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マイヨジョーヌの行方を決定付けるピレネー山脈での戦いと、スペインの国境に近いフレンチバスク地方を走った個人タイムトライアルを経て、パリ、シャンゼリゼ通りに凱旋したプロトン。いくつもの波乱を受け止めながら、マイヨジョーヌとマイヨヴェール、そして18のステージでシマノコンポーネント使用選手が勝利している。

ゲラント・トーマスが自身初のマイヨジョーヌを獲得

自身初の総合優勝を果たしたゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)自身初の総合優勝を果たしたゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
今年も多くのドラマが生まれたツール・ド・フランス2018。マイヨジョーヌは絶対王者として5勝目が期待されたクリストファー・フルーム(イギリス。チームスカイ)ではなく、そのアシストとしてツールに臨んだゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)の元に。プロ12年目、32歳の名アシストが自身初の総合優勝を掴んだ。

トーマスはアルプス2日目となる第11ステージでラスト5km地点からアタック。総合有力勢を振り切り独走に持ち込むとそのまま先頭でフィニッシュし、ステージ優勝と共にマイヨジョーヌにも袖を通した。翌日に行われたラルプデュエズにフィニッシュする第12ステージでも、トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)、フルーム、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)らとのスプリント勝負で先着しボーナスタイムを獲得。この時点で2位のフルームから1分39秒の差をつけた。

第14ステージ、ライバルに対して攻撃を仕掛けるゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)第14ステージ、ライバルに対して攻撃を仕掛けるゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:CorVos
チームスカイのアシスト陣に守られるマイヨジョーヌのゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)チームスカイのアシスト陣に守られるマイヨジョーヌのゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:CorVos
その後の中央山塊を舞台にした第14ステージでもマイヨジョーヌをかけたセレクションが行われたが、上位3名は誰一人遅れることなく同グループでフィニッシュ。チームスカイはマイヨジョーヌ獲得に向け順当なレースを展開しているようにも見えた。しかし、14ステージの後にデュムランが発した「トーマスがフルームとの差を詰めようとしているようだった。」のコメントが火種となり、チームスカイ内でエース争いが起こっているのではないかという憶測も囁かれた。

そんな中、休息日が明けたピレネー2連戦の2日目、65kmのショートコースで争われた第17ステージではフルームがまさかの失速。マイヨジョーヌ争いはトーマス、デュムラン、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)という3人による戦いになったが、フィニッシュ手前でライバルをふるい落としたトーマスが先着し、総合首位を堅持している。この第17ステージのフルームの失速をきっかけにチームスカイのエースは完全にゲラント・トーマスに切り替わり、フルームはアシストとしてトーマスを支えることになる。

個人TTの第20ステージ。ステージ3位、マイヨジョーヌを守ったゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)個人TTの第20ステージ。ステージ3位、マイヨジョーヌを守ったゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
マイヨジョーヌを守った安堵感で天を仰ぐゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)マイヨジョーヌを守った安堵感で天を仰ぐゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
ピレネー山脈を舞台にした今大会最後の山岳レースとなった第19ステージではフルームを含むチームスカイがトーマスを守る完璧なアシストを披露。プロキャリアの内、11年を同じチームで走る2人はチームメイトであり、良き友人であるようで、確執は全く無いようだ。レースは下りで飛び出したログリッチェがステージ優勝。総合3位に順位を1つ上げるが、トーマスが総合首位、2位にデュムランの構図は変わらず、両者は2分5秒のタイムギャップで最終決戦の第20ステージ、31kmの個人タイムトライアルを迎えた。

最大勾配22%のピノディエタ峠など、アップダウンとコーナーが連続するテクニカルコースで行われた第20ステージの個人タイムトライアル。トーマスは第1計測、第2計測でトップタイムをマーク。ステージ優勝こそデュムランが飾ったものの、ステージ3位に割って入る快走を見せ、自身初のマイヨジョーヌを確定させたのであった。

チームメイトに守られてシャンゼリゼに凱旋したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)チームメイトに守られてシャンゼリゼに凱旋したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
マイヨジョーヌを着てシャンゼリゼを走るゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)マイヨジョーヌを着てシャンゼリゼを走るゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANOゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) に用意されたマイヨジョーヌカラーのピナレロ・ドグマF10 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) に用意されたマイヨジョーヌカラーのピナレロ・ドグマF10 photo:Makoto.AYANO


