ドーピングスキャンダルの渦中にあるUSポスタルチームを長年指揮したヨハン・ブリュイネール氏が、レディオシャック・ニッサンのゼネラルマネージャーの職を退く。運営会社レオパードSAは、レディオシャック・ニッサンとブリュイネール氏の関係を終了すると発表した。

ヨハン・ブリュイネール監督とランス・アームストロングヨハン・ブリュイネール監督とランス・アームストロング photo:Makoto Ayanoベルギー出身のブリュイネール氏は現役引退直後の1999年、USポスタルの監督に就任。同年から始まるランス・アームストロング(アメリカ)のツール・ド・フランス7連覇を支えた。ディスカバリーチャンネルとアスタナ時代にはアルベルト・コンタドール(スペイン)のツール2勝を指揮。2010年からレオパード(現レディオシャック・ニッサン)のゼネラルマネージャーを務めていた。

アームストロングならびにUSポスタルのドーピング捜査を行なうUSADA(アメリカアンチドーピング機関)は、10月10日、当時の所属選手たちの証言をもとにした報告書を公開。USポスタルのチーム内に蔓延していたドーピング使用が明るみとなり、証言を行なった6名の現役選手には半年の出場停止と成績抹消の処分が与えられた。

当時チーム監督を務めていたブリュイネール氏や、チームドクターのペドロ・セラーヤ氏、トレーナーのホセ・マルティ氏は、仲裁のためのヒアリングに出席する予定。しかし、USADAの報告書公開2日後の10月12日、レオパードSAは、そのヒアリングの結果を待たずに、双方の合意の上でブリュイネール氏の職を解き、関係を終了すると発表した。プレスリリースの中でレオパードSAは「同氏が能率的かつ安定的にチームを指揮する状況にないことを踏まえ、チーム内の団結と平穏を維持するためにも、必要な決断だった」と説明している。

text:Kei Tsuji

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