2016/05/16(月) - 09:44
UNOはレバー、オイル/ケーブル、フロントディレーラー、リアディレーラー、ブレーキ、スプロケット、チェーンの7つのパーツによって構成される。クランクセットがこの中に含まれないのは、フレーム規格や予算、好みにあわせて、ユーザー自身が選べるようにしているためだ。下記には7つのパーツそれぞれの詳細を紹介していく。
レバーの操作方法は、スラムのDoubleTapと同様で、直感的に変速を行うことができる。リアは、浅く押すことでギアが重く(チェーンが小さなギアに移動)なり、深く押すことで軽く(チェーンが大きなギアに移動)なる。リアはロー側に多段変速することができ、一回の操作で変速できる段数を1、2、3、4から選ぶことができる(設定はRDにて行う)。フロントは深く押すことで重く、浅く押すことで軽くなり、トリム機能も設けられている。ブレーキレバーはリーチの調整を行うことができる。
なお、ブラケット部はかなり大ぶりな握りとなっており、これは「他社コンポーネントのブラケットは小さすぎて、握りづらい」という意見が多かったからだという。一方で、UNOのブラケットは大き過ぎるという意見も多くあるようで、内部の機構を覆うプラスチック製カバーの寸法を小さくしたものをオプションとして用意する予定があるという。
次にブラケット内部の構造について説明しよう。ブレーキとシフトは完全に別のラインとされている。これは安全性に万全を期すためであり、加えて使用するオイルの種類が異なるため。つまり、内部にはブレーキとシフトのそれぞれのマスターシリンダーが搭載されるということだ。これに加えて、ディスクブレーキを使用する場合にはリザーバータンクもブラケットに内蔵される(リムブレーキは摩擦熱によるオイルの体積膨張が極めて小さいことから、リザーバータンクは設けられない)。
マスターシリンダーは削りだしのアルミ製で、ブレーキのマスターシリンダーについてはブラケットも兼ねている。レバーはブレーキがカーボン製、シフトが削りだしのアルミ製。ハンドルに固定するためのバンドはカーボン製だ。リム/ディスクブレーキ兼用で、重量は333gをマークしている。
ケーブルは、ブレーキ用が他社と同様の5mm、シフト用がDi2とほぼ同じの3mmとされており、穴あけなどの追加工などをすることなく組み付けることが可能。ブレーキケーブルについては、途中にアジャスターを組み込むことができる。
「UNO」の文字の下に設けられた「Return to Origin」スイッチは、進行方向におすだけでリアディレーラーのテンションを解除し、自動的にチェーンをトップ側に移動させてくれる。これにより、ホイール交換にかかる時間の短縮が可能だ。一回の操作で変速できる段数を1、2、3、4から選ぶことのできるボルトは、スプリングの上方に設けられている。
全体的には大ぶりな造りながら、ローターが得意とする切削加工を駆使した金属パーツの数々や、自社製のカーボン製プーリーゲージにより、徹底的に軽量化を追求。重量は212gをマークしている。
フロントディレーラーも、リア同様にインデックス機構とアクチュエーターを搭載する。そして、取り付け時に調整を行うボルトがたった1つだけというのも共通だ。電動タイプのように大ぶりな造りとなっているが、切削パーツを多用することで114gに収められている。
また、ケーブルの途中に設けられたインラインアジャスターを用いれば左右のブレーキシューの間隔を最大8.5mm広げることが可能。ちなみに、他社のブレーキキャリパーよりもUNOの調整幅はかなり大きいが、これは、リム幅が20mm以下の標準的なホイールから、昨今増加している幅25mm程度のワイドリムまで、幅広く対応するため。レース中にパンクし、ニュートラルサポートから受け取ったホイールと、それまで装着していたホイールのリム幅が大きく異なっても、瞬時に対処できるのだ。
リムブレーキ用は、現在のところ沈頭ナットで取り付けるスタンダードタイプのみが用意されいているが、シマノが提唱するダイレクトマウントタイプの開発も進めているとのこと(発売時期は未定)。
ディスクブレーキ用は、2ピストン仕様のディスクブレーキキャリパーではハイエンドモデルに位置づけられる「MT8」をそのまま採用。「市場で最も軽く最も安全なブレーキ」とローターは「MT8」に絶大な信頼を寄せている。
