アメリカの名物番組「オプラズ・ネクストチャプター」の放映を前に、ランス・アームストロングが番組内でドーピングを認める発言をしていることがわかった。

アメリカで1月17日に放送される有名女性司会者オプラ・ウィンフリー氏との対談形式の告白番組「オプラズ・ネクストチャプター」の収録を、テキサス州オースチンにおいて月曜日に終えたランス・アームストロング。番組の詳しい内容はまだ明かされていないが、AP通信をはじめとした通信社やニューヨーク・タイムズなど主要新聞各紙が伝えるところによれば、アームストロングが自転車競技のキャリアにおいて禁止薬物を使用したことを認める告白をしたことを番組関係者2人が証言しているという。もちろんアームストロングがドーピングを認めたことは過去に無い。

窮地に立たされたランス・アームストロング 過去のドーピングの真偽は?窮地に立たされたランス・アームストロング 過去のドーピングの真偽は? (c)CorVosまた、アームストロングはオースチンでの番組収録の前に、自身の創設した癌患者支援チャリティー団体であるリブストロング財団(元ランス・アームストロング財団)の事務所に立ち寄り、スタッフらに自身のドーピングスキャンダルにより組織の皆に多大なストレスをかけていることを謝罪したという。

リブストロング財団事務所の広報担当者によれば、アームストロングは事務所で禁止薬物の使用についての告白はしなかったが、会議室で20分間に渡り話をした際、職員たちに対し泣きだしそうだったという。
広報担当はアームストロングの様子について、「彼は感情が高ぶって、ときどき言葉に詰まっていた」という。「(職員の)皆が彼に会えたことを喜んでいた」とも。
リブストロングでの自身のポジションを辞したアームストロングが事務所を訪れたのは、昨年10月21日以来だったという。

アームストロングは昨年12月にUSADA(アメリカアンチドーピング機構)のトラヴィス・タイガード会長とアメリカ国内で対談をもったとされ、告白した場合の、自身に課せられている「すべてのオリンピック種目スポーツからの生涯追放処分」を軽減する方法について相談をしたとみられている。
トライアスロンやランニング大会等への出場を切望しているというアームストロングは、それらスポーツからの生涯追放を不公平だとしており、出場するために処分の軽減を求め、告白をするだろうという見方がある。

ランス・アームストロングとマッケイド氏の前任の元UCI会長ハイン・フェルブリュッヘン氏ランス・アームストロングとマッケイド氏の前任の元UCI会長ハイン・フェルブリュッヘン氏 (c)CorVosUCI(国際自転車競技連合)会長のパット・マッケイド氏UCI(国際自転車競技連合)会長のパット・マッケイド氏 (c)CorVos


また、アームストロングが現在のUCI(国際自転車競技連合)会長のパット・マッケイド氏、前任の会長ハイン・フェルブリュッヘン氏、オリンピック委員会の要人らについて、過去に共謀してドーピング隠しをしていたことを暴露するのではないかという見方もある。UCIは過去、アームストロングから10万ドル(870万円)の献金を受け取っていることをタイガード氏によって非難されている。


「オプラズ・ネクストチャプター」の番組はアメリカで17日(木曜日)と18日の2夜に分け放送される。
番組ホームページ Oprah.com によればライブストリーミングが視聴可能と記されている。




text:Makoto.AYANO