2級山岳モンテカッシーノに突入する寸前、ポジション争いを繰り広げるメイン集団の中で大落車が発生する。多くのビッグネームがこの落車に巻き込まれるor足止めを食らう中、4名によるゴールスプリントでマリアローザが勝利した。



カンパニア州の内陸部を行くプロトンカンパニア州の内陸部を行くプロトン photo:Kei Tsuji


出走サインを済ませた新城幸也(ユーロップカー)出走サインを済ませた新城幸也(ユーロップカー) photo:Kei Tsuji本来247kmで行なわれる予定だったジロ・デ・イタリア第6ステージは、道路環境が整わないため10km迂回して全長257kmに。この大会最長ステージの大部分は平坦で、サッサーノからサレルノを通過し、ヴェスヴィオ火山を横目にナポリをかすめ、内陸の幹線道路をひたすら北上する。

逃げグループを牽引するアンドレア・フェーディ(イタリア、ネーリソットリ)逃げグループを牽引するアンドレア・フェーディ(イタリア、ネーリソットリ) photo:Kei Tsuji長い長い平坦路の先に待つのが、2級山岳モンテカッシーノの登りだ。4〜6%の勾配をコンスタントに刻む(平均勾配5.1%)登坂距離9.25kmの登りで勝負は決する。

10分遅れでサレルノの街を抜けるメイン集団10分遅れでサレルノの街を抜けるメイン集団 photo:Kei Tsujiレース前半はリラックスした選手たちの表情も見られたが、後半にかけて雨が降ったため集団はナーバスな状態に。この日の勝負は、2級山岳モンテカッシーノに至るまでのポジション争いで決まったと言っていい。

サレルノの港をバックにプロトンが進むサレルノの港をバックにプロトンが進む photo:Kei Tsuji6時間半に及ぶレースの大半を、エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)、マルコ・バンディエラ(イタリア、アンドローニジョカトリ)、アンドレア・フェーディ(イタリア、ネーリソットリ)、ロドルフォ・トレスアグデロ(コロンビア、コロンビア)というUCIプロコン所属選手4名が逃げ続ける展開。このワイルドカードチームの4名は最大14分のタイムを稼ぎ出すことに成功した。

この日はリーダーチームのオリカ・グリーンエッジに加えてチームスカイやジャイアント・シマノがメイン集団を牽引する。前日に落車した新城幸也(ユーロップカー)や別府史之(トレックファクトリーレーシング)もエースを守る役割として集団先頭に姿を見せた。

残り30kmを切ったあたりでプロトンは雨雲に突入。スリッピーになったコースで、総合系のチームがポジションを争いあいながらペースアップ。必然的に逃げグループとのタイム差は縮まり、残り12kmで逃げは吸収された。

残り9kmから始まる2級山岳モンテカッシーノに向けて加熱するポジション争い。するとメイン集団の中で2度も大落車が発生する。ラウンドアバウトで多くの選手が地面に投げ出され、登り投入を前に集団は大きく分裂した。

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)やジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)を始めとして多くの選手たちが怪我を負い、総合狙いのビッグネームたちも足止めを食らってしまう。

先頭では落車を免れた8名が先行。落車で遅れた集団を30秒ほど引き離して2級山岳モンテカッシーノに突入した。



2級山岳モンテカッシーノを駆け上がる先頭グループ2級山岳モンテカッシーノを駆け上がる先頭グループ photo:Kei Tsuji
ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)率いる先頭グループが登りを進むダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)率いる先頭グループが登りを進む photo:Kei Tsuji追走集団からアタックするナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)追走集団からアタックするナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Kei Tsuji



スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)が積極的に先頭グループを牽引スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)が積極的に先頭グループを牽引 photo:Kei Tsuji落車後に先行したのはBMCレーシングの3名(エヴァンス、モラビート、オス)とオリカ・グリーンエッジの3名(マシューズ、サンタロミータ、ダーブリッジ)、そしてマッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)とティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)。

先頭でスプリントするマリアローザのマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)先頭でスプリントするマリアローザのマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsujiオスとダーブリッジ、モラビートらのペースメイクによって、5%ほどの緩斜面を高速で駆け上がる先頭グループ。追走集団内のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)がしびれを切らしてアタックを仕掛けたものの、風が吹き付けたこともあり、先頭グループとのタイム差が縮まらない。

ステージ優勝を飾ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)ステージ優勝を飾ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsuji最終的にアシストたちが千切れ、エヴァンス、マシューズ、ウェレンス、ラボッティーニの4名によるスプリント勝負に。平坦なフィニッシュで、マシューズのスピードが光った。

左腕に怪我を負ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)左腕に怪我を負ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Kei Tsujiマリアローザを着るマシューズがステージ優勝。昨年ブエルタ・ア・エスパーニャの集団スプリントで2勝したスプリンターが、2級山岳でクライマーたちと対等の走りを見せ、最後は持ち前のスプリント力を見せつけた。

「もともと登りが得意だった。この2日間の走りで、中級山岳ステージでも勝てることを証明出来たよ」と、ジロでステージ初優勝を飾ったマシューズは語る。狙わずとも、マリアローザとマリアビアンカに加えて、マリアアッズーラまで手元にやってきた。

残り11km地点での大落車についてマシューズは「登りの手前では、誰もが良いポジションで走ろうと競り合っていた。道が狭まるラウンドアバウトに集団が60km/hで突っ込んだ。ポジショニングが勝敗を分けたと思う」と語っている。

落車で遅れた後続集団は49秒遅れでフィニッシュ。ステージ3位のエヴァンスはボーナスタイム4秒と合わせて53秒ものリードを稼ぎ出すことに成功した。エヴァンスはマシューズと21秒の総合2位につけている。

総合狙いの選手の多くはタイムロスを49秒に抑え込んだが、ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)は1分37秒もタイムを失う結果に。ロドリゲスとニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)に至っては、それぞれ7分43秒と15分08秒遅れでフィニッシュ。実質的に総合争いから陥落するとともに、ロドリゲスは手の親指と肋骨の骨折によって翌日出走しないことを決めている。

落車に巻き込まれなかった新城幸也(ユーロップカー)は101位。別府史之(トレックファクトリーレーシング)も落車を免れたが、エースのジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)を待ったため、15分以上遅れてフィニッシュしている。日本人選手は2人とも危険なステージを無傷で乗り切った。



15分遅れの集団でフィニッシュを目指す別府史之(トレックファクトリーレーシング)15分遅れの集団でフィニッシュを目指す別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsujiステージ優勝を飾ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がシャンパンを開けるステージ優勝を飾ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がシャンパンを開ける photo:Kei Tsuji



ジロ・デ・イタリア2014第6ステージ結果
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
4位 マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)
5位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
7位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
8位 マウロ・フィネット(イタリア、ネーリソットリ)
9位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)

11位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
15位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
17位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
18位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
19位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
23位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
28位 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)
35位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)
39位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
43位 ダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)
74位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
89位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
101位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
132位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
171位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)
6h37'01"



+13"
+23"
+49"











+1'29"
+1'37"

+4'31"
+7'43"
+8'40"
+15'05"
+15'08"


マリアローザ 個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
3位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
6位 マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)
7位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
9位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
10位 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)
24h18'14"
+21"
+1'18"
+1'25"


+1'47"
+1'51"
+1'52"
+2'06"


マリアロッサ ポイント賞
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)

マリアアッズーラ 山岳賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

チーム総合成績
BMCレーシング

text&photo:Kei Tsuji in Montecassino, Italy
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