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スイスの高機能サイクルウェアブランド・アソスの2019-2020シーズンのスプリング&フォールはジレやベストなど、夏物では少し肌寒い、冬物では少し暑いと感じる時期に着回しのしやすいアイテムがそろっている。今回は最新の製品にスポットを当て、その特徴と主なアイテムをチェックしよう。

春秋のALSイメージカラーは黄色。ジャケットなどに鮮やかな蛍光色のものも

アソスといえば、気温に応じて最適なアイテムを選べるようウェアラインナップをシステム化したALSが特徴だ。季節に応じた3つのクライマレンジとイメージカラーが設けられ、アイテムの差し色やロゴにその色が使われている。ちなみにスプリング&フォールのイメージカラーはイエローで、グローブやソックスなどの差し色に黄色が使われている。(ALSについてはVol.1をチェックして欲しい。リンクはこちら

これはクローゼットの中でどの時期のアイテムかを一目で分かりやすくする効果が期待でき、機能的ではある。しかし、ジャージなどコーディネートによっては色味が増えてやや雑多な印象になることも否めない。

2019年の秋冬モデルには蛍光イエローのアイテムが登場。これまでの黄色より被視認性が高く、アクティブセーフティにも貢献しそうだ2019年の秋冬モデルには蛍光イエローのアイテムが登場。これまでの黄色より被視認性が高く、アクティブセーフティにも貢献しそうだ (c)ダイアテック
製品全体としては、アソスの定番であるモノトーンを基調としながらも、蛍光イエローなどこれまでのアソスではあまりなかった色味のアイテムが登場しているのも特徴だ。過去にレインジャケットのストームプリンスに蛍光ピンクに近いロリーレッドやミレGTウインドジャケットにグリーンなどの鮮やかなカラーがラインナップされたことはあるが、今回登場した蛍光色のジャケットはアソスにしては冒険したと感じさせる色味だ。

これは自動車などからの非視認性を高め、事故を未然に防ぐアクティブセーフティという機能を持たせることを意図したもので、機能的なデザインを追求するアソスらしい決断と言えるかもしれない。続いて、2019-2020秋・春物の主要アイテムをチェックし、ブリーフインプレッションを行う。

CLIMA CODE 2/3:SPRING FALL

ミレGTスプリングフォールジャケット

スプリング&フォールの新作、ミレGTスプリングフォールジャケットスプリング&フォールの新作、ミレGTスプリングフォールジャケット (c)ダイアテック
春物のジャケット。フロントパネルは胸部にミレGTエアブロックベストと同じはっ水&防風素材、腹部と袖の前面には薄手で裏地がフリースになった伸縮性の高い素材を組み合わせ、適度な保温性と通気性を兼ね備えている。

【ブリーフインプレッション】
単体で着ると、同じ秋・春物のミレGT LSジャージより防風性に優れている分、暖かい。ミレGTエアブロックベストと重ねると、運動強度の高い人なら初冬や3月ごろの気温が10度を少し下回る時期でも対応できそうだが、ジャケットに比べて胸部の生地にコシがあるので、ベストと組み合わせるとちょっと重い印象。フィットは比較的タイトだが、胸部のはっ水素材も伸縮性が高いので、着心地はよい。

フロントパネルは胸部に撥水性と防風性を兼ね備えた素材フロントパネルは胸部に撥水性と防風性を兼ね備えた素材 (c)ダイアテック腹部に薄手で裏地がフリースの素材を組み合わせ、通気性と保温性を両立腹部に薄手で裏地がフリースの素材を組み合わせ、通気性と保温性を両立 (c)ダイアテック

背中の部分のパネルは、薄くて通気性に優れた素材を採用。熱気を逃がし、ウェアの中が蒸れにくいように工夫されている背中の部分のパネルは、薄くて通気性に優れた素材を採用。熱気を逃がし、ウェアの中が蒸れにくいように工夫されている (c)ダイアテックジャケットの背中側の裾の裏側にはシリコンテープが施されているジャケットの背中側の裾の裏側にはシリコンテープが施されている (c)ダイアテック


カテゴリーメンズジャケット
サイズXS S M L XL XLG TIR
カラーCaleum Blue / Fluo Yellow / Black Series / Yellow Badge / National Red
価格28,900円(税抜)

ミレGTスプリングフォールLSジャージ

ミレGTスプリングフォールLSジャージミレGTスプリングフォールLSジャージ (c)ダイアテックライトな生地を使うことで春秋といったシーズンに合わせているライトな生地を使うことで春秋といったシーズンに合わせている (c)ダイアテック


春物の長袖ジャケット。ジャケットよりライトな生地で防風性を持たせないことで、より暖かいシーンでも使いやすい。

【ブリーフインプレッション】
フィットは比較的タイト(特に腕まわり)。とはいえ伸縮性が高い生地を使っているので、着用時のストレスは少ない。後述のミレGTスプリングフォール エアブロックベストと組み合わせるならこのモデルがよい。ベストを着れば10度をちょっと越えるぐらいの寒い時期まで対応できそうだし、ベストを脱げば15度ぐらいでも快適。

