クリテリウムでスティール・ヴォン・ホフが優勝し、ジャパンカップではジャック・バウアーが2位入賞を果たすなど大活躍を見せたガーミン・シャープ。レース翌日に東京・青山で行われたアフターパーティーの模様を紹介する。

ガーミンの輸入代理店を務める「いいよねっと」の主催で行われたこのパーティー。ダニエル・マーティン、ジャック・バウアー、ネイサン・ハース、スティール・ヴォンホフ、アレックス・ラスムッセンの5選手に加え、監督のヘルト・ヴァンボント氏、メカニックのヴィクター・ジローナ・ヴィジャルバ氏、マッサーのギャリー・ベケット氏が参加した。

日本式の「カンパイ」の音頭と共にパーティーはスタート日本式の「カンパイ」の音頭と共にパーティーはスタート
パーティーは仕事帰りやジャパンカップ観戦の疲れが残っていても参加しやすい19時半からスタート。司会をつとめるのはガーミンの日本版CMでナレーションを担当するサッシャさんで、ジャック・バウアーの登場時に人気海外ドラマ「24」の主人公・俳優ジャック・バウアーが使用する携帯の着信音を鳴らし、笑いを誘った。

「とても寒い中行われたジャパンカップでバウアー選手が2位入賞、そしてヴォン・ホフ選手がクリテリウムで優勝と素晴らしい結果を残してくれました。本当におめでとうございます。短い時間ではありますが、ファンの皆さんと共に楽しんでいってください」と、いいよねっと社長・真鍋陽一さんから挨拶。そして、東京・阿佐ヶ谷と国分寺に店舗を構える老舗サイクルショップのフレンド商会社長・中野さんの乾杯の音頭に合わせて会食が始まる。

Cutting Edgeと名付けられたガーミン・シャープのアフターパーティーCutting Edgeと名付けられたガーミン・シャープのアフターパーティー いいよねっと社長の眞鍋さんが選手たちを労ういいよねっと社長の眞鍋さんが選手たちを労う

ジャック・バウアーは箸の扱いに苦戦しながらも寿司を楽しむジャック・バウアーは箸の扱いに苦戦しながらも寿司を楽しむ 日本の飲み会スタイルでビールを注いでもらうネイサン・ハース日本の飲み会スタイルでビールを注いでもらうネイサン・ハース


選手たちはファンサービスしながらも和洋折衷のパーティーメニューを楽しむ。そんななか、唐揚げを美味しそうに食べていたネイサン・ハースは「シーズン中は揚げ物は絶対食べないし、お酒もレース後に少し飲むくらい。でもジャパンカップでシーズン終了だから今日は食べても呑んでも大丈夫。たまらないね!」と語ってくれた。また、釣りが趣味ということもあって「日本には見たことが無い魚が多い。明日は築地市場に行く予定で、すごくワクワクしてる」とのこと。

チームは都内のサイクルショップでのサイン会と靖国神社などを巡る東京観光を経てからの来場になった。ジャック・バウアーは「昼間にとても大きな神社に行ってきたんだ。初めての来日だけど、とても美しい街の景観と人々の優しさが気に入ったよ」と、興奮気味に携帯で撮った写真を見せてくれた。

こちらの女性ファンは宇都宮で撮った写真にサインをもらってましたこちらの女性ファンは宇都宮で撮った写真にサインをもらってました 何故か腕に名前を書いてもらっていたジャック・バウアー何故か腕に名前を書いてもらっていたジャック・バウアー

ファンと会食を楽しむスティール・ヴォン・ホフファンと会食を楽しむスティール・ヴォン・ホフ 女性ファンから「補給食です」と言われてうまい棒をプレゼントされたネイサン・ハース女性ファンから「補給食です」と言われてうまい棒をプレゼントされたネイサン・ハース

司会のサッシャさんも選手と共にパーティーを楽しむ司会のサッシャさんも選手と共にパーティーを楽しむ 持参したサーヴェロ P5にサインもらう男性ファン「床の間バイク決定です(笑)」持参したサーヴェロ P5にサインもらう男性ファン「床の間バイク決定です(笑)」


そして、ファンたちが食事を楽しむ選手の元に近寄って、記念撮影やサインをリクエスト。入場時に配布された色紙に加え、自前のレプリカジャージ、宇都宮でファン自身が撮影した写真などサインをしてもらうアイテムは多種多様だ。極めつけはチームが使用するTTバイクのサーヴェロ P5を持ち込んだファン。サインを書く選手が「Fastest Bike !」と揃って口にしていた。



ジャック・バウアーによるジャパンカップのレースデータ解説

パーティー中盤にはウェブサーバ上で走行データを管理できるGarminConnect(ガーミン・コネクト)の画面がプロジェクターで映し出され、ジャパンカップで2位に入賞したジャック・バウアーの当日のデータが披露された。参考までに当日のデータを示しておこう。使用したデバイスはEdge510、パワーメーターはクランク式だ。

ジャパンカップのレースデータについて解説するジャック・バウアージャパンカップのレースデータについて解説するジャック・バウアー ■速 度:平均32.9km/h 最高72.8km/h
バウアーのジャパンカップのレースデータ。最後のスプリントでは1326Wを叩きだしたバウアーのジャパンカップのレースデータ。最後のスプリントでは1326Wを叩きだした ■ケイデンス:平均84rpm 最高134rpm
■心拍数:平均148bpm 最大191bpm
■出 力:平均262W 最高1362W

