5月17日に254kmのロングコースで行なわれたジロ・デ・イタリア第13ステージ。終盤のアップダウンを問題なくこなしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)がスプリント4勝目を飾った。

各賞ジャージを先頭にブッセートの街をスタート各賞ジャージを先頭にブッセートの街をスタート photo:Kei Tsujiブッセートからケラスコまで、全長が254kmにおよぶ長い平坦ステージ。ディフェンディングチャンピオンのライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)と、体調不良によって実質的に総合争いから脱落したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)、ここまでスプリントで上位に食い込んでいたナセル・ブアニ(フランス、FDJ)の3名がスタートしなかった。

レース前半はひたすら真っ平らな直線路が続くレース前半はひたすら真っ平らな直線路が続く photo:Kei Tsuji21km地点でラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル)やパブロ・ラストラス(スペイン、モビスター)、ダニーロ・ホンド(ドイツ、レディオシャック・レオパード)ら7名が飛び出すまで、平坦路でのアタックの応酬は続く。7名の先行が決まると、メイン集団はすぐにペースを落とした。

補給ポイントに差し掛かるメイン集団補給ポイントに差し掛かるメイン集団 photo:Kei Tsuji距離が長いこともあり、タイム差は14分まで拡大。向かい風&横風によってメイン集団がバラけるシーンも見られたが、スプリンターチームが集団を率いて逃げを追う典型的な平坦レースの展開に。オメガファーマ・クイックステップやオリカ・グリーンエッジの集団牽引によってタイム差は縮小していく。

レース後半はブドウ畑が広がるピエモンテ州の丘陵地帯を走るレース後半はブドウ畑が広がるピエモンテ州の丘陵地帯を走る photo:Kei Tsujiゴール37km手前にあるこの日唯一の3級山岳トレクーニで先頭はニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)、バク、ラストラスの3人に絞られ、1分に満たないタイム差で逃げ続ける。メイン集団はオメガファーマ・クイックステップがコントロール。

ゴール15km手前に位置するカテゴリーの付かない登りでラストラスが独走。ここにメイン集団から飛び出したジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)やオスカル・ガット(イタリア、ヴィーニファンティーニ)が合流する。メイン集団は常に逃げグループとのタイム差を最小限にとどめた。

丘の上に位置するケラスコに入るラスト8kmの登りで、先頭グループからカルーゾがアタック。しかしスプリンターチーム率いるメイン集団を振り切れずに吸収。ダニーロ・ディルーカ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)らのアタックも成功には至らず、集団でのゴールスプリント勝負に持ち込まれた。

カヴェンディッシュの発射台役ヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)や、ライバルのマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)らはレース終盤の登りで脱落。登りをクリアした90名弱の集団による勝負に。

上手くスプリントの形に持ち込んだのはキャノンデールプロサイクリング。しかしエーススプリンターのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)の後ろからマリアロッサが飛び立つ。自力でポジションを守り、自分の展開に持ち込んだカヴェンディッシュが先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。

ステージ4勝目をアピールしながらゴールするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)ステージ4勝目をアピールしながらゴールするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Kei Tsuji

「今日は距離が長く、登りも有る厳しいステージだった。自分にとって登りはかなり厳しかったよ」と、キャリア101勝目を飾ったかカヴェンディッシュ。ポイント賞では断トツのトップに立っており、ポイント賞2位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)との差は25ポイントに。マリアローザはヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が守っている。

ジロ・デ・イタリア2013第12ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)6h09'55"
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・レオパード)
3位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)
4位 ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
5位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
6位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
7位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、サクソ・ティンコフ)
8位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
9位 アントニー・ルー(フランス、FDJ)
10位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニジョカトリ)

個人総合成績
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)            52h28'09"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)          +41"
3位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイプロサイクリング)          +2'04"
4位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング)         +2'12"
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)            +2'13"
6位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)        +2'55"
7位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)         +3'35"
8位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)              +4'05"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)       +4'17"
10位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)            +4'21"

ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)

山岳賞
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)

新人賞
ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)

チーム総合成績
スカイプロサイクリング

text&photo:Kei Tsuji in Cherasco, Italy