ロ―ター径は160mmを標準で、160mm径であれば特に体重制限を設ける必要は無いとしている。現段階で、対応する取り付け台座の規格はポストマウントのみだが、発売開始から数ヶ月以内にはフラットマウントもラインアップに加わるという。
スプロケットはローター製。もちろん11段変速で、3ピース構造をとる。1~5段目、6~9段目、10~11段目でセパレートされており、10~11段目は負荷が小さなことからアルミ製、1~5段目と6~9段目はスチール製とされている。初期は11-28Tのみの展開となるが、他の歯数構成も追加される予定。全て削り出しで成型されており、重量は11-28Tで150g(予定)だ。
チェーンは、KMCのX11SLを標準品としている。X11SLの特徴は、Xの文字を模ったアウタープレートにより変速性能を高めたことや、DLCコーティングにより駆動抵抗を抑えたこと。この他にも、X11SL以外のKMC製11速用チェーンや、シマノの11速用チェーンを組み合わせることもできる。
Vol.3では、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャに登場した1級山岳「プエルト・デラ・モルクエラ」でのインプレッションの模様と、ローター本社スタッフへのインタビューを紹介。UNOを更に深く掘り下げます。
直感的な変速操作と握りやすさが特徴のレバー
レバーの操作方法は、スラムのDoubleTapと同様で、直感的に変速を行うことができる。リアは、浅く押すことでギアが重く(チェーンが小さなギアに移動)なり、深く押すことで軽く(チェーンが大きなギアに移動)なる。リアはロー側に多段変速することができ、一回の操作で変速できる段数を1、2、3、4から選ぶことができる(設定はRDにて行う)。フロントは深く押すことで重く、浅く押すことで軽くなり、トリム機能も設けられている。ブレーキレバーはリーチの調整を行うことができる。
なお、ブラケット部はかなり大ぶりな握りとなっており、これは「他社コンポーネントのブラケットは小さすぎて、握りづらい」という意見が多かったからだという。一方で、UNOのブラケットは大き過ぎるという意見も多くあるようで、内部の機構を覆うプラスチック製カバーの寸法を小さくしたものをオプションとして用意する予定があるという。
次にブラケット内部の構造について説明しよう。ブレーキとシフトは完全に別のラインとされている。これは安全性に万全を期すためであり、加えて使用するオイルの種類が異なるため。つまり、内部にはブレーキとシフトのそれぞれのマスターシリンダーが搭載されるということだ。これに加えて、ディスクブレーキを使用する場合にはリザーバータンクもブラケットに内蔵される(リムブレーキは摩擦熱によるオイルの体積膨張が極めて小さいことから、リザーバータンクは設けられない)。
マスターシリンダーは削りだしのアルミ製で、ブレーキのマスターシリンダーについてはブラケットも兼ねている。レバーはブレーキがカーボン製、シフトが削りだしのアルミ製。ハンドルに固定するためのバンドはカーボン製だ。リム/ディスクブレーキ兼用で、重量は333gをマークしている。
オイル/ケーブル
UNOにおいて最も重要なパーツの1つがオイルと言えよう。ブレーキ用は、環境に優しいマグラ純正の「Royal Blood」を採用。シフト用はRoyal Bloodにグリコールを30%混ぜることで、これまでよりもさらに体積変化を抑えることに成功したUNO専用オイルとしており、これにより、リザーバータンクは設けられていない。なお、ローターによると-15℃~88℃の間で正確にシフティングを行うことができるという。ケーブルは、ブレーキ用が他社と同様の5mm、シフト用がDi2とほぼ同じの3mmとされており、穴あけなどの追加工などをすることなく組み付けることが可能。ブレーキケーブルについては、途中にアジャスターを組み込むことができる。
インデックス機構+アクチュエーターを内蔵するディレーラー
リアディレーラー