シャンゼリゼ通りでツール・ド・フランス6勝目を祝うチームスカイシャンゼリゼ通りでツール・ド・フランス6勝目を祝うチームスカイ photo:Makoto.AYANO
これまでツール・ド・フランスではフルームの右腕として常にアシストの仕事を全うしてきたゲラント・トーマス。今回のツールも決して最初からエースとして臨んだ訳ではなく、アシストとしてフルームの5勝目を支える立場での参加。本人も「毎日集中力を絶やさずに、小さなことを正しく行い、決して調子に乗らないこと。毎日の積み重ねを続けているうちに、突然終わりが訪れ、こうしてマイヨジョーヌを着ている自分がいる。本当にまだ現実とは思えない。」と驚きを隠せない様子だが、栄光のマイヨジョーヌは彼の実力こそが招いた大きな名誉であるのは間違いない。

ツール・ド・フランスを走る選手たちの活躍をサポートするシマノDURA-ACE。今年はゲラント・トーマスによって総合優勝まで手にしたツール・ド・フランスを走る選手たちの活躍をサポートするシマノDURA-ACE。今年はゲラント・トーマスによって総合優勝まで手にした (c)シマノ

シマノサポート選手が12ステージで勝利 存在感を見せるSHIMANOプロダクツ

石畳に未舗装峠、難関を極めた山岳ステージと今年も多くのドラマを生んだツール・ド・フランス2018。今年はシマノサポート選手がマイヨジョーヌ、マイヨヴェールを獲得し、12のステージで勝利を収めている。

スプリントを制してポーのフィニッシュに飛び込むアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)スプリントを制してポーのフィニッシュに飛び込むアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) photo:Makoto.AYANO
力強いポーズでステージ優勝を喜ぶアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)力強いポーズでステージ優勝を喜ぶアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) photo:Makoto.AYANO
ピレネー山岳ステージの合間に行われた第18ステージではフランス期待のスプリンター、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が今大会初のステージ優勝。残り500mからタイミングよく先頭に出たリードアウトを頼りに、250mでスプリントを開始。一度も先頭を譲らず先頭でフィニッシュしている。

過酷な山岳ステージが連続したこともあり、有力なスプリンターの大量タイムアウトという悲劇をもたらした今大会。「このステージ優勝のために、苦しみながら山岳ステージを乗り越えてきた。厳しい時も、ステージ優勝の可能性を信じて乗り切ってきたんだ。」とデマールは喜ぶ。

ライバルたちを振り切ってフィニッシュするプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)ライバルたちを振り切ってフィニッシュするプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) photo:CorVos
最後の山岳ステージとなる翌第19ステージでは超級山岳オービスク峠の下りで抜け出したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)がそのまま後続を振り切り、区間優勝を果たした。これにより19秒とボーナスタイム10秒を稼いだログリッチェは総合3位に浮上。スロベニア出身の28歳は次のグランツールに向けて存在感を示した形だ。

アップダウンコースを制したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)アップダウンコースを制したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:Makoto.AYANO
アルカンシェルを着てTTを制したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)アルカンシェルを着てTTを制したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:Makoto.AYANOトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)のTTバイクトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)のTTバイク photo:Makoto.AYANO


大会唯一の個人タイムトライアルの第20ステージではアルカンシェルを着用するトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)が31kmのアップダウンコースを最速で駆け抜け、ステージ勝利を飾った。「中間計測のタイムは聞かずに走った。」というデュムランは最終盤に現れた最大22%のピノディエタ峠をハイペースで駆け上がり、2位のクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)を1秒上回る40分52秒でフィニッシュしている。

マイヨヴェールを獲得したのは世界王者でもあるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)。大会序盤の第2ステージで登り基調のスプリントを制し勢いに乗ると、第5ステージ、第13ステージと同じく登りスプリントで他を圧倒しハットトリックを達成。短距離山岳ステージとなった第17ステージでは下りで落車し怪我を負うものの、残りのステージを耐え無事パリに凱旋。自身6度目となるマイヨヴェールを獲得した。

マイヨヴェールカラーのスペシャルバイクでシャンゼリゼを走るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)マイヨヴェールカラーのスペシャルバイクでシャンゼリゼを走るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Makoto.AYANO
マイヨヴェールを獲得したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)マイヨヴェールを獲得したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Makoto.AYANO

