本格的なロードシーズン到来を告げるエンデューロイベントとして関東のサイクリストの間では定着した「もてぎエンデューロ」。その舞台となる1周4.6kmの「ツインリンクもてぎ」の国際サーキットを”ヘタレ”フジワラがプレビューします。



2014年秋大会を走ったヘタレ藤原が実体験をもとにガイドします!2014年秋大会を走ったヘタレ藤原が実体験をもとにガイドします! ”ヘタレ”フジワラ目線でお届けする今回のコースプレビュー。僕よりも脚力、バイクコントロール能力ともに劣っている、と言う人はなかなかいないだろう。きっともてぎが初めての人でも、イベント自体が初心者の人でも、この記事を読めばかならず安全に走ることができるはず。なので、ベテランの人にとっては、参考にならないかもしれませんが、ご容赦のほどを(笑)

ほぼアップダウンのみで構成されるツインリンクもてぎほぼアップダウンのみで構成されるツインリンクもてぎ (c)モビリティランド今年で3度めの開催となる「もてぎ7時間エンデューロGW」。10年以上にわたって開催されてきた秋大会の人気を受け、春にも開催されるようになったイベントだ。もともと大会の魅力を知るファンたちが多いこともあり、毎回のように2500人以上の参加者を集めるイベントとして知られています。

その舞台となる「ツインリンクもてぎ」はMotoGP日本グランプリをはじめ、様々なレースが開催されるサーキット。実際に走るのは全長4.8kmのロードコースで、オートバイや車のレースとは逆の反時計回りに走ります。逆回りは急カーブや登り区間の距離が少なくなるため、女性や小学生なども走りやすくなっています。

また、サーキットの12~15mという広い道幅を活かして、高速で走行するライダーは右側走行、マイペースで走るライダーは左側走行というようにルールが決められている。これでレベルの異なるライダーが混走することも少なくなるため、安心して走行可能です。それでは、さっそくコースイン!



まずはホームストレート。ここはもてぎの長いコースの中でも数少ない平坦区間。ピットウォールに鈴なりになった観客からの応援もあって、ついつい頑張ってしまいがちなポイント。でも、ここからヘアピンまでは基本登りなので、足をためておくべき場面。僕?もちろん、編集長の前で無様な姿をみせることはできませんとも。全開走行です。

周回をはじめて最初に現れるコーナーは、右コーナーと左コーナーが連続するシケイン。一見、90度近い曲率がある右コーナーのほうが難易度が高く思えるけれど、実際に注意したいのはその後の左コーナー。右コーナーのライン取りを間違えると、かなり切り返しがきつくなるので、試走時に走りやすいラインを見つけておきたいところ。ライン取りさえ間違えなければ、右コーナーはノーブレーキでいけると他の編集部員は言っていますが、僕には怖くて無理でした。

マビックカーを先頭にレースがスタートマビックカーを先頭にレースがスタート
そうそう、S字コーナーだからといって、最短距離を走ろうとするのはキケン。後ろからきた速いライダーと接触してしまう可能性があるので、できるだけコース左側を走るように心掛けましょう。2つ目のコーナーではピットアウトしてくる選手の合流もあり、ここは要注意ポイント。ピットアウトする時も無理は禁物です。

次に現れる難所は全長760mの直登区間。一気にコース最高標高地点まで駆け上がる長いストレートは文字通り最大の山場です。シケインの下りでスピードに乗ったまま登り始めたいところですが、手前に90度コーナーがあるのでそうもいかないのが悲しいところ。

集団でシケインを駆け抜ける。サーキットイベントならではの楽しみだ集団でシケインを駆け抜ける。サーキットイベントならではの楽しみだ エンジョイ派は楽しみながら登りをこなす エンジョイ派は楽しみながら登りをこなす 


しかも、コーナーの途中から登りは始まっているので、減速前にギアを軽くしておくのも大切なポイント。そうしないと、登り始めてからギアが重すぎて踏みきれないなんてことになっちゃいます。そうなってからあわててギアを軽くしようとすると、僕みたいにチェーンを落としていきなり失速してしまい、うしろの選手に迷惑をかけてしまうなんてことも。逆に、前の人がいきなり失速することもあるので、前方にも注意が必要です。

登り始めてから、ゲートのある中腹までが7%と厳しい勾配になっている一方、その後は少し傾斜が緩むので序盤はとにかく我慢のしどころ。蛇行してしまうのは危ないので、できるだけ真っ直ぐと進むように気をつけて。そうそう、このエリアはCW編集部員の良くいるポイントなので、運が良ければ記事デビューできるかも!?

コース最大の難所であり、多くの参加者が苦戦した760mの上りコース最大の難所であり、多くの参加者が苦戦した760mの上り
さて、上り坂を耐え切った先にはスーパースピードウェイの高架下まで約1.4kmを駆け下りる坂が待っています。V字とS字コーナーが連続する、最もテクニカルでスピードの出る区間。路面がきれいでタイヤがスリップしづらいため、ついつい攻めたくなりますが、あまりテンションを上げすぎないように。

ブレーキをおろそかにしているとオーバースピードで曲がり切れず、クラッシュなんてことになりかねません。特にS字コーナーの1つ目の左カーブで右側に膨らんでしまうと、速いライダーと接触する可能性があるので、キープレフト、キープラインをしっかりと心掛けて。ここの下りセクションではトップライダーは60km/h近い速度を出すそうですが、僕はビビッてしまって、40km/hが限界でした。

ダウンヒル後の高速V字コーナーではコーナリングテクニックが試されるダウンヒル後の高速V字コーナーではコーナリングテクニックが試される 青空の下、颯爽とサーキットを駆け抜けていく青空の下、颯爽とサーキットを駆け抜けていく

新緑香るツインリンクもてぎを駆け抜ける新緑香るツインリンクもてぎを駆け抜ける
第5コーナーで下り坂に別れを告げると、無情にもまた上り坂が現れます。勾配は1~2%と緩く、ほぼ平坦に見えるのがまたいやらしいところ。見た目以上に負荷がかかるので、気付かず踏み続けているとどんどんと脚が削られていきます。走行ペースが似ているライダーと協力しながら走りましょう。

4コーナー、3コーナーを抜けると、ついにパドック裏へと帰ってきます。ここからは完全に平坦となっているので、スピードに乗せたら後はフィニッシュまで力の出しどころ。僕はホームストレートで全開走行ができるように、息を整えていましたが。え?脚がなかっただけって?やだな、そんなわけないじゃないですか、ハハハ……。

チームで協力し合いながら集団を牽引するチームで協力し合いながら集団を牽引する 老若男女様々なライダーが一緒のコースを走る老若男女様々なライダーが一緒のコースを走る

チームからの声援と共に笑顔でゴールチームからの声援と共に笑顔でゴール


さてさて、もうホームストレートです。ピットインするライダーは手信号ではっきりと意思表示をしてから、ピットロードに入りましょう。進路を変更する時は、後方の確認もおろそかにしないように。ゴール前で接触・落車なんてもったいない。ピットロードでは飛び出しもあるため、前方には常に注意。チップを渡すまでがレースです。

距離にするとわずか4.8kmのコースですが、ほぼアップダウンでつながれているハードな「ツインリンクもてぎ」。道幅が広く、路面も整えられているため、ロードバイクの性能を最大限に味わうことができます。このコースガイドを頭に入れておけば、きっと怪我無く1日楽しめること間違いなし!

text:Gakuto”へたれ”Fujiwara