E-MTBって実際どうなの? 2人の店長が語るニューカテゴリーの未来

1日中E-MTB三昧となった2人 笑顔が絶えることは無かった1日中E-MTB三昧となった2人 笑顔が絶えることは無かった
―4モデルのE-MTBに乗っていただいたわけですが、いかがでしたか?

山本:全部同じシマノのSTEPSを搭載しているモデルでしたけれど、それぞれ性格が全然違っていて面白かったですね。そういう自転車らしさはアシストがついたからと言って無くなるわけではないですね。

大野:こればかりは乗り比べてみないとわからないかもしれないですね。でも、本当に4台とも性格が違う自転車に仕上がっていて、驚きました。

「初心者の選択肢として見ると、どれを購入しても失敗すると感じるような車種は1台も無かった」山本朋貴(ストラーダバイシクルズ)「初心者の選択肢として見ると、どれを購入しても失敗すると感じるような車種は1台も無かった」山本朋貴(ストラーダバイシクルズ)
山本:とはいえ、初心者の選択肢として見ると、どれを購入しても失敗すると感じるような車種は1台も無かった。E-スポーツバイクというカテゴリーであれば、基本的なレベルは担保されているのではないでしょうか。イニシャルコストはかかりますけど、どんな遊び方/乗り方をするにしてもツブしが効くというか、ポテンシャルが高いというか。

これは特に低速でも脚力やテクニックが必要となるオフロードバイクだからこそだと思うんです。オンロードバイクの場合でもアシストは24km/hで切れるので、やっぱり平坦では速い人についていけないし、登りでもヒルクライムが得意な人にはよほどの斜度が無いと敵わない。一方で、悪路を走る、舗装路ではありえないような激坂がポンポン登場するMTBでは、アシストが助けてくれるシーンがとても多い。

ベテランライダーとビギナーの差を埋めてくれるのがE-スポーツバイクという乗り物の大きな価値の一つだと思うんですけど、E-MTBはそれが顕著ですよね。ユニットの有無による差が非常に大きく、それぞれの車体の性格や特徴もまた、埋めてくれる差の一つというか。そういう意味で、どの車種を買っても間違いは無いと思います。

E-スポーツバイクなら気軽に美しい景色を楽しめるE-スポーツバイクなら気軽に美しい景色を楽しめる
大野:オンロードバイクは脚力に依存する部分が支配的じゃないですか。MTBだと脚力だけでなく、テクニックやバイクの性能もまた大きな影響を持っています。アシストがあることによって、それら全てが底上げされるので、そのメリットを感じやすいのではないでしょうか。

山本:底上げ、という表現はピッタリですね。本当に乗った瞬間に初心者ではなくなりますから。登りだけで言えば、ワールドカッパーの気分を味わえる。それぐらい劇的に違う。なにもかも。正直、ただ速くラクに走れるだけでしょ、と思ってた部分はあったのですが、テクニック面でも上手くなったように感じる。シマノユニットのモーターのトルクの綺麗さというのは大きい。なにより乗り物として純粋に楽しい!

大野:E-MTBから入って、ノーマルのMTBに乗れば更に楽しさが分かる気はするよね。こんなに助けてもらっていたんだ!って実感できるだろうし。そこに楽しさを見出せるかは人それぞれですが(笑)E-MTBでこそ楽しめる側面もあるし、オフロードライドへのとっかかりとしても素晴らしい。

例えばパークでE-MTBをレンタルして、リフトに並ばずにゲレンデを登ってコースを下ってくる、なんて楽しみ方もアリだろうし、色んな広がり方が考えられますよね。

「楽するためでなく、楽しむためのアシストとして捉えると面白い」山本朋貴

―電動アシストによってオフロードライドがより身近になると

大野:その通り。でも、走る場所という意味ではまだまだ解決するべきことは多いとは思いますが。本格的なオープントレイルを走るのであれば、現状いろいろなルールがありますからね。例えば、一人で山に入って転んで怪我をしてしまうことも考えられます。E-MTBはオフロードライドを身近にしてはくれるけれども、そういったことも含めてしっかりと個人が認識する必要があると思います。

最初は河川敷を走ったりとか、ちょっとしたあぜ道を走ったりとか、そういったところからでもE-MTBの楽しさは十分に味わえますし、そこに飽き足らなくなってきたら、次はクローズドのパークに持っていくと良いでしょう。このfutagoMTBパークを始め、走れるコースは増えてきていますから。

