2016/09/13(火) - 17:19
今回の発表会にはキャノンデールUSA本社からプロダクトマネージャーを務めるヘニング・シュローダー氏が参加し、プレゼンテーションへの参加はもちろん、ショップスタッフと共にライドを楽しみ、自ら製品についての印象を聞いて回っていた。
ロードはもちろん、MTBやシクロクロス、トラックレースにも積極的に参加するという根っからの自転車ファンである氏に、2017年モデルについて、ロードバイクのディスクブレーキについて、そしてキャノンデールのこれからについて聞いた。
CW:ようこそ日本へ。まず自己紹介をお願いできますか?
ロード、MTB、サスペンション、Eバイク、ウィメンズモデルなど多くのモデルを統括しています。キャノンデールに在籍して11年になりますが、その間にカスタマーサービスや製品企画、統括など様々な部署を経験してきました。ドイツ出身なのでヨーロッパ担当にもなり、数年前から本社に席を移しました。個人的には子供の頃からレースに出ていて、今も続けるほどには熱狂的な自転車ファンだったりしますよ(笑)。
今回で4度目の来日ですが、新製品発表会に参加するのは初めてのことでした。今回のイベントを通して感じたのは、キャノンデールというブランドについて、日本のショップやユーザーがよく理解してくれているということ。私たちは単に見た目がクールなだけでの製品を売っているのではなく、常に性能ありきで製品を開発し、そして常にイノベーションを伴ってきました。
CW:2017モデルの「核」はどの製品でしょうか?
今回発表した2017モデルでの「イノベーション」は多くありますが、中でもコミューターバイクの BAD BOYや、SUPERSIX EVO Hi-MOD DISCは大きなメッセージを込めているもの。ハイエンドロードバイクの世界ではこれからディスクブレーキがリムブレーキを置き換えていきますから、その一石として開発には多くの労力を割きました。従来モデルから走りの質を変えないことを課題にし、ルックスはそのままながらカーボンの積層を全て変更し、乗り味を調整しています。日本ではロードが中心ですが、グローバル的にはSCALPEL-Siのフルモデルチェンジに最も気合を入れています。
特にシティラインナップは豊富で、どのモデルも他ブランドと比べてかなりオリジナリティを込めています。これは総合ブランドとしての意味合いもありますし、個性的で、高性能なバイクを普段から楽しんでもらいたいというメッセージを込めています。キャノンデールではその国のニーズに合わせたオリジナルモデルを多く販売していて、例えば日本ではCAAD OPTIMOのフラットバーがその筆頭です。地域が違えばニーズも違うので、ユーザーの声を聞き、最も喜ばれる製品を届けるのが我々のやり方なのです。
CW:SUPERSIX EVO Hi-MODのディスクブレーキ化はビッグニュースでした
そう。これからのロードバイクを考えた上で、ディスクブレーキは外せない部分です。様々なメーカーが公言していることですが、キャノンデールもこれからはロードバイクのディスクブレーキ化がより一層進んでいくと確信しています。シマノがデュラエースのディスクブレーキを発表し、各規格も定まってきました。
市場ではまだリムブレーキを望む声が多いのですが、制動力・安全という意味では絶対的なソリューションです。カンチブレーキのMTBは無くなったし、ドラムブレーキの自動車も大型車を除いてもうありません。これからはディスクブレーキがリムブレーキに取って代わるでしょう。
ディスクブレーキと組み合わせるにはクイックリリースが良いか、スルーアクスルが良いかはずっと議題に上がっていた部分です。でも最終的に「SUPERSIX EVO Hi-MOD DISC」はプロレーサーが使うことを前提としたレーシングバイクですから、レース中のホイール交換時に一刻も早く復帰できることを優先してリアのみクイックリリース式としました。
剛性面においてスルーアクスルが優れているのは明らかですので、制動力で重要なフロントはスルーアクスルに。フロントならディレイラーが無いので交換時にも時間を要しません。なおかつリアエンドをスルーアクスル化すると重量もかさんでしまい、フレーム単体で829gという軽量性を実現するのは不可能でした。ホイール交換時間の短縮と、軽量性の双方から前スルー+後クイックというシステムを採用しています。
CW:これからのスポーツバイクには、どのようなイノベーションが起こりますか?
