10月22日、UCI(国際自転車競技連合)がスイスのジュネーブで記者会見を開き、USADA(アメリカアンチドーピング機構)がランス・アームストロング(アメリカ)に対して下したタイトル剥奪と永久追放処分を認めると発表した。

UCI会長のパット・マックエイド会長UCI会長のパット・マックエイド会長 photo:Makoto Ayanoジュネーブで行なわれた記者会見には、UCIのパット・マックエイド会長が出席。10月10日にUSADAから1000ページにおよぶ証拠書類を受け取ったUCIは、アームストロングに対する処分を全面的に認め、CAS(スポーツ仲裁裁判所)に上訴しないことを決めた。

マックエイド会長は「UCIはUSADAによる処分を認定し、CASに不服申し立てを行なわないことを決定した。UCIはランス・アームストロングを競技から永久に追放するとともに、ツール7勝のタイトルを剥奪する。もはや、自転車界にランス・アームストロングの居場所は無い」と言い切った。また、会見の中でマックエイド会長は、証言を行なったライプハイマーやヴァンデヴェルデ、ザブリスキー、ヒンカピー、バリー、ダニエルソンに対する半年間の出場停止処分を認定するとともに、証言を行なったことに関して感謝の意を示した。

これにより、1998年8月1日以降のアームストロングの成績は全て抹消。1999年から2005年までの7年連続ツール総合優勝と2009年総合3位のタイトルが剥奪される。ツール主催者ASOのクリスティアン・プリュドム氏は、1999年から2005年のツールに関して、総合2位の選手の繰り上げ優勝は認めず、優勝者不在とする見解を示している。

今回のUCIによる処分認定を受け、ナイキ社、トレック社、アンハイザーブッシュ社、ジロ社に続いて、オークリー社がアームストロングのスポンサー契約を解除すると発表している。

なお、ツール7連覇中を含め、アームストロングのサンプルから陽性反応が認められたことは一度も無い。違反を見抜けなかったドーピング検査とその体制に批判が集まっているが、UCIやマックエイド会長、そして当時会長を務めていたハイン・フェルブルッゲン氏に対する処分は発表されていない。

text:Kei Tsuji

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