USADA(アメリカアンチドーピング機関)が10月10日に発表した報告書による影響は留まるところを知らない。オランダのラボバンク銀行は19日、2012年限りで男女プロロードチームへのスポンサーシップを解除することを発表した。

男女プロロードチームからラボバンクのスポンサーシップが解除される男女プロロードチームからラボバンクのスポンサーシップが解除される (c)Kei.TsujiUSADAによって明るみに出た過去のUSポスタルチーム内部のドーピングスキャンダル。過去にこれに関与していた選手やスポンサー、関係機関のみならず、その余波は現在運営・活動を行なっているチームにまでに波及。ラボバンクは19日、2012年12月31日限りでの男女プロロードチームからのスポンサー撤退を発表した。

ホームページ上に掲載されたリリースによると、ラボバンクはUSADAの作成した報告書の発表を受けてからこの決定に至ったという。取締役会のメンバー、ベルト・ブリュギンク氏は「心を痛めることではあるが、銀行にとって避けることのできない決定だ。国際的なプロサイクリング界は、もはや公平かつクリーンなスポーツとならない。我々は近い将来、この状況が好転しないと判断した」とコメント。

ラボバンクがプロサイクリングとの関係をスタートさせたのは17年前のこと。‬大きな資金力を活かして男女ロードチームやシクロクロス、若手育成のコンチネンタルチームに至るまでを長年に渡ってスポンサードしてきた。ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、現オリカ・グリーンエッジ)など、複数の選手の獲得が噂されていた段階での突然の発表だ。

なお、若手育成チームやシクロクロスチームへのスポンサード、アマチュアサイクリングへのサポートは継続して行われる。現在所属している選手の処遇については白紙の状態だ。

これからチーム母体は次のスポンサー探しを余儀なくされるが、現状規模のチーム体制を維持することは難しいと思われる。老舗大手スポンサーであるラボバンクの撤退が意味すること、そしてこれからのプロサイクリング界に及ぼす影響は甚大だ。



text:So.Isobe

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