集団スプリントか逃げきりか。例年同様、2012年大会も際どい闘いに持ち込まれたパリ〜トゥール(UCI1.HC)。レース終盤にカウンターアタックで飛び出したマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)が、3人によるゴールスプリントを制した。