カテゴリー長袖ジャージ
サイズXS S M L XL XLG TIR
カラーnationalRed / caleumBlue / blackSeries
価格20,000円(税抜)

ミレGTスプリングフォール エアブロックベスト

エアブロックベストは防風性を持たせたベストで、ウインドブロックジャケットの袖がないバージョンと言えるエアブロックベストは防風性を持たせたベストで、ウインドブロックジャケットの袖がないバージョンと言える (c)ダイアテック
フロントパネルがミレGTジャケットと同じはっ水&防風素材、裏地にフリースを組み合わせたベスト。ジャケットの袖がないバージョンと言ってよい。春先や秋のやや肌寒い時期の温度調整に1枚あると重宝する。

【ブリーフインプレッション】
袖がないので、腕のところは保温されないが、フロントパネル上部に防風・はっ水素材、下部は裏地にフリースを採用しているため、特に身体の前方はしっかり保温してくれる。体幹の暖かさはウインドブレーカーやレインジャケットより高い気がする。襟が高いので首元から冷気が入りにくく、比較的暖かい。ウインドブレーカーやレインジャケットと比べ、脱ぎ着もしやすいし、たたむと比較的コンパクトになるのはメリット。

背中のところは首の付け根付近のみ通気性が確保されているが、後はフロントパネル上部と同じ防風・はっ水素材。日中15度ぐらいで朝や夕方少し肌寒くなったときに着るとちょうどいい。組み合わせるならスプリングフォールのLSジャージがよいが、冬のジャケットや春秋もののジャケットの上に羽織るのもありだと思う。

首回りが高くなっていて、ジッパーを上の方まで閉めると首がスースーしにくい。これだけでも寒さを感じにくくなる首回りが高くなっていて、ジッパーを上の方まで閉めると首がスースーしにくい。これだけでも寒さを感じにくくなる (c)ダイアテック肩周りは薄手のフリース素材とされている肩周りは薄手のフリース素材とされている (c)ダイアテック

たためばそれなりにコンパクトになるので、気温が高くなってきたらバックポケットに収納してしまうのも手だたためばそれなりにコンパクトになるので、気温が高くなってきたらバックポケットに収納してしまうのも手だ (c)ダイアテックベストそのものにはポケットは設けられていないが、下に着るジャージやジャケットのポケットにアクセスできる開口部が設けられているベストそのものにはポケットは設けられていないが、下に着るジャージやジャケットのポケットにアクセスできる開口部が設けられている (c)ダイアテック


カテゴリーメンズジャケット
サイズXS S M L XL XLG TIR
カラーBlack Series / Caleum Blue / Fluo Yellow
価格24,800円(税抜)

ミレGTスプリングフォール ニッカー

新作のミレGTスプリングフォールニッカー新作のミレGTスプリングフォールニッカー (c)ダイアテック従来のミレS7ニッカーよりお腹まわりを中心にフィット感が向上している従来のミレS7ニッカーよりお腹まわりを中心にフィット感が向上している (c)ダイアテック


春先や秋深まった季節にちょうどよいニッカー。裏地がフリースになっていて暖かいのは前作ミレS7ニッカーと同じだが、表面の素材がタイツと同じはっ水素材に変更されるなどのアップデートが施されている。パッドは表面がブラックになったミレS7EVOパッド。

【ブリーフインプレッション】
ミレS7ニッカーより全体的にややタイトめの着心地になった気がする。特にお腹周りのフィット感が若干タイトになった印象。とはいえ、お腹周りがふくよかな方でも十分快適に着られる伸縮性の高さはあるので、やや細身の方からふくよかな方までより幅広い体型のサイクリストにフィットするようになったと言える。個人的にはこのモデルの方がしっくりくる。

パッドは厚さが8mmのミレ S7 EVOパッドで、座面が薄いカーボンサドルでも快適なライドが楽しめる。アソスのショーツやタイツ全般に言えることだが、アソスの製品を使えばサイクリストを悩ませるお尻が痛くなる問題も解消される気がする。

ビブフロント部分は脇腹を通すようにデザインされていて、腹圧を高めるブレーシングをしても苦しくなりにくいビブフロント部分は脇腹を通すようにデザインされていて、腹圧を高めるブレーシングをしても苦しくなりにくい (c)ダイアテックビブまわりのデザインは先代ミレS7ニッカーを踏襲ビブまわりのデザインは先代ミレS7ニッカーを踏襲 (c)ダイアテック

ミレS7EVOパッドを採用し、優れたフィット感と快適性を実現。ももの裏側の脚の付け根付近にリフレクターも備えるミレS7EVOパッドを採用し、優れたフィット感と快適性を実現。ももの裏側の脚の付け根付近にリフレクターも備える (c)ダイアテックメインファブリックは防風素材ではないが、裏地は全面フリースになっていて、適度な通気性と本姓を両立するメインファブリックは防風素材ではないが、裏地は全面フリースになっていて、適度な通気性と本姓を両立する (c)ダイアテック


