UCIクラス1となってUCIプロチームのランプレ・メリダが参加するTOJ。クラシックハンターのフィリッポ・ポッツァートがついに日本にやってきた。総合を狙うタブリーズのポルセイエ、ステージに期待の宮澤崇史、西谷泰治らトップ選手の競演がいよいよ始まる。

2013GP西フランス・プルエー優勝のフィリッポ・ポッツァート2013GP西フランス・プルエー優勝のフィリッポ・ポッツァート photo:Cor Vosやはりあの男が出場する。イタリアのクラシックハンター、フィリッポ・ポッツァート(ランプレ・メリダ)がゼッケン番号1を背に1週間、日本を走る。初日のタイムトライアルのスタートは最終走者で出走時刻は14時26分30秒。

5月18日(日)から大阪府堺市で始まるツアー・オブ・ジャパン。昨年からUCIクラス1となりUCIプロチームが参加可能になった。そのランプレ・メリダは昨年に続いて2回目の出場。今年はスター選手のポッツァートが出場する。パンチャータイプのポッツァートとスプリンターのニッコロ・ボニファジオにはステージ優勝が、総合はヴァレリオ・コンティが期待される。
2014ランカウイ総合優勝のミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリスペトロケミカル)2014ランカウイ総合優勝のミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリスペトロケミカル) photo:Kei TSUJI
プロコンチネンタルチームからはドラパック・プロフェッショナルサイクリングが参戦。2012年堺ステージ覇者のウィリアム・クラークをエースナンバーに、2008年TOJ総合2位や数々の戦歴を残すジャイ・クロフォードも参加。注目は弱冠22歳のジョーダン・ケルビー。オーストラリアU23の昨年ロード、今年TTのチャンピオンで将来が期待される選手。
エースとして戦う清水都貴(ブリヂストンアンカー)エースとして戦う清水都貴(ブリヂストンアンカー) photo:Hideaki TAKAGI
コンチネンタルチームは海外が5チーム。なかでもタブリーズ・ペトロケミカルチームのミルサマ・ポルセイエディゴラコール(サマド・ポルセイエ)は今年のツール・ド・ランカウイ個人総合優勝。本大会の個人総合優勝筆頭選手だ。さらにイランの英雄、ガデル・ミズバニ、スピードマンのメディ・ソフラビが参戦し強力な布陣を誇る。

OCBCシンガポール・コンチネンタルサイクリングチームからは実績のあるエリック・シェパード、トマス・ラボウ、昨年の本大会で山岳賞ジャージを着たこともあるジャン・チャンジェが出場。さらにアヴァンティレーシングチーム、ラファコンドールJLT、HKSIプロサイクリングチームが出場する。
昨年は大会2勝を挙げた西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)。チームのそして日本人の意地を見せる走りに期待昨年は大会2勝を挙げた西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)。チームのそして日本人の意地を見せる走りに期待 photo:Hideaki TAKAGI
国内コンチネンタルチームは8チームが出場。ブリヂストンアンカー・サイクリングチームから昨年本大会個人総合3位4位のダミアン・モニエとトマ・ルバが、そしてエースの清水都貴が出場する。さらに内間康平、初山翔、伊丹健治の6名で戦う。

昨年ステージ2勝の愛三工業レーシングチームは西谷泰治でステージを、4月のツアー・オブ・タイランド個人総合優勝の中島康晴がステージ&総合を狙う。ヒルクライムに強い平塚吉光、今季加入の早川朋宏と中根英登、そしてキャプテンの綾部勇成で戦う。
エースとしての強さに安定感を増した畑中勇介(シマノレーシング)エースとしての強さに安定感を増した畑中勇介(シマノレーシング) photo:Hideaki TAKAGI
エースナンバーの畑中勇介を中心とするシマノレーシングは、昨年の東京ステージ3位の吉田隼人と入部正太朗の強力タッグ、プロローグや逃げに強い野中竜馬、今季加入の木村圭佑と横山航太で参戦。畑中の強さはもちろんだが、上りも強い吉田の走りも注目したい。さらにジュニア時代に3種目で全日本チャンピオンとなった横山の成長も注目。