まずはロードバイクのディスクブレーキ化ですね。その他に関して言うと、素材的にははまだ暫くカーボンの時代が続くと考えています。ですからこれからのスポーツバイクは、よりインテグレーション、つまり一体化がより進んでいくでしょう。
キャノンデールはこれまでフレームや部品を個別に考えるのではなく、自転車全体で最高のパフォーマンスを実現するSI(システムインテグレーション)を進めてきましたが、これからは業界全体でこの流れが加速していくはずです。まずはフレームやホイール、身体と接触する各部分から進化していくと考えています。
CW:日本、そして今回の発表会の印象はいかがでしたか?
予想以上にポジティブなものでした。今回はショップの皆さんと一緒にライドする機会に恵まれましたが、私たちの製品の良さはしっかりと乗ってこそ分かるものですし、その上でたくさんの良いインプレッションや、リクエストをもらうことができました。国によってもニーズは細かく違うので、こうして共に乗り、理解を深めて話ができることはとても大切だと考えています。小淵沢のライド環境はとても素晴らしく、いち自転車乗りとしても楽しめました。
私は元々アマチュアレーサーであり、競い合うことが大好きなのですが、それはキャノンデールとしてもやっていることは同じ。トレックやスペシャライズド、ジャイアントとより良い製品を目指して競争しているのですが、個人的にはこれがモノ作りの醍醐味だったりします(笑)。だから他社に負けないより良い製品のために努力しています。何よりも大切な遊びごころを忘れないようにしながら。
CW:ありがとうございました。日本のユーザーに向けてメッセージを。
まずキャノンデールユーザーの皆さんに対しての感謝をお伝えしたい。そしてこれからも様々な製品を企画・考案していますから楽しみにしていて頂きたいですね。現時点で話せることは、これから3年以内にMTBラインナップを総刷新するということ。まだ未定の部分も多いのですが、これからのキャノンデールに期待していて下さい。
ロードはもちろん、MTBやシクロクロス、トラックレースにも積極的に参加するという根っからの自転車ファンである氏に、2017年モデルについて、ロードバイクのディスクブレーキについて、そしてキャノンデールのこれからについて聞いた。
「常に性能ありきで開発し、常にイノベーションを伴ってきた」
CW:ようこそ日本へ。まず自己紹介をお願いできますか?
ロード、MTB、サスペンション、Eバイク、ウィメンズモデルなど多くのモデルを統括しています。キャノンデールに在籍して11年になりますが、その間にカスタマーサービスや製品企画、統括など様々な部署を経験してきました。ドイツ出身なのでヨーロッパ担当にもなり、数年前から本社に席を移しました。個人的には子供の頃からレースに出ていて、今も続けるほどには熱狂的な自転車ファンだったりしますよ(笑)。
今回で4度目の来日ですが、新製品発表会に参加するのは初めてのことでした。今回のイベントを通して感じたのは、キャノンデールというブランドについて、日本のショップやユーザーがよく理解してくれているということ。私たちは単に見た目がクールなだけでの製品を売っているのではなく、常に性能ありきで製品を開発し、そして常にイノベーションを伴ってきました。
CW:2017モデルの「核」はどの製品でしょうか?