カテゴリーニッカー・タイツ
サイズXS S M L XL XLG TIR
カラーBlack Series
価格29,800円(税抜)

ミレGTスプリングフォール グローブ

薄手のフルフィンガーグローブ、スプリングフォールグローブ薄手のフルフィンガーグローブ、スプリングフォールグローブ (c)ダイアテック
親指と人差し指の先がスマホ対応の生地を採用親指と人差し指の先がスマホ対応の生地を採用 (c)ダイアテックグローブを着用したままスマホの操作ができるグローブを着用したままスマホの操作ができる (c)ダイアテック


薄手のフルフィンガーグローブ。防風素材ではないが、10~15℃ぐらいまでなら手がオーバーヒートしないので、ちょっと肌寒いときにちょうどいい。親指と人差し指の先の部分にスマホ対応の導電糸素材を使っていて、グローブをしたままスマホの操作ができる。

【ブリーフインプレッション】
手のひらの生地やパッドは薄く、その分ダイレクト感がある。指先の感覚もよく伝わってくるので、DI2でも問題なく操作可能。親指と人差し指の先にスマホ対応の導電糸素材を使っている。着けたままスマホの操作(タップやピンチ)ができるのは魅力だが、導電糸部分が風を通しやすいので、肌寒い日だと指先が冷たく感じることも。

従来のものより指の長さが短くなったような気がする。一般的なサイズの人には朗報だが、自分のように指が長い人はこれまでのモデルの方が合うかもしれない。

カテゴリーグローブ
サイズXS S M L XL
カラーBlack Series
価格8,260円(税抜)

スプリングフォールソックス

スプリングフォールソックスはサマーソックスと同じぐらい薄手。カフの後ろ側にある黒枠に囲われた部分は反射素材で、夜間の視認性を高めてくれるスプリングフォールソックスはサマーソックスと同じぐらい薄手。カフの後ろ側にある黒枠に囲われた部分は反射素材で、夜間の視認性を高めてくれる (c)ダイアテック
春秋物のソックス。過去にあった「インターミディエイト」というソックスと同じ季節に対応するが、これまでのサマーソックスと同じぐらい薄くできている。カラーバリエーションは白と黒が揃う。

【ブリーフインプレッション】
夏でも使えるのでは?とさえ感じるほど薄手。伸縮性も高い。ただ、春先や秋の終わりごろに使うにはシューズカバーがほしくなるかも。カフの後ろ側(黒枠に囲まれた部分)に反射素材を使っていて、夜間走行中の被視認性を高めてくれる。特にニッカーとの組み合わせ時に効果がありそう。

カテゴリーソックス
サイズ0(36~39) I(40~43) II(44~47)
カラーBlack Series / Holy White
価格2,760円(税抜)

スプリングフォールヘッドバンド

額や耳に風が当たるのを防ぐスプリングフォールヘッドバンド額や耳に風が当たるのを防ぐスプリングフォールヘッドバンド (c)ダイアテック首まで下ろすとネックウォーマーの代わりとしても使える首まで下ろすとネックウォーマーの代わりとしても使える (c)ダイアテック


額と耳をカバーするように着けて、冷気から守るヘッドバンド。

【ブリーフインプレッション】
耳までカバーできるヘッドバンド。イヤーウォーマーは冬向けのアイテムがほとんどだが、これは額や耳の保温だけでなく、額を流れる汗を吸収してくれる。首のところまで下ろせば、ネックウォーマーの代わりにもなり、いちいちポケットにしまわなくてもよいので便利。

カテゴリーキャップ
サイズ0 I II
カラーBlack Series
価格4,600円(税抜)

スプリングフォールブーティー

薄くて軽い、スプリングフォールブーティー。少々肌寒いぐらいの時期にちょうどいい薄くて軽い、スプリングフォールブーティー。少々肌寒いぐらいの時期にちょうどいい (c)ダイアテックジッパーがないので、先に足首の上に通しておいてシューズにかぶせるのが正しい履き方ジッパーがないので、先に足首の上に通しておいてシューズにかぶせるのが正しい履き方 (c)ダイアテック


薄手のブーティー(シューズカバー)。ジッパーはなく、軽量に仕上がっている。

【ブリーフインプレッション】
ありそうでなかった薄手のシューズカバー。防風性能はそれほど高くないが、足元がスースーするのを防いでくれるので、少し寒いが冬物のシューズカバーだとオーバースペックというときにちょうどいい。ジッパーがないので、シューズを履く前に足首の上に通しておいて、シューズを履いてからシューズにかぶせる独特の履き方をする(ヴェロトーゼのシューズカバーと同じ履き方)。ジッパータイプのようにすぐに脱げないので、少々面倒ではある。

カテゴリーシューズカバー
サイズ0(36~39) I(40~43) II(44~47)
カラーBlack Series
価格9,000円(税抜)

次回はウインター、ウルトラズのアイテムについて紹介する。
提供:ダイアテック テキスト:浅野真則