2年連続個人&チーム総合優勝のヴィーニファンティーニ・NIPPO。メンバーも大きく変わりスプリンターの宮澤崇史とピエールパオロ・デネグリがステージを狙う。注目選手はバカンソレイユから4月に加入のグレガ・ボーレで、ドーフィネステージ1勝、GP西フランス・プルエー優勝など実力者。アレッサンドロ・ビソルティも上りに強い。
2014TOJ南信州ステージ優勝のピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニ・NIPPO)2014TOJ南信州ステージ優勝のピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニ・NIPPO) photo:Hideaki TAKAGI来日2年目のホセ・ビセンテ(チーム右京)来日2年目のホセ・ビセンテ(チーム右京) photo:Hideaki TAKAGI

チーム右京はホセ・ビセンテ、リカルド・ガルシアそして2012年全日本チャンピオン土井雪広の3人がトップクラスの実力を持つ。ホセ・ビセンテは実業団伊吹山で2連覇、ガルシアと土井は上りに強いオールラウンダー。これに新加入の平井栄一、住吉宏太、中央大学の山本隼で参戦。

宇都宮ブリッツェンは上りに強い増田成幸、オールラウンダーの鈴木譲、スプリンターの鈴木真理と大久保陣、逃げが身上の阿部嵩之、若手代表格の堀孝明とオールスターレベル。増田の登坂能力と、大久保のスプリントそして鈴木譲の総合成績に注目したい。
実業団白浜で連戦連勝の宇都宮ブリッツェン。クリテリウムでは大久保陣が優勝実業団白浜で連戦連勝の宇都宮ブリッツェン。クリテリウムでは大久保陣が優勝 photo:Hideaki TAKAGI宇都宮クリテリウムを制したセバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)宇都宮クリテリウムを制したセバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ) photo:Hideaki TAKAGI

マトリックスパワータグはセバスチャン・モラとアイラン・フェルナンデスのマディソンチャンピオンコンビが3月から国内レースを席巻しているが、4月にもうひとり、ベンジャミン・プラドが合流。スペイン3人の強力タッグが繰り出す成果が楽しみ。さらに安原大貴と今季加入の和田力の5人で戦う。

Cプロジェクトは現個人TT全日本チャンピオンの大場政登志、昨年からロードに専念する山本和弘、2012年までアンダルシアに所属のホセ・アギラヴェガら役者が揃う。大村寛、米内蒼馬、藤岡克磨の6人で戦う。藤岡のスプリントにも期待だ。
来日2年目のホセ・アギラヴェガ(Cプロジェクト)来日2年目のホセ・アギラヴェガ(Cプロジェクト) photo:Hideaki TAKAGI昨年のジュニアロードチャンピオン黒枝咲哉(左、鹿屋体育大)。兄・士揮(右)は現在ヴィーニファンティーニ・NIPPO所属昨年のジュニアロードチャンピオン黒枝咲哉(左、鹿屋体育大)。兄・士揮(右)は現在ヴィーニファンティーニ・NIPPO所属 photo:Hideaki TAKAGI

日本ナショナルチームは浅田顕監督の下、全員がU23選手で構成。昨年のジュニア全日本チャンピオンの黒枝咲哉(鹿屋体育大)、広瀬樹(中央大)、EQA U23から面手利輝、清水太己、内野直也、岡篤志の計6人。黒枝は兄譲りのスプリンターだが大分の超山岳コースで勝ったほどの登坂力も備える。EQA U23のメンバーは全員が今春にヨーロッパでネイションズカップなど走りこんできた。このチームの誰かが東京オリンピックに出る可能性は高い。彼らの今の走りを見届けたい。

photo:Col Vos,Kei TSUJI,Hideaki TAKAGI
text:Hideaki TAKAGI