「日本一早い桜と、碧い海を走る」がキャッチフレーズの南国ロングライドイベント"美ら島オキナワCenturyRun" が1月14、15日に開催された。大会の様子を編集部の実走レポートでお伝えしよう。まずは前日編からどうぞ。

美ら島オキナワCenturyRunのハイライト 古宇利大橋美ら島オキナワCenturyRunのハイライト 古宇利大橋 photo:Makoto.Ayano
1月、編集部がある関東地方はほぼ連日10℃以下の厳しい寒さが続いていた。寒くて自転車に乗る気持ちも起きない状態である。「どこか暖かい所で一日思いっきり走りたいなぁ。」なんて思っていると、編集長から「今度の美ら島オキナワCenturyRunの取材に一緒に行ってもらうからね。」 ヨシキタ!もちろん二つ返事で了解ラジャー!

取材といえど、連日の編集部缶詰め業務から抜け出せるのはいつだって最高だ!今回は寒い東京を抜けだして、南国沖縄とあって嬉しさ2割増しである。

美ら島オキナワCenturyRunとは

沖縄と言えば、何といっても青い海や美味しい食事、そして温暖な気候。冬真っ盛りの寒い内地を抜けだして、暖かい南国で思いっきりリゾート気分を味わいながら走りたい!そんなニーズを一度に叶えてくれるのが、この美ら島オキナワCenturyRunなのである。

いかにも沖縄らしい風景の中を走るいかにも沖縄らしい風景の中を走る photo:Makoto.Ayano1月でも温暖な気候の中走ることができるのも沖縄ならでは1月でも温暖な気候の中走ることができるのも沖縄ならでは photo:Makoto.Ayano

"美ら島オキナワCenturyRun" は、同実行委員会が主催、沖縄県や沖縄観光コンベンションビューローが共催を行うなど、県ぐるみでバックアップするロングライドイベント。2010年に第1回大会が開催されると、温暖で走りやすい環境と充実したホスピタリティが人気を呼び、3回目を数える今年は過去最多参加者数となる総勢1540名を数えるに至った。

おなじみツール・ド・おきなわ実行委員長の森兵次さん(沖縄輪業社・社長)も実行委員会に加わるおなじみツール・ド・おきなわ実行委員長の森兵次さん(沖縄輪業社・社長)も実行委員会に加わる photo:Makoto.Ayano大会特製ラベルの泡盛 お土産にいかが?大会特製ラベルの泡盛 お土産にいかが? photo:Makoto.Ayano

「日本一早い桜と、碧い海を走る」のキャッチフレーズの通り、1月でも平均気温が18℃前後の沖縄は、サイクリストにとってはまさに楽園だ。夏の汗ばむような暑さこそないものの、冬用の装備をせずとも走ることができるのは、それだけで沖縄で走る魅力と言えるだろう。

■ビギナーも安心!選択可能の3つのコース

美ら島オキナワCenturyRunのコースは3つ用意され、その中から自分の脚力や目的に合わせて選択できるようになっているのが参加者に嬉しい。

今年から新設された、沖縄のスイーツや県内外菓子メーカーのお菓子を各エイドステーションで楽しむことのできる「まぁさんスイーツコース」(距離60km)と、景勝地を良いトコロ取りしながら100kmを走る初・中級者向けの「古宇利島・桜コース」。そしてメインのセンチュリー(=160km)にチャレンジできる「センチュリーコース」となっている。

大会一番の見どころである古宇利大橋大会一番の見どころである古宇利大橋 photo:Makoto.Ayano解放感抜群!ダイナミックな景観が広がる海中道路解放感抜群!ダイナミックな景観が広がる海中道路 photo:Makoto.Ayano

いずれのコースもやんばるを走る"ツール・ド・おきなわ本島1周サイクリング" とは違い、本島中部の比較的平坦なルートを走るように設定されているので、初心者でも安心してエントリーすることができるのが特長だ。

「センチュリーコース」と「古宇利島・桜コース」が通過する古宇利大橋は、今大会一番の見どころだ。屋我地島と古宇利島にかかる古宇利大橋は、長さ約1kmの遠浅のサンゴ礁をまたぐ橋だ。天気のいい日には見渡す限りのエメラルドの海が広がり、素晴らしい解放感を味わうことができる。

そして「センチュリーコース」が走る海中道路は、古宇利大橋と並ぶ名所の一つである。本島東海岸と平安座島を結ぶ約5kmの道路で、爽快な眺めが広がるルートだ。団体観光客がほとんど訪れないエリアなのであまり認知されていないが、サイクリングを楽しむには最高のスポットだ。途中にある「海中道路ロードパーク」はエイドステーションに設定されており、海を眺めながら一息つくことができる。

■高級ロードバイクを丸一日レンタル可能

"美ら島オキナワCenturyRun"の特長として、公式スポンサーとなっているバイクメーカーや代理店が扱うブランドの自転車をレンタルしてイベントに参加できるシステムがある。しかも100万円近い最高級ロードバイクすらもレンタルできるというのだから驚きだ。