リアディレーラーは、これまでのコンポーネントとは大きく異なり、インデックス機構や、油圧を変速動作へ変換するためのアクチュエーターを搭載。この独自機構により、トップ側とロー側の位置を決めるアジャストボルトが必要無くなったため、UNOのRDを組み付ける際に調整するのはスプロケットとプーリーの間隔だけ(シマノのRDでいうところの、Bテンションボルト)。つまり、1つのボルトを回すだけで調整が終わってしまう。「UNO」の文字の下に設けられた「Return to Origin」スイッチは、進行方向におすだけでリアディレーラーのテンションを解除し、自動的にチェーンをトップ側に移動させてくれる。これにより、ホイール交換にかかる時間の短縮が可能だ。一回の操作で変速できる段数を1、2、3、4から選ぶことのできるボルトは、スプリングの上方に設けられている。
全体的には大ぶりな造りながら、ローターが得意とする切削加工を駆使した金属パーツの数々や、自社製のカーボン製プーリーゲージにより、徹底的に軽量化を追求。重量は212gをマークしている。
フロントディレーラー
フロントディレーラーも、リア同様にインデックス機構とアクチュエーターを搭載する。そして、取り付け時に調整を行うボルトがたった1つだけというのも共通だ。電動タイプのように大ぶりな造りとなっているが、切削パーツを多用することで114gに収められている。
信頼のマグラが製造するブレーキ
リムブレーキ仕様
ブレーキは、リムブレーキ用とディスクブレーキ用の2種類を用意しており、いずれもマグラ製である。リムブレーキ用は、サーヴェロのTTバイク「P5」用の開発されたセンタープル式「RT8/6」がベース。ホイールの脱着時にタイヤと干渉しないように、左右のブレーキシューの間隔を6.5mm広げることのできるクイックリリースが追加されている。また、ケーブルの途中に設けられたインラインアジャスターを用いれば左右のブレーキシューの間隔を最大8.5mm広げることが可能。ちなみに、他社のブレーキキャリパーよりもUNOの調整幅はかなり大きいが、これは、リム幅が20mm以下の標準的なホイールから、昨今増加している幅25mm程度のワイドリムまで、幅広く対応するため。レース中にパンクし、ニュートラルサポートから受け取ったホイールと、それまで装着していたホイールのリム幅が大きく異なっても、瞬時に対処できるのだ。
リムブレーキ用は、現在のところ沈頭ナットで取り付けるスタンダードタイプのみが用意されいているが、シマノが提唱するダイレクトマウントタイプの開発も進めているとのこと(発売時期は未定)。
ディスクブレーキ仕様
ディスクブレーキ用は、2ピストン仕様のディスクブレーキキャリパーではハイエンドモデルに位置づけられる「MT8」をそのまま採用。「市場で最も軽く最も安全なブレーキ」とローターは「MT8」に絶大な信頼を寄せている。
ロ―ター径は160mmを標準で、160mm径であれば特に体重制限を設ける必要は無いとしている。現段階で、対応する取り付け台座の規格はポストマウントのみだが、発売開始から数ヶ月以内にはフラットマウントもラインアップに加わるという。
スプロケット、チェーン
スプロケットはローター製。もちろん11段変速で、3ピース構造をとる。1~5段目、6~9段目、10~11段目でセパレートされており、10~11段目は負荷が小さなことからアルミ製、1~5段目と6~9段目はスチール製とされている。初期は11-28Tのみの展開となるが、他の歯数構成も追加される予定。全て削り出しで成型されており、重量は11-28Tで150g(予定)だ。
チェーンは、KMCのX11SLを標準品としている。X11SLの特徴は、Xの文字を模ったアウタープレートにより変速性能を高めたことや、DLCコーティングにより駆動抵抗を抑えたこと。この他にも、X11SL以外のKMC製11速用チェーンや、シマノの11速用チェーンを組み合わせることもできる。
Vol.3では、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャに登場した1級山岳「プエルト・デラ・モルクエラ」でのインプレッションの模様と、ローター本社スタッフへのインタビューを紹介。UNOを更に深く掘り下げます。
編集:シクロワイアード 提供:ダイアテック