今回発表した2017モデルでの「イノベーション」は多くありますが、中でもコミューターバイクの BAD BOYや、SUPERSIX EVO Hi-MOD DISCは大きなメッセージを込めているもの。ハイエンドロードバイクの世界ではこれからディスクブレーキがリムブレーキを置き換えていきますから、その一石として開発には多くの労力を割きました。従来モデルから走りの質を変えないことを課題にし、ルックスはそのままながらカーボンの積層を全て変更し、乗り味を調整しています。日本ではロードが中心ですが、グローバル的にはSCALPEL-Siのフルモデルチェンジに最も気合を入れています。
特にシティラインナップは豊富で、どのモデルも他ブランドと比べてかなりオリジナリティを込めています。これは総合ブランドとしての意味合いもありますし、個性的で、高性能なバイクを普段から楽しんでもらいたいというメッセージを込めています。キャノンデールではその国のニーズに合わせたオリジナルモデルを多く販売していて、例えば日本ではCAAD OPTIMOのフラットバーがその筆頭です。地域が違えばニーズも違うので、ユーザーの声を聞き、最も喜ばれる製品を届けるのが我々のやり方なのです。
CW:SUPERSIX EVO Hi-MODのディスクブレーキ化はビッグニュースでした
そう。これからのロードバイクを考えた上で、ディスクブレーキは外せない部分です。様々なメーカーが公言していることですが、キャノンデールもこれからはロードバイクのディスクブレーキ化がより一層進んでいくと確信しています。シマノがデュラエースのディスクブレーキを発表し、各規格も定まってきました。
市場ではまだリムブレーキを望む声が多いのですが、制動力・安全という意味では絶対的なソリューションです。カンチブレーキのMTBは無くなったし、ドラムブレーキの自動車も大型車を除いてもうありません。これからはディスクブレーキがリムブレーキに取って代わるでしょう。
ディスクブレーキと組み合わせるにはクイックリリースが良いか、スルーアクスルが良いかはずっと議題に上がっていた部分です。でも最終的に「SUPERSIX EVO Hi-MOD DISC」はプロレーサーが使うことを前提としたレーシングバイクですから、レース中のホイール交換時に一刻も早く復帰できることを優先してリアのみクイックリリース式としました。
剛性面においてスルーアクスルが優れているのは明らかですので、制動力で重要なフロントはスルーアクスルに。フロントならディレイラーが無いので交換時にも時間を要しません。なおかつリアエンドをスルーアクスル化すると重量もかさんでしまい、フレーム単体で829gという軽量性を実現するのは不可能でした。ホイール交換時間の短縮と、軽量性の双方から前スルー+後クイックというシステムを採用しています。
CW:これからのスポーツバイクには、どのようなイノベーションが起こりますか?
まずはロードバイクのディスクブレーキ化ですね。その他に関して言うと、素材的にははまだ暫くカーボンの時代が続くと考えています。ですからこれからのスポーツバイクは、よりインテグレーション、つまり一体化がより進んでいくでしょう。
キャノンデールはこれまでフレームや部品を個別に考えるのではなく、自転車全体で最高のパフォーマンスを実現するSI(システムインテグレーション)を進めてきましたが、これからは業界全体でこの流れが加速していくはずです。まずはフレームやホイール、身体と接触する各部分から進化していくと考えています。
CW:日本、そして今回の発表会の印象はいかがでしたか?
予想以上にポジティブなものでした。今回はショップの皆さんと一緒にライドする機会に恵まれましたが、私たちの製品の良さはしっかりと乗ってこそ分かるものですし、その上でたくさんの良いインプレッションや、リクエストをもらうことができました。国によってもニーズは細かく違うので、こうして共に乗り、理解を深めて話ができることはとても大切だと考えています。小淵沢のライド環境はとても素晴らしく、いち自転車乗りとしても楽しめました。
私は元々アマチュアレーサーであり、競い合うことが大好きなのですが、それはキャノンデールとしてもやっていることは同じ。トレックやスペシャライズド、ジャイアントとより良い製品を目指して競争しているのですが、個人的にはこれがモノ作りの醍醐味だったりします(笑)。だから他社に負けないより良い製品のために努力しています。何よりも大切な遊びごころを忘れないようにしながら。
CW:ありがとうございました。日本のユーザーに向けてメッセージを。
まずキャノンデールユーザーの皆さんに対しての感謝をお伝えしたい。そしてこれからも様々な製品を企画・考案していますから楽しみにしていて頂きたいですね。現時点で話せることは、これから3年以内にMTBラインナップを総刷新するということ。まだ未定の部分も多いのですが、これからのキャノンデールに期待していて下さい。
提供:キャノンデール・ジャパン 製作:シクロワイアード編集部