勢い良く伸びたヨナス・ファンヘネヒテン(ベルギー、ロット・ベリソル)がスプリントを制覇 photo:tourdepologne.pl
第4ステージ表彰台第4ステージ表彰台 photo:tourdepologne.pl


ツール・ド・ポローニュ2014第4ステージ結果
1位 ヨナス・ファンヘネヒテン(ベルギー、ロット・ベリソル)
2位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)
3位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
4位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)
6位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 ライモント・クレダー(オランダ、ガーミン・シャープ)
8位 ニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
9位 ニコラス・マース(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
25位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
5h43'29"











個人総合成績
1位 ペトル・ヴァコッチ(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 マティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)
3位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)
4位 テオ・ボス(オランダ、ベルキン)
5位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
6位 ヨナス・ファンヘネヒテン(ベルギー、ロット・ベリソル)
7位 ロマン・マイキン(ロシア、ルスヴェロ)
8位 ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 マヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)
20h34'24"
+26"
+27"



+31"
+33"

+35"


ポイント賞
ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)

山岳賞
マテウシュ・タツィアク(ポーランド、CCCポルサット)

スプリント賞
マティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)

チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ


text:Yuya.Yamamoto
photo:tourdepologne.pl