2013年10月にさいたま市市街地にて開催された『さいたまクリテリウム by ツールドフランス』が今年も開催される。ASOジャン=エティエンヌ・アモリ氏、クリスティアン・プリュドムツール・ド・フランス総合ディレクターが来日し、さいたま市にて調印式を行った。

基本合意書に調印を済ませたASO社長ジャン基本合意書に調印を済ませたASO社長ジャン (c)MakotoAYANO
さいたま新都心の「ラフレさいたま」で開催された『さいたまクリテリウムbyツール・ド・フランス』基本合意発表記者会見。ASOを代表する2人に加え、2020東京五輪へ向けてスポーツ全般における日仏の協力関係を強化する目的で来日し、さいたまクリテのコースやスーパーアリーナ会場を視察したヴァレリー・フールネロン(仏スポーツ・青少年・社会教育・市民活動大臣)氏も同席。記者たちを前に合意書への調印式を行った。

清水勇人さいたま市長は「多くの市民が最高峰のレースを観戦できた。今回、魅力あるレースを昨年に引き続きさいたま市で開催することの基本合意ができた。この合意が将来に渡り実り多きものとなることを祈念しています」と挨拶。

ツール・ド・フランス総合ディレクター  クリスティアン・プリュドム氏ツール・ド・フランス総合ディレクター クリスティアン・プリュドム氏 ヴァレリー・フールネロン(仏スポーツ・青少年・社会教育・市民活動大臣)ヴァレリー・フールネロン(仏スポーツ・青少年・社会教育・市民活動大臣)

ASO社長 ジャンASO社長 ジャン 清水勇人さいたま市長清水勇人さいたま市長


フールネロン氏は「初回は20万人もの人を集め、大変な成功となったと聞いています。ツール・ド・フランスはスポーツ好きのフランスを象徴するお祭り。このクリテリウムが日本とフランス両国にとって大きなイベントとなり、2つの国の関係をよりいっそう強化する柱になることを期待しています。ぜひ定期的に開催して欲しい」と語った。

ツール・ド・フランスの象徴であるマイヨ・ジョーヌを掲げる。ベルナール・イノー氏のサイン入りだツール・ド・フランスの象徴であるマイヨ・ジョーヌを掲げる。ベルナール・イノー氏のサイン入りだ (c)MakotoAYANOASO社長のアモリ氏は「清水氏の熱意がなければこの合意は実現しなかっただろう。さいたまとツール・ド・フランスのパートナーシップが再び調印されたということは非常に重要なこと。このイベントはフランスと日本の両国をつなぐもの。2回めの開催は、これから続く長い道のスタートです」と語った。

別府史之からのビデオメッセージが上映された別府史之からのビデオメッセージが上映された プリュドム氏は「ツール・ド・フランスは”3500kmの人々の笑顔”だと言われている。20万人が観たこのイベントは、世界の他に例がないイベントであり、スペクタクル。日本とフランスを近づけるものです。
マルセル・キッテルが、クリス・フルームが、クリストフ・リブロンが、このさいたまクリテリウムの素晴らしさ、オーガナイズの良さなどを私に話してくれた。彼らツールのチャンピオンたちは大使だと考えている」などと語った。

3人からのコメントの後、別府史之(トレックファクトリーレーシング)からのビデオメッセージが紹介された。そして開催合意書に調印を行い、今年度の開催を約束した。

大昨年は11月26日に開催された同大会。この調印式では、昨年同様に秋または10月の開催となることが発言内で公表されたが、開催日を含めた大会概要については発表されなかった。広報担当者によれば主催者である市とASOの手続き上の足並みが揃った段階で明らかになるとしている。

3月6日付の朝日新聞埼玉版の報道によれば、3月5日に開かれたさいたま市議会では2014年度の補助金についての審議があり、市側が新しいコース案や実施体制を明らかにしたという。同紙の報道によれば、新しいコースは昨年大会の(1周2.7km)のコースに加えて、さいたまスーパーアリーナ内を通る3km以上のものに変更になる。昨年は選手村や来賓席を設けた場所が今年はビル工事のために使えなくなり、その機能をアリーナ内に移すという。

実施体制案では昨年は複数いた主催者を、今年はさいたま市だけに絞り、責任の所在を一本化。ASOなども「共催」という立場になる。一方、運営は実行委員会が行い、その事務局は市役所に新設するスポーツイベント室が担当するという。またコース沿道やアリーナ内には有料観覧席を設け、一席あたり1〜3万円程度で販売する予定だという。

プリュドム氏は「開催まで日があるため、これからさいたま市とも調整してイベントの詳細を決めていく。もちろんやるからには昨年以上のものとなるように、新しいこと、サプライズを付け加えたい」と意気込みを語った。


photo&text:Makoto.AYANO