個人TTの第11ステージは、TT世界王者のトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が、クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)に12秒差でステージ優勝を果たした。新人賞はミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)へ移行した。

ステージ優勝のトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)

全力でゴールに向かうトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)全力でゴールに向かうトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Makoto.AYANO正直にいうと、ステージ優勝はあきらめていた。クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)が中間計測で、ぼくのタイムを上回ったのを見たときには、かなり落ち込み始めていた。もう泣きそうだった。だから(ステージ優勝が)信じられない。

平均時速54km台をマークしたトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)平均時速54km台をマークしたトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Makoto.AYANOシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)やミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)といった本当にタイムトライアルに強い選手たちに有利に立てていたので、多少はステージ優勝できると思い始めていた。フルームとの差も30秒差以内くらいで、中間計測で彼が上回るとは予想していなかった。

いまは本当にうれしい。こうしてステージ優勝できて良かったと思う。

(第1ステージのアクシデントによる)皮膚の状態もずいぶんと回復したのは運が良かった。また仰向けに寝て睡眠できるようになった。多少は回復したと思う……まだ傷は残っていて、傷口は開いているけど。でも、ぼくらのような選手は、こういうことに慣れているから、まったく問題はない。

(落車の後に)ツール・ド・フランスで続けて走ってもいいと聞いたときは、チーム・タイムトライアルのステージでは100%の力で走れないことはわかった。でも、今日のステージには充分に力を発揮できるように、ずっと期待していた。今はそれが実現して、とても満足している。今日の最後に自分は幸運な人間になった。ぼくも少しくらいは幸運に恵まれてもいいはずだ。


総合1位・ステージ2位のクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)

追い込んでゴールを目指すクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)追い込んでゴールを目指すクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:Cor.Vos残り数kmとなった段階で、大打撃を与えられると思い始めたのだけど、ちょうど最後に向かい風になってしまった。それで、それまでの勢いを落ちないようにもがくだけになってしまった。[ライバルたちに対して]1秒でもタイムを稼ぎたいと思っていたので、今日の結果には本当に満足している。自分のなかでも確実にベストなタイムトライアルだと思う。

ステージ2位に入ったクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)ステージ2位に入ったクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:Makoto.AYANOトニ・マルティンこそ、今日のステージ優勝にふさわしい。彼は驚くほど優秀なタイムトライアルの選手だし、ぼくの今日の主な目的は総合成績のライバルたちとの差を広げることだった。だから、今日は自分の実力を出せたことにも満足している。

総合成績を確実なものにするために、タイムを1秒でも稼ぐ必要があると思う。当面は最大のライバルとしてアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)に注目している。先週について言うなら、今日のステージのように1秒でも稼いでおけばよかったと思う。

チーム内のモチベーションは非常に高いし、今日はリッチー・ポルト(オーストラリア)の調子もよかった(訳注:ステージ4位)。彼はこうも言っている。「みんな聞いてくれ。ぼくのツールは終わったわけじゃない。まだここにいるし、まだ最前線で走っている!」

トニは素晴らしい走りで、ステージ優勝を勝ち取り、世界チャンピオンの証を示してくれた。でも、ぼくも総合成績でのリードを広げることができたので、リザルトには本当に満足している。これから先はまだ長いが、今は有利に立てたことを喜ばしく思う。


新人賞・ステージ5位のミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)

新人賞ジャージを取り戻したミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)新人賞ジャージを取り戻したミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Makoto.AYANO今日は実力を出せて満足している。でも、今シーズンの他のTTではもっとよい成績を出せていた。だから、今後も同じように走りたい。今日のリザルトにも満足しているし、(チームメイトの)トニ・マルティンがステージ優勝して、ぼくも新人賞のジャージを取り戻せたことをうれしく思っている。

第3週はクライマー向けでハードになりそうだ。ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)は優秀なクライマーで、パリに行くまでのあいだに彼に勝つのは難しそうだ。でも、あきらめずに上を目指すつもりだ。


ポイント賞・ステージ17位のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)

ステージ17位に入ったペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)ステージ17位に入ったペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) photo:Makoto.AYANO17位だ! あまり良い成績じゃなかった。たった3秒差でポイントを逃してしまった。ポイントを獲得するには、15位以内でゴールする必要があった。スタート台までは、今日は静かに行くつもりだった。でも、スタートしてすぐに脚の調子が良いことに気づいたので、思い切り走ることにした。

ポイント賞ジャージのためにポイントを獲得するチャンスになると考えたからだ。このチャンスをたった3秒差で失ってしまったのは本当に悔しい。今日は実はあまり重要なステージではなくて、タイムトライアルでちゃんと成績を残しさえすれば良かっただけなのだけど。