そして、サッシャさんとのQ&A方式で心拍数のグラフやマップを見ながら、バウアーが解説してくれた。

ー普段どのようにデータを活用しているのか?
バウアー: 常に注意して見ているのは心拍数、特に最大心拍数で、自分がどのくらい頑張れたのかということがわかります。自分の最大心拍数は190bpmと把握していたが、昨日のレースでは最大191bpmを記録しています。つまりジャパンカップではよく走れたということです。

また、出力ワット数(ワット数)にも注目しています。今回のレースでは残り2周までは可能な限り出力を抑えながら走ることを心がけました。残り2周でサクソ・ティンコフのマイケル・ロジャースとロリー・サザーランドがアタックした際には追走するために一気に出力が上がりましたが、先頭集団にチームメイトがいなかったため、なるべくパワーを抑えてスプリントに備えました。

ーグラフやマップについて細かく解説してください。
バウアー: 1周の間に2回ある登りでは、やはり心拍と出力が上昇してします。部分的には下り区間でも上昇していますが、これは逃げを捕まえたりする瞬間ですね。マップについては同じ周回コースを走っているはずですが、少しずれています。恐らく路面が滑りやすくて下り区間で曲がりきれずに木に突っ込んでしまった事が原因ですね、多分(笑)。

2位争いのスプリントに向けて出力を抑えながらローテーションに加わるジャック・バウアー(先頭)2位争いのスプリントに向けて出力を抑えながらローテーションに加わるジャック・バウアー(先頭) (c)Makoto.AYANO2位争いのスプリントで最高出力を記録2位争いのスプリントで最高出力を記録 photo:Kei Tsuji


ー勝負が掛かった最終周回についてより詳しく解説してください。
バウアー: 2位争いのスプリントでは、ランプレ(ダミアーノ・クネゴ)やスカイ(ダビ・ロペスガルシア)、NIPPO(ジュリアン・アレドンド)のライダーたちを抑えるために全力を出し切りました。従って、最大出力がはグラフの右側、つまりレースの最後で記録していますね。

ーレースだけではなくトレーニングで使用感はどうですか?
バウアー: まず、ガーミン・シャープに所属する最大のメリットの1つがガーミンのサイクルコンピューターが使えることだと思います。僕にとっては間違いなく最も使いやすいサイクルコンピューターで、長時間に及ぶトレーニングの内容を的確に解析できることは選手にとっては間違いなく大きなメリットです。



フランスからまさかのゲスト、パンダが登場!

ベルギーから遠く離れた日本で再会を果たした?ダニエル・マーティンとパンダベルギーから遠く離れた日本で再会を果たした?ダニエル・マーティンとパンダ
バウアーによるレースデータの解説が終わると、突如スクリーンにはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュの映像が映し出される。そして会場奥からはマーティンが優勝を決めるアタックを仕掛けた時に現われた「パンダ」が登場し、ベルギーから9,500km離れた日本での再会に会場中が大爆笑!

マーティンはこのパンダについて「レース中はパンダが後ろから迫ってきているなんて気づいてなかった。レース中に1度だけ後ろを振り向いたんだけどね。レースの後にツイッターを見て初めて知ったんだ。実はパンダの正体は全く不明で、あのレース後から1度も会っていないんだ。」と、お腹を抱えながら今シーズン最大の珍事を振り返った。

いいよねっとのスタッフはチーム公式サイトで販売中のTシャツを着用いいよねっとのスタッフはチーム公式サイトで販売中のTシャツを着用 アレックス・ラスムッセンはパンダの被り物が気に入ったご様子アレックス・ラスムッセンはパンダの被り物が気に入ったご様子


ところで、ベルギーで行われたレースに登場したパンダが、なぜフランスから来日したのかは不明。因みに中国つまりツアー・オブ・北京から来たわけではないそうだ(笑)。

イベントの最後はお待ちかねの抽選会。チーム提供のサイン入りウェアやボトル、マグカップのオフィシャルグッズに加え、ポルシェ・ジャパン提供のガーミン・ミニカー、そしていいよねっとからは最新鋭のカーナビや、つい先日発売されたばかりのEdge810などなど、豪華賞品が多数用意された。

抽選会ではサイン入りジャージなど豪華景品が用意された抽選会ではサイン入りジャージなど豪華景品が用意された 最新鋭のカーナビをゲット!最新鋭のカーナビをゲット!

貰った鉢巻を巻いて「ニンジャスタイル」とご満悦なネイサン・ハース貰った鉢巻を巻いて「ニンジャスタイル」とご満悦なネイサン・ハース サイン帳に描かれた自身の似顔絵「すごく似てる!」サイン帳に描かれた自身の似顔絵「すごく似てる!」


楽しい時間はアッという間に過ぎ、パーティーは終了時刻に。最後はヴァンボント監督のコメントで締めくくられた。
「まずは、ジャパンカップの主催者といいよねっとに感謝を申し上げます。そして、悪天候の中レース会場に足を運んで下さったファンの皆様にも感謝致します。マーティンが『ジャパンカップはレースのあるべき姿だ』と言うように、多くの観客が集まる、シーズンの最後に相応しいレースだと感じました。ぜひ来年も参戦したいです」。


ガーミン・シャープのチームの雰囲気はこのとおりとても楽しい。常に笑いが絶えない、そしてネタ満載の楽しいパーティーとなったのでした。


photo&text:Yuya.Yamamoto