存在感を見せたロットNLユンボ 選手の走りを支えるレーシングアパレルS-PHYRE

最速のレーシングアパレル S-PHYREを着用したロットNLユンボも大活躍。第8、第7ステージのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)によるスプリント2連勝、第19ステージのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)による逃げ切り勝利など存在感を見せた。またマイナーチェンジが施されたS-PHYREシューズ RC901も投入され、多くの選手の走りを支えていた。

S-PHYREアパレルを着用し個人TTを走るプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)S-PHYREアパレルを着用し個人TTを走るプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) photo:Makoto.AYANO
第14ステージ、総合勢を置き去りにするプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)第14ステージ、総合勢を置き去りにするプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji
S-PHYREの製品開発において最も重要視されているのが、チームと共により良いものを作り上げていくというポリシーである。ブランド創設当初から掲げるこの理念は全く薄れることはない。ロットNLユンボのチーム機材拠点とシマノヨーロッパの拠点が近いこともあり、選手からのフィードバックを迅速にプロダクトに反映する事が出来る体制が整っているという。そのため、ロットNLユンボが着用するウェアは昨年のものと比べると確実な進化を遂げている。

選手からの要望の中で一番大きいのがエアロダイナミクスに関する事だという。1分1秒を争う彼らにとってエアロの追求は勝利そのものに直接繋がる要因となりうるからだ。そのため、S-PHYREのウェアは空気抵抗を低減する最新の素材を使用し、フィット感を高めるカッティング、パネリングを徹底的に研究。風洞実験を繰り返すことでエアロ性能を最大まで高めている。

下部リムを着脱できるハーフリム形状で剛性が高くフィット感も良いS-PHYRE Xアイウェア(※ 国内展開は未定)下部リムを着脱できるハーフリム形状で剛性が高くフィット感も良いS-PHYRE Xアイウェア(※ 国内展開は未定) photo:Makoto.AYANO
S-PHYRE Xはアンダーリムを外すことでハーフリムタイプとして使用することも可能だS-PHYRE Xはアンダーリムを外すことでハーフリムタイプとして使用することも可能だ photo:Makoto.AYANOリムレスタイプのS-PHYRE RリムレスタイプのS-PHYRE R photo:Makoto.AYANO


胴部分にメッシュ素材を使用することで適材適所に素材を使い分けるS-PHYREジャージ胴部分にメッシュ素材を使用することで適材適所に素材を使い分けるS-PHYREジャージ photo:Makoto.AYANO
こちらのS-PHYREジャージはエアロ効果の高い生地を素材に使用しているこちらのS-PHYREジャージはエアロ効果の高い生地を素材に使用している photo:Makoto.AYANOフィット感が高く空気抵抗が少ないS-PHYREグローブフィット感が高く空気抵抗が少ないS-PHYREグローブ photo:Makoto.AYANO


更に今年は新たにアイウエアがラインアップに加わることに。しっかりした剛性を持つハーフリムフレームのS-PHYRE Xと軽量なリムレスタイプのS-PHYRE Rという2種類が誕生した。選手からのフィードバックを受け、視野角の広い大きめのレンズを採用しているのが大きな特徴だ。超疎水コーティングが施されたレンズは、水をかけるだけで汚れが落ちていくセルフクリーニング機能も有している。ロットNLユンボでの使用率が高かったS-PHYRE Xの下側リムは着脱可能となっており、シチュエーションに合わせてカスタマイズする選手も見られた。

また選手に好評のS-PHYRE シューズもRC901へとマイナーチェンジを敢行。アッパー部分のメッシュホールをより小さな穴が無数に広がる形式に変更することで、通気性を向上させているという。また、アッパー中央部にあったメッシュパネルを廃止するなど、いくつかのアップデートが施されている。旧モデルとの見分け方としてヒールカップ部分が各カラーに合わせた色へと変更されている。注目集まる新シューズは9月上旬には出荷開始予定だ。

マイナーチェンジされたRC901 S-PHYREシューズマイナーチェンジされたRC901 S-PHYREシューズ photo:Makoto.AYANO

最速のレーシングアパレル S-PHYRE ラインアップ

シマノ S-PHYRE RC901(ブルー)シマノ S-PHYRE RC901(ブルー) photo:Naoki.YASUOKA
ヒールカップが各カラーと同色になっているヒールカップが各カラーと同色になっている photo:Naoki.YASUOKAメッシュパネルは廃止されたメッシュパネルは廃止された photo:Naoki.YASUOKA


