アンカーの自社工場でチューブ加工から塗装まで行われるクロモリフレーム「Neo-Cot(ネオコット)」が、2018年に25周年を迎える。四半世紀という長きに渡りラインアップされ続けるロングセラーシリーズに限定50台のアニバーサリーモデルが登場する。



アンカー RNC7 NEO-COT 25th ANNIVERSARY SPECIAL MODELアンカー RNC7 NEO-COT 25th ANNIVERSARY SPECIAL MODEL (c)アンカー
2018年で登場より25周年を迎えるアンカーのベストセラーフレーム「ネオコット」。登場当時のクロモリフレームの素材は丸チューブが主流であったが、アンカーはクロモリ素材の弾性、しなやかさを維持しつつ優れた軽量性と強度を追求するためにNEO Contour Optimization Theory(Neo-COT/新形状最適化理論)を用い新チューブ形状を自社で開発した。このチューブを使用したフレームこそがネオコットである。

ネオコットを象徴するポイントは、バルジ成形によりチューブの端部がトランペットのベルのように膨らんでいる点だろう。チューブ自体がラグとなるような形とされているため、接合部にかかる応力をラグドフレームよりも低減することを狙っている。また、油圧によって引き伸ばされたベル部分は素材が薄くなり軽量化にも繋がる。

シリアルナンバー入りのプレートがあしらわれるシリアルナンバー入りのプレートがあしらわれる (c)アンカー競輪選手にのみ供給されるフォークが特別にアッセンブルされる競輪選手にのみ供給されるフォークが特別にアッセンブルされる (c)アンカー


加えてネオコットのチューブはスピニングバテッド加工が施されていることもポイントだ。回転させたパイプに外側からロールを押し付けることで厚みを変化させるこの加工法は、滑らかに厚みをコントロールし理想の薄さを実現することができる。最大肉厚は0.9mm、最薄部は0.4mm。同じチューブで肉厚差が0.5mmという、他に類を見ないチューブを使用しているのだ。

これらの加工を行うことでネオコットに使用されるチューブは、カーボン素材のように滑らかな曲線を描く。登場より25年経過した現在もなお色褪せないチューブ造形の美しさに惹かれるサイクリストは少なくないだろう。

バルジ形成のチュービングが特徴的。ダークネイビーのような青みがかった黒の塗装とされているバルジ形成のチュービングが特徴的。ダークネイビーのような青みがかった黒の塗装とされている 25周年を迎えRNC7はBBがラグドとなる25周年を迎えRNC7はBBがラグドとなる


そんなネオコットの25周年アニバーサリーモデルが50台限定で生産されることとなった。数あるネオコットフレームの中からベース車両とされたのはロードのトップモデル「RNC7」。基本となるフレーム自体も25周年に合わせアップグレードが施されている。

まずは25周年記念とし、ネオコットが登場時に使用されていたBBブラケット部をTIG溶接からラグドへと変更。昔ながらの意匠を取り入れつつ、現在のバルジカットに合わせた新規デザインやブリヂストンの「B」マークをあしらうなど新しい要素も取り込んだ。

タイヤやホイール幅の拡幅化が進む現在のトレンドにあわせ、標準装備されるタイヤ幅は25C、最大28Cに対応するクリアランスが設けられた。加えて、直付けフロントディレイラー台座仕様や、電動コンポーネントのケーブルは内装式になるなど最新スペックのロードバイクへと進化している。

バルジ成形によりトランペットのベルのように形作られたトップチューブバルジ成形によりトランペットのベルのように形作られたトップチューブ 2018年モデルよりヘッドマークはブリヂストンのBのとなる2018年モデルよりヘッドマークはブリヂストンのBのとなる

シートステーのグラデーションは職人技。25th ANNIVERSARYというレタリング入りだシートステーのグラデーションは職人技。25th ANNIVERSARYというレタリング入りだ ラグの裏側にはブリヂストンの「B」マークがあしらわれるラグの裏側にはブリヂストンの「B」マークがあしらわれる


RNC7の25周年モデルではこのフレームに、アンカーの職人たちが競輪選手のためだけに製作する特別仕様のフロントフォークが装備される。芯出し誤差は1mm以下という熟練の技が光るフォークは、このアニバーサリーモデルでしか手に入れることができない。まさにプレミアムモデルにふさわしいアッセンブリだ。

また通常モデルではシフトワイヤー受けが標準装備とされているが、アニバーサリーモデルでは使用を想定しているコンポーネントにあわせてワイヤー受けの有無を選択することが可能となっている。電動コンポーネントであればスマートなルックスで組み上げられるはずだ。ヘッド小物もアヘッドとスレッドを選ぶこと可能となっており、ネオクラシックなロードバイクにも、トラディショナルなバイクにも仕立てることができる。

アンカー RNC7 NEO-COT 25th ANNIVERSARY SPECIAL MODELアンカー RNC7 NEO-COT 25th ANNIVERSARY SPECIAL MODEL (c)アンカー
デザインはレースマシンとして日本の頂点に立ち、五輪にも出場した90年代当時のグラフィックをベースに現代版にモディファイし、アンカーのイメージカラーである赤、白、黒で彩った。黒色は青みがかった黒を幾層にも重ねることで、色の深みを演出。シートステーのグラデーションは職人ならでは。加えて、シートチューブにはシリアルナンバー入りのプレートがあしらわれ、プレミアムな雰囲気を引き立てる。

販売はフレームセットのみとなり、サイズは490~590まで20mm刻みの8種類が揃う。価格は250,000円(税抜)だ。わずか50台という少量生産となるため、インターネットでの抽選販売という形式が取られた。申込みは2018年1月5日(金)12:00まで。アンカーの熟練職人によりチューブ加工から塗装まで一貫して行われるため、納期は最大1年を予定している。アンカーの特設サイトはこちら




アンカー RNC7 NEO-COT 25th ANNIVERSARY SPECIAL MODEL FRAME.
フレーム:Neo-Cot Cr-Mo Professionalスピニングバテッド
フロントフォーク:Cr-Mo ロー付け イタリアンサイズ
シートピン:5mmアーレンキー
付属品:マニュアルバック
フレーム重量:フレームセット 2,670g(530mm)
サイズ:490、510、520、530、540、550、570、590 mm
カラー:NEO-COT 25th ANNIVERSARY SPECIAL COLOR
価 格:250,000(税抜)

選択可能項目
ヘッド小物:[アヘッド]TANGE RDC イタリアンサイズ、[スレッド]Campagnolo Record
変速仕様:[機械式仕様]D/Tアウター受けあり、[電動式仕様]D/Tアウター受けなし


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