ジロ・デ・イタリアにも組み込まれる激坂のゾンコラン山を走るグランフォンドが8月27日に行われる。イタリア大使館で次期駐日大使、静岡県副知事らがこのイベントを発表した。



新しく駐日イタリア大使となるジョルジョ・スタラチェ氏と静岡県の難波喬司副知事。2016年日本での大会は静岡県が主催した新しく駐日イタリア大使となるジョルジョ・スタラチェ氏と静岡県の難波喬司副知事。2016年日本での大会は静岡県が主催した photo:Hideaki TAKAGI
静岡県とイタリア・フリウリ州が交互に開催する共催イベント

モンテゾンコランと言えばジロを代表する激坂として有名だが、2015年からこの地を使ったグランフォンドが行われており、2017年も8月27日(日)に開催される。その名はフジ・ゾンコランカルニアクラシック。”フジ”とはもちろん日本の富士山のこと。昨年10月にふじあざみラインで開催されたフジ―ゾンコランヒルクライムin小山町&伊豆半島一周サイクリングは、静岡県が主催したヒルクライムレースとサイクリングだ。

イタリア大使館での発表

静岡県はイタリアのフリウリ=ヴェネチア・ジュリア州(以下フリウリ州)と友好提携を結んでおり、毎年交互にそれぞれで自転車イベントが開催されている。今年はイタリアで開催する年にあたり、日本からの参戦ツアーがすでに募集を開始している。第1回の2015年大会には1500人超が参加し、日本からも参戦者がいた。4月19日、イタリア大使館においてこのグランフォンドの発表会が行われた。会場には5年間駐日大使を務めたドメニコ・ジョルジ氏に代わり、新しく大使となるジョルジョ・スタラチェ氏、静岡県の難波喬司副知事がそれぞれ会見。両県、州の友好関係とイベントの紹介を行った。

静岡県の難波喬司副知事が着るウェアは、2015年大会参加時にプレゼントされたもの。背中には名前が漢字で入っている静岡県の難波喬司副知事が着るウェアは、2015年大会参加時にプレゼントされたもの。背中には名前が漢字で入っている photo:Hideaki TAKAGIイタリア大使館を舞台に行われた会見イタリア大使館を舞台に行われた会見 photo:Hideaki TAKAGI

難波副知事は2015年のゾンコラングランフォンドに出場している。「とても素晴らしい景色の中を走れるイベントに感動しました。国内でグランフォンドを走りたい人は多いと思うが、本格的な大会への参加の機会が少なかったと思う。今回JTBと静岡県がその機会を作ったので、ぜひ参加して欲しい。イタリアの人たちの素晴らしいもてなしを受けると思います」と説明。「静岡県チームを作って参戦したいですね」とも付け加えた。静岡県は伊豆ベロドロームでのトラック世界選手権や、東京オリンピックの開催地として、日に日に機運が高まっており、まさに勢いを感じさせる発表会だった。

デローザの血統を受け継ぐBIXXISも後援

会場では次期駐日大使、難波静岡県副知事に並んでツアーを企画・販売するJTB静岡支店、そして大会を後援するBIXXISジャパンの静観篤(しずみ あつし)氏が列席した。静観氏はイタリア語の通訳・翻訳として自転車関係ではツアー・オブ・ジャパンなどで活躍。昨年はフジゾンコランの通訳も務めたサイクリスト。イタリアと自転車への関心が高じてBIXXISジャパンを設立するに至った。

イタリア語通訳士でもある静観篤氏のBIXXISジャパンは大会を後援するイタリア語通訳士でもある静観篤氏のBIXXISジャパンは大会を後援する photo:Hideaki TAKAGI静観氏が手掛けるBIXXIS(ビクシス)はイタリアの名門工房を興したウーゴ・デローザ氏の次男であるドリアーノ・デローザ氏がミラノに興したブランドで、その名前は“Biciclette Italiana per il XXI Secolo”(21世紀のためのイタリアンバイク)の頭文字から取られたものだ。クロモリとチタンのフレームを製作し当日も実車が展示された。2016年1月、元浅草にショールームをオープンさせ、そこで静観氏および本国のドリアーノ氏らとの会話などによるフレームのオーダーを受け付けているという。

BIXXIS(ビクシス)はドリアーノ・デローザ氏がミラノに興したブランド。このPRIMAはNAHBSで最優秀賞を含む2賞を受賞BIXXIS(ビクシス)はドリアーノ・デローザ氏がミラノに興したブランド。このPRIMAはNAHBSで最優秀賞を含む2賞を受賞 photo:Hideaki TAKAGI

6日間と8日間の参加ツアーをJTBが発表

今回JTB静岡支店が発表したツアーの内容は以下の通りで、6日間と8日間の2コースが設定されている。8日間コースではウーゴ・デローザ氏の子息が独立し設立したイタリアの自転車工房”BIXXIS”の見学も入っている。料金は6日間ならば31万5000円からの設定で、現地でのグランフォンド参加への対応や観光が入っての金額設定はお得感がとても強い。またレンタサイクルでの参戦(別途料金)や同行者向けのプランの用意もある。


ツアー日程 詳細についてはリンク先をご参照ください

6日間コース 315,000円 諸費用別途
8月24日(木)羽田発(夜) ヴェネチア着・泊
~ヴェネチア観光、自転車フィッティングなど
8月27日(日)フジ・ゾンコランカルニアクラシック参戦
8月28、29日(火)ベネチア発 羽田着(夕)

8日間コース 398,000円 諸費用別途
8月24日(木)羽田発(夜) ヴェネチア着・泊

8月27日(日)フジ・ゾンコランカルニアクラシック参戦
~ミラノ市内観光
8月29日(火)BIXXIS自転車工房見学
8月30、31日(木)ベネチア発 羽田着(夕)


photo&text:高木秀彰