シマノ S-PHYRE RC901(ブラック)シマノ S-PHYRE RC901(ブラック) (c)シマノシマノ S-PHYRE RC901(ホワイト)シマノ S-PHYRE RC901(ホワイト) (c)シマノ


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サイズ36~48(ワイドサイズあり)、39~43はハーフサイズあり
カラーブラック、ブルー、ホワイト
価格42,000円(税抜)
発売時期9月上旬予定


S-PHYRE レーシングスキンスーツ

シマノ S-PHYRE レーシングスキンスーツ(イエロー、ブラック、ブルー)シマノ S-PHYRE レーシングスキンスーツ(イエロー、ブラック、ブルー) (c)シマノ
素材ポリエステル/ポリウレタン(本体)、
ポリアミド/ポリウレタン/ポリエステル(メッシュ部)
サイズS、M、L、XL
カラーブラック、イエロー、ブルー
価格44,000円(税抜)

S-PHYRE ショートスリーブジャージ

シマノ S-PHYRE ショートスリーブジャージ(イエロー、ブラック、ブルー)シマノ S-PHYRE ショートスリーブジャージ(イエロー、ブラック、ブルー) (c)シマノ
素材ポリエステル/ポリウレタン
サイズS、M、L、XL
カラーブラック、イエロー、ブルー
価格22,000円(税抜)

S-PHYRE ビブショーツ

シマノ S-PHYRE ビブショーツ(ブラック、イエロー、ブルー)シマノ S-PHYRE ビブショーツ(ブラック、イエロー、ブルー) (c)シマノ
素材ポリアミド/ポリウレタン/ポリエステル(本体)
ポリエステル/ポリウレタン(メッシュ部)
サイズS、M、L、XL
カラーブラック、イエロー、ブルー
価格26,000円(税抜)

ディスクブレーキが全面解禁 6つの区間勝利を飾る

今年のツール・ド・フランスではUCIによるディスクブレーキ全面解禁を受け、ディスクロードを使用する選手が増加。実際に9チームがディスクブレーキを搭載したバイクをレースに投入しており、ほぼすべてのステージでディスクロードを使用した選手もいた。そしてディスクロードは6つのステージで勝利している。

第5ステージ マイヨヴェールを着るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が、ディスクブレーキを使い2勝目を挙げる第5ステージ マイヨヴェールを着るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が、ディスクブレーキを使い2勝目を挙げる (c)CorVos
ディスクロードを駆るミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシング)。テクニカルなダウンヒルではディスクブレーキの制動力がアドバンテージになるディスクロードを駆るミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシング)。テクニカルなダウンヒルではディスクブレーキの制動力がアドバンテージになる photo:Makoto.AYANO第9ステージ パヴェコースでディスクブレーキのバイクを駆るトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)第9ステージ パヴェコースでディスクブレーキのバイクを駆るトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) (c)CorVos


三つ巴スプリントで初勝利を飾ったジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)三つ巴スプリントで初勝利を飾ったジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード) (c)CorVos
シマノサポートチームの中でディスクロードを使用したチームはBMCレーシング、ボーラ・ハンスグローエ、ミッチェルトン・スコット、トレック・セガフレードの4チーム。いずれも選手の好み、コースコンディションなどを考慮しながらのチョイスだが、トレック・セガフレードに至っては全ステージで全選手がディスクロードを使用している。

BMCレーシングでは平坦での牽引を担うミヒャエル・シェアー(スイス)やシュテファン・キュング(スイス)がディスクロードを使用。同チームが使用する最新のエアロロードは電動コンポーネントのDi2とディスクブレーキの専用設計となっている。

ボーラ・ハンスグローエもディスクロードをレース投入したボーラ・ハンスグローエもディスクロードをレース投入した photo:Makoto.AYANO
トレック・セガフレードの山岳ステージ向けバイク。ディスクブレーキ搭載モデルだトレック・セガフレードの山岳ステージ向けバイク。ディスクブレーキ搭載モデルだ photo:Makoto.AYANO
DURA-ACEのSM-RT900ディスクローターは熱を放出するためのフィンがついているDURA-ACEのSM-RT900ディスクローターは熱を放出するためのフィンがついている photo:Makoto.AYANOSTIもリムブレーキモデルと同様のサイズとなっているため、使い心地に違和感はないSTIもリムブレーキモデルと同様のサイズとなっているため、使い心地に違和感はない photo:Makoto.AYANO