ずらり並んだ試乗バイクたちずらり並んだ試乗バイクたち photo:Makoto.Ayano明日はレンタルしたこのサーヴェロで走ります!明日はレンタルしたこのサーヴェロで走ります! photo:Makoto.Ayano

ラインナップはピナレロ・ドグマ2やサーヴェロ・S5、P3、BH・G5ウルトラライトなどなど、メーカーイチオシの高級車種がズラリと揃っており、レンタル料金も最大25,000円という設定だ。実際に高級バイクから順に予約が埋まってしまったとのことで、ニーズの高さがうかがい知れる。今後こうしたレンタルシステムが他イベントでも普及していけば良いな、と感じた。

大澤 剛史・嘉英さん夫妻(写真は大会当日のもの)大澤 剛史・嘉英さん夫妻(写真は大会当日のもの) photo:Makoto.Ayano実際にピナレロのFPクアットロを夫婦揃ってレンタルした大澤 剛史・嘉英さん夫妻(神奈川)はこう話す。「サイクルモードでこういったレンタルシステムがあるということを知って、これならロードバイクを持っていない妻でもイベントを走れる、と思ったんです。やはりいいバイクで走るのが気持ちがいいですからね。

私はバイクを持っているんですが、レンタルしました。なんといっても手ぶらでこれるのが嬉しいです。自分のバイクを梱包して沖縄まで持ってくるとなったらかなり大掛かりになるし、傷つきも心配。楽ができることを考えれば料金も高いとは感じませんね」。このレンタルシステムはバイクを持っている人にも好評のようだ。

■大会前日は講習会で準備バッチリ

大会前日の土曜日には、会場となる恩納村コミュニティセンター様々なトークショーやイベントが催された。

トークショーにはシマノレーシング野寺監督やMTBライダーの池田祐樹さんらもゲスト出演トークショーにはシマノレーシング野寺監督やMTBライダーの池田祐樹さんらもゲスト出演 photo:Makoto.Ayano講習会にはたくさんの参加者が集まった講習会にはたくさんの参加者が集まった photo:Makoto.Ayano

初心者を多く迎え入れる大会とあって、ロングライド講習会も開かれるのが通例となっている。美崎悠さん、シマノの野寺秀徳監督、MTBライダーの池田祐樹さん、森田正美さん、益子直美さん、シマノのメカニックさんなどがステージに次々と上がり、上手な補給の摂りかたや、無理しないペース作りなど細やかな説明がされ、多くの参加者を集めた。
しかも、各々会場入りする参加者のために一日に5回も講習会が開かれる念の入れよう。とてもホスピタリティが充実している大会だと感じることができた。

メカニックサービスを受けて準備万端メカニックサービスを受けて準備万端 photo:Makoto.Ayano名物車海老の塩焼き。 取材が無ければずっと居座っていたい...名物車海老の塩焼き。 取材が無ければずっと居座っていたい... photo:Makoto.Ayano

会場では他にも試乗車ブースや地元プロショップの出店もあり、最新バイクやパーツを目にすることができるとあってテントを訪れる参加者が列をなしていた。ちなみに私も話題のBHウルトラライトを手にしてみた...軽っっっ!!!こんなハイエンドバイクを一日フルに乗れるなんて、このイベントの参加者だけの(事前予約が必要だが)特権である。

夕方6時。開会セレモニーの最後を締めくくるのは、ゲストの小島よしおさんのトークショー。ピナレロを2台所有しているという小島さん。翌日はまぁさんスイーツコース60kmにチャレンジ(?)するという。おなじみの軽快なトークに、会場の皆さんも私も大爆笑。ちなみにこのとき小島さんはあろうことかオシャレな服を着て登壇した(笑)。ちょっと寒かったですからね。

益子直美さん、森田正美さん、MCの美咲悠さんによるガールズトークショー益子直美さん、森田正美さん、MCの美咲悠さんによるガールズトークショー photo:Makoto.Ayano大いに盛り上がった小島よしおさんのワンマントークショー大いに盛り上がった小島よしおさんのワンマントークショー photo:Makoto.Ayano

開会式が終了すると、参加者の皆さんは思い思い、ゆったりとしたリゾートの夕べを過ごしに会場を後にしていく。連日の激務から抜け出し、完全にリゾート気分の編集長と私もこのまま琉球料理のお店に直行だ。編集長、ご馳走さまです!

いよいよ明日はイベント本番。私たち取材陣は早朝5時起床である。寝坊が得意技の私だが、今回は編集長が相部屋なので寝坊の心配は一切なし!(笑)頑張って160km走りながら取材したいと思います。

次回はいよいよ160kmチャレンジ編に続きます。天気予報が良くないことだけが心配ですが...。


text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano