11月3日、幕張メッセで開催されているサイクルモード・インターナショナルにおいて、土井雪広のチームUKYO移籍が発表された。全日本チャンピオン本人ならびに片山右京監督が描く2013年シーズンのビジョンとは。

土井雪広(アルゴス・シマノ)土井雪広(アルゴス・シマノ) photo:Kei Tsuji2005年にシマノレーシングの一員としてヨーロッパへと渡り、以後8年間にわたってオランダを拠点に活動した土井雪広が、アルゴス・シマノとの契約解除に伴い、活動拠点を日本に移す。欧米チームを含めた様々なチームと交渉を続けた結果、片山右京監督率いるチームUKYOへの移籍を決断。11月3日のサイクルモード・インターナショナルのステージにて正式に発表された。

サイクルモードでチームUKYOへの移籍を発表した土井雪広サイクルモードでチームUKYOへの移籍を発表した土井雪広 (c)MakotoAYANO今年、自身初の全日本タイトルを手にし、2年連続ブエルタ・ア・エスパーニャ出場&完走、そしてチームメイトの多くの勝利に貢献した土井。完全にチームに溶け込み、首脳陣からも信頼を置かれる存在だったが、チームスポンサーの戦略的な理由により契約更新はならなかった。

「仕方がない。自分を強くしてくれた8年間に感謝している」とチームの判断を受け入れながら、土井はリクルート活動を開始。チーム探しに奔走したが、条件がマッチするチームを見つけることが出来ずにいた。

チームUKYOの片山右京監督と土井雪広チームUKYOの片山右京監督と土井雪広 photo:Kei Tsuji
2012年に結成したチームUKYOは、来シーズンも継続的にUCIコンチネンタル登録を行なうが、土井の所属チームとしては実質的にステップダウンすることになる。闘う舞台もヨーロッパのトップレースから日本の実業団やアジアのUCIレースに移行する。

土井は「これまで輪島や栂池などでは勝っているけど、シーズンを通して実業団レースに出場するのは実は初めて。実業団のレベルを上げて、盛り上げることに力を尽くしたいと思う。日本のロードシーズンは開幕が遅いので、身体の作り方を変えて行く。もちろん全日本選手権は連覇を狙わないといけない。シーズン前はシクロクロスを走ります」と話す。

ヨーロッパで得た経験をもとに、土井は「才能を秘めているのにメンタルが弱い若手選手の意識改革」にも力を入れるという。「そして勝てるチームを作りたい。ヨーロッパでまた走りたいという強い思いは有るけど、2014年以降のことはまだ話せない」。

チームUKYOは来シーズンに向けて現在体制を整えている段階。2012年は活動範囲を国内の実業団&UCIレースに限定していたが、UCIポイント獲得のために2013年は海外にも脚を伸ばす。「来シーズンは選手を大きく入れ替え、UCIポイントを積極的に狙って行きます」と、チームを率いる片山右京監督。

「まずは招待されるかどうかという問題がありますが、日本を含めたアジア、東南アジアのUCIレースに出場すべく動いています。ですので今年のように全ての実業団レースに出場するわけではなく、出場する実業団レースは2/3ほど。選手だけではなく、マネージャーやメカニックを含めた体制を整えるために模索している段階です」。

全日本チャンピオンを迎え、チームUKYOは新体制で動き出す。来シーズンの所属選手は2013年1月に発表される予定だ。



text:Kei Tsuji

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