「誰でもオフロードを楽しく遊べる新しいカテゴリーなんだから、乗って楽しまないと損!」大野茂一郎(ワイズロード東大和店)「誰でもオフロードを楽しく遊べる新しいカテゴリーなんだから、乗って楽しまないと損!」大野茂一郎(ワイズロード東大和店)
山本:自分は登山もするんですけれど、歩いているとMTBが下ってくるのはやっぱり怖いですよ。遠くから音が聞こえてきて、「イノシシでも突っ込んでくるのか?」と不安になりますからね。登山客が優先で、出来るだけ軋轢を生まないようなマナーや走り方をしっかりと学んでから、トレイルには入って欲しいですし、ショップとしてもそういったところは常に考えています。だから、アシストがついているからといって、オープントレイルに気軽に入っていけるかというと、そうでは無いと思いますね。きちんと山のルールを守る事が大切で、それがMTBの広がりにもつながると思います。

大野:実際、欧米のように登りをラクに走ってダダーッと下りを楽しむための乗り物、という認識だけでは無く、日本では日本の環境に合わせた楽しみ方を見つけ出していけばいいと思います。

「登りを攻める、という新しい楽しみ方ができる」山本朋貴(ストラーダバイシクルズ))「登りを攻める、という新しい楽しみ方ができる」山本朋貴(ストラーダバイシクルズ))
山本:登りをラクにするためのアシストではなく、登りを楽しむためのアシスト、という位置づけで捉えるのは一つの案ですね。今まではMTBを操る喜びや楽しさというのは下っている時がメインで、登りはそのための過程でしかないという人が多いと思います。

大野:僕はまさにそうですね。(笑)

山本:ですよね(笑)でも、E-MTBであれば、登りを攻めて走ることも出来る。登りであれば速度も抑えられるし、危険性も低いので初心者でも怖くない。そこにロックセクションなんかのテクニカルな要素を追加すれば十分楽しく走ることは出来ると思う。逆に下りは舗装路で、というような乗り方だって、E-MTBだったら考えられますよ。

大野:正直なところ、僕は下りの人間なので、登りをラクして下りを楽しみたいという使い方が一番しっくりくるし、オススメしたい(笑)だから、気兼ねなくそういった走り方を出来るフィールドが増えていくと嬉しいですね。

「正直なところ、僕は下りの人間なので、登りをラクして下りを楽しみたいという使い方が一番しっくりくるし、オススメしたい(笑)」大野茂一郎(ワイズロード東大和店)「正直なところ、僕は下りの人間なので、登りをラクして下りを楽しみたいという使い方が一番しっくりくるし、オススメしたい(笑)」大野茂一郎(ワイズロード東大和店)

「誰でもオフロードを楽しく遊べる新しいカテゴリーなんだから、乗って楽しまないと損!」大野茂一郎

山本:一つ言えるのは、E-MTBという乗り物自体は確実に面白いし、未来がある。それは間違いないです

大野:乗った事のない人は是非一度体験して欲しいですね。 乗れば確実にその魅力が分かるけど、乗らないとなかなかわからない。その魅力をどうやって伝えるかが…難しいですね。まず一度、レンタルバイクを試してみてください。(笑)絶対楽しいですから!!

「アシストはオフロードを身近にしてくれるけど、オープンなトレイルを走るにはマナーを知ることが必須」山本朋貴(ストラーダバイシクルズ)「アシストはオフロードを身近にしてくれるけど、オープンなトレイルを走るにはマナーを知ることが必須」山本朋貴(ストラーダバイシクルズ)
山本:今MTBを購入しようとする人って、明確な目標ややりたい事がある人が多い。例えば、王滝に出たい!みたいな。それも、「みんなで王滝行きましょう!」という風になるコミュニティがあって、「じゃあMTB買うか」となる。そういったところで、E-スポーツバイクで走れるような目標のレースやイベントがあったら自然にE-MTBもオススメしやすいですよね。王滝にE-MTBの部が出来たら、ウチのお店としては全力でE-MTBをプッシュしていけます(笑)

大野:あとはまず、私たち自身がE-スポーツバイクという乗り物を普段から乗って、楽しいんだよ!一緒に遊びましょう!というメッセージを発信し続けることが必要ですね。誰でもオフロードを楽しく遊べる新しいカテゴリーなんだから食わず嫌いではもったいないし、E-MTBは乗って楽しまないと損ですよ。まずは、こういったパークのレンタルバイクで試してみてほしい。一度乗れば、真剣に購入候補に入ってくるだけの実力はあると思いますよ!!