仮にプレッシャーがあれば、成績はもっと悪かったかもしれない。少なくとも、このステージのおかげで、自分のコンディションが上がり調子であることは確認できた。明日はスプリンター向けのステージになる。できるだけポイントを稼ぎたいと思う。今日のTTで体力を消耗したことは後悔していない。ツールで良い成績を残そうとする思いは止めることはできなかった。


第3週を見据える山岳賞のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)

無難にステージをこなしたピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー)無難にステージをこなしたピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー) photo:Makoto.AYANO今日の成績(ステージ91位)が、ぼくの平坦コースでの能力を反映している。今日は、ぼくの得意とするコースではなかった。タイムを失ったこともわかっているけど、ぼくの目的は総合成績で上位に入ることではない。

トニ・マルティンの平均時速が54km/hというのがわかったときは、ぼくはまだチームバスのなかにいた。今日のぼくにとって時速54kmは最高速度だった。でも、彼のは平均速度なんだ!

いま、ぼくの心は第3週の自分の好きなステージにある。第3週は今年のツールの最終パートだ。そこで輝ければいいと思う。そして、ぼくか誰かがチームのためにステージ優勝する必要もあるだろう。


総合2位・ステージ13位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

総合2位に付けるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)総合2位に付けるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Makoto.AYANO大満足だ。自分自身にとってもチームにとっても良い日になったと思う。これまでにチームとしてツールでの重要なステージを乗り切ってきた。だけど、今後のすべての山岳ステージの重要度は高く、そこではベストを尽くす必要がある。

フルームは別として——彼についてはみんなもわかっている通り、他の選手と別のレベルにいるわけだが、ぼくは他の総合に絡むライバルたちと同タイム、もしくは少し上回る成績を獲得できた。

チームメイトのナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)は大きく順位を落としたチームメイトのナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)は大きく順位を落とした photo:Makoto.AYANOTTは苦しい。本当に苦しくてたまらない。しかも今日のコースは高速な平坦コースで、ぼくでさえ平均時速が52kmだった。つまり、ぼくよりもパワーのある選手や大きなスペシャリストたちに有利な日だった。でも、ぼくは好調でモチベーションも高かったことが、良い結果につながった。タイムトライアルのスタート段階では、絶好調ではなかった。

ステージ11位のバウク・モレマ(オランダ、ベルキンプロサイクリング)ステージ11位のバウク・モレマ(オランダ、ベルキンプロサイクリング) photo:Makoto.AYANOウォーミングアップの直後で、ナーバスになる時間がまったくなかったからかもしれない。ともかく、スタート直後に自分のタイムを確認すると非常によかった。それで、自信をもって100%の力を出すことにした。これまでのツールでの平坦コースのTTのなかで、自己ベストの力を出せたのは間違いない。

先ほど言ったとおり、フルームは他の選手より一段階上のレベルにいる。これまではずっとトップの選手に注意してきたけど、他のライバルたちにも注意する必要がある——バウク・モレマ(オランダ、ベルキンプロサイクリング)は、この33kmのステージでわずか7秒ながらもタイム差をつめてきた唯一の選手だ。アルベルトやプリトなどの他の選手に対しては、ぼくのほうが速かった……今日はこれで充分だと思った。

これから先は山岳ステージに入る前に平坦ステージが3つ控えているが、どのステージも簡単ではない。ツールでは毎日がハードだ。フランスで楽に過ごせる日という伝説は、まったくのウソだ。明日は全長218kmのステージで、注意深くなる必要がある。向かい風から自分たちを守り、落車に備える必要がある。これまでのところ、チームは素晴らしい状態を保ってきた——ずっと言ってきたとおり、ぼくがここまで素晴らしいサポートを受けていることに驚いている。この件に関して、チームの全員に対して改めて感謝を述べておきたい。


総合4位・ステージ15位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)

ゴールに向けて追い込むアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)ゴールに向けて追い込むアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ) photo:Makoto.AYANOフルームが集団の他の選手とは一段階ちがうレベルにいることが判明したタイムトライアルだった。彼には敬意を表したい。だけど、自分自身はベストな状態ではないにも関わらず、他の総合に絡む選手に比べても良い結果のタイムトライアルだったと思う。たしかに、今日のコースは完璧に自分向きではなかったけど、今日の成績には満足している。

最終週のアルプスでは調子が上がっていることを願っている。今日からは、毎日しっかりとレースをしていくつもりだ。毎日わずかながらも徐々に調子が上がってきているのが、励みになっている。ぼくがまだ総合争いに残っているのは確かなことだ。これからは厄介なステージが続く。

ロードレースという競技は、たくさんの予想しなかった出来事が発生するスポーツのひとつだ。たった1日のバッド・デイになっただけで、すべてを失うこともありうる。だから、できるだけ勝利に近づくための努力をするつもりだ。ぼくたちは、クリエイターとしてツールに来たのだから。


※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。

translation & text: Seiya.YAMASAKI
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