標高2642mのガリビエ峠頂上から標高2301mのパンターニ・モニュメントにゴール地点を移して行なわれたジロ・デ・イタリア第15ステージ。レース前半に形成された逃げグループから飛び出したジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)が単独逃げ切り勝利を飾った。

雪に覆われた1級山岳モンセニスを登る雪に覆われた1級山岳モンセニスを登る photo:Riccardo Scanferla今大会の目玉ステージでもあるガリビエ峠の頂上ゴール。標高2642mの頂上付近は厚い雪によって通行が不可に。主催者は急遽ゴール地点を4.25km手前に移すことで問題なくレースを開催した。

1級山岳テレグラフ峠でペースを上げるピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)1級山岳テレグラフ峠でペースを上げるピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) photo:Riccardo Scanferla積雪で通行不可の可能性もあった1級山岳モンセニスでこの日の逃げが決まる。登坂距離25kmの長い長い登りでマリアアッズーラを着るステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)とロビンソン・シャラプゴメス(コロンビア、コロンビア)がアタック。国境を越えてフランスに入り、ピラッツィが先頭でモンセニスをクリアする。

1級山岳テレグラフ峠で独走を開始するジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)1級山岳テレグラフ峠で独走を開始するジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) photo:Riccardo Scanferla先頭2人には下りでジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)、ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)、マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)、パオロ・ロンゴボルギーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)が合流。こうして形成された6名の逃げグループは、6分リードで1級山岳テレグラフ峠に差し掛かった。

降りしきる雪の中を走るプロトン降りしきる雪の中を走るプロトン photo:Kei Tsujiガリビエ峠の登り口にあるこのテレグラフ峠でまずは逃げグループからウェーニングがアタック。この動きに反応したヴィスコンティが独走に持ち込む。ラボッティーニが追走したが、両者のタイム差は広がるばかり。

雪に包まれたガリビエ峠の頂上を目指す雪に包まれたガリビエ峠の頂上を目指す photo:Kei Tsujiメイン集団では、前日の第14ステージで4分失ったロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)がアタック。ここにエゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)やロベルト・キセロフスキー(クロアチア、レディオシャック・レオパード)、セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、スカイプロサイクリング)、ダニーロ・ディルーカ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)が加わる。マリアローザ擁するアスタナがメイン集団を率いて追走した。

ゴールに向かう1級山岳ガリビエ峠に差し掛かる頃、先頭ヴィスコンティから30秒遅れでラボッティーニ、2分遅れでメイン集団という展開に。飛び出していたヘーシンクらはメイン集団に吸収される。ラスト5km地点でのサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)やダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)のアタックも失敗に終わった。

降りしきる雪に包まれたガリビエ峠で、ヴィスコンティが独走し、追走していたラボッティーニは吸収。メイン集団からマリアローザのヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)自らがアタックするシーンも見られたが成功しない。ニーバリは集団の人数を絞りながら、ライバルたちに睨みをきかす。

総合争いと並行して新人賞争いも繰り広げられ、ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)とカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)らがアタック。

先頭でヴィスコンティが独走勝利を飾った42秒後、スプリントでプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)を敗ったベタンクールが2位でゴール。マリアローザを含むメイン集団はミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)を先頭に54秒後にゴールした。

独走でゴールするジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)独走でゴールするジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) photo:Riccardo Scanferla
ステージ2位に入ってボーナスタイム12秒を獲得したカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)ステージ2位に入ってボーナスタイム12秒を獲得したカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル) photo:Riccardo Scanferlaジロ初登場のガリビエ峠で見事な逃げ切り勝利を飾ったヴィスコンティは、フィニッシュラインと表彰台で涙を見せた。2008年に8日間マリアローザを着用しているが、ステージ優勝はこれが初めて。

イタリア国旗をもって表彰台に登るジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)イタリア国旗をもって表彰台に登るジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) photo:Riccardo Scanferla「今日のような神話的なステージでいつか逃げたいと思っていた。今日のアタックは作戦通りだ。ステージ優勝が近づいていると知って、ラスト3kmを切ってから涙が出て来た。偶然にも誕生日が同じのパンターニのメモリアルステージで勝ったんだ。ここから僕のキャリアが再びスタートする」。モビスターは第8ステージ・個人タイムトライアルに続くステージ2勝目を飾った。

ヴィスコンティと同じシチリア出身のニーバリはマリアローザをキープ。ニーバリは総合リードを失うことなく第2週目最後の難所を乗り切った。1分26秒差でカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)、2分46秒差でリゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイプロサイクリング)が続く。

マリアビアンカを着るマイカはベタンクールと同タイムでゴールしたが、ステージ2位に入ったベタンクールがボーナスタイム12秒を獲得したため、総合順位が逆転。ベタンクールが5秒リードで新人賞トップに立っている。


ジロ・デ・イタリア2013第15ステージ結果
1位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)          4h40'48"
2位 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)    +42"
3位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
4位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)
5位 ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)               +47"
6位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)            +54"
7位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
9位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイプロサイクリング)

個人総合成績
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)            62h02'34"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)         +1'26"
3位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイプロサイクリング)          +2'46"
4位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)        +2'47"
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)            +3'53"
6位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)         +4'35"
7位 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)    +5'15"
8位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)             +5'20"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)       +5'57"
10位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)             +6'21"

ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)

山岳賞
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)

新人賞
カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)

チーム総合成績
スカイプロサイクリング

text&photo:Kei Tsuji in Col du Galibier, France
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