ボーラ・ハンスグローエもステージ3勝とマイヨヴェールを獲得したペテル・サガン(スロバキア)を筆頭にディスクロードを使用する選手が多い。ディスクロードはホイール交換に時間がかかるなどの問題を抱えるが、サポート体制も充実し、ディスクブレーキにポジティブな考えを持つ選手が増えてきているのは間違いないだろう。

トレック・セガフレードはエアロロードはもちろんのこと、オールラウンドロードや石畳ステージで使用したエンデュランスロードでもディスクブレーキ搭載モデルを投入。パヴェコースで争われた第9ステージではジョン・デゲンコルプ(ドイツ)が勝利しており、悪路でもディスクロードが有用なことを証明した形だ。

BMCレーシングのミヒャエル・シェアー(スイス)とシュテファン・キュング(スイス)が使用したディスクロード。Di2とディスクブレーキに専用設計されたフレームとなっているBMCレーシングのミヒャエル・シェアー(スイス)とシュテファン・キュング(スイス)が使用したディスクロード。Di2とディスクブレーキに専用設計されたフレームとなっている photo:Makoto.AYANO
ミッチェルトン・スコットもエアロタイプのディスクロードを投入ミッチェルトン・スコットもエアロタイプのディスクロードを投入 photo:Makoto.AYANO
ミッチェルトン・スコットもエアロロードにディスクブレーキ搭載モデルを投入。スルーアクスルによるホイール周りの剛性強化とディスクブレーキの安定した制動力がもたらすコントローラブルな走りが、3,300kmを走破する選手達を支えた。

デュアルコントロールレバー ST-R9120、ST-R9170

左ST-R9120(機械式/油圧ディスク) 右ST-R9170(電動/油圧ディスク)左ST-R9120(機械式/油圧ディスク) 右ST-R9170(電動/油圧ディスク) (c)シマノ
DURA-ACEグレードで用意されるディスクブレーキ用デュアルコントロールレバーは機械式変速用と電動変速用の2種類。電動変速用はエルゴノミックデザインを突き詰め、リム用とほぼ変わらない形状に設計されている。機械式変速用も可能な限りリムブレーキ用に近いサイズとされている上、電動変速同様にストレスフリーな操作感を追求している。

ST-R9120(機械式変速/油圧ディスクブレーキ、前後セット)75,184円(税抜)
ST-R9170(電動変速/油圧ディスクブレーキ、前後セット)88,314円(税抜)


BR-R9170

シマノ BR-R9170(左がフロント、右がリア)シマノ BR-R9170(左がフロント、右がリア) (c)シマノ

DURA-ACEグレードのディスクブレーキキャリパーは、プロライダーからの要求に応えるため、ブレーキフィールの味付けにこだわったというプロダクト。マスターシリンダー等の調整を行うことでリムブレーキに近いコントロールフィールを実現した。

台座フラットマウント
価格15,107円(フロント、税抜)
14,776円(リア、税抜)

SM-RT900-S

シマノ SM-RT900-S(160mm)シマノ SM-RT900-S(160mm) (c)シマノ

ブレーキ面で発生した摩擦熱を内周部で効率的に発散させる構造が採用されたモデル。XTRに用いられているアイステクノロジー・フリーザローターよりも、同条件で30℃もの冷却性能を向上。長距離ダウンヒルでの安定的なブレーキングや、パッドの高寿命化を達成した。

サイズ140mm、160mm
価格7,697円(税抜)


サポートチームと共にツールを駆け抜けたシマノとPRO、そしてS-PHYRE

シマノサポート選手であるトーマスのマイヨジョーヌとサガンのマイヨヴェールの獲得。そして18のステージでDURA-ACE使用選手が勝利するという実績を上げたシマノ。高い信頼性と安定した性能で選手の走りを支えたのは間違いないところだろう。この後もブエルタ・ア・エスパーニャ、世界選手権と続くロードシーズン。そして来年のツール・ド・フランスと、シマノの戦いはこれからも続く。

今年もまた、パリ・シャンゼリゼで21日間の激闘がフィナーレ。来年はどの様な筋書きが用意されているのだろうか。Vive le Tour!今年もまた、パリ・シャンゼリゼで21日間の激闘がフィナーレ。来年はどの様な筋書きが用意されているのだろうか。Vive le Tour! photo:Makoto.AYANO
提供:シマノ 企画/制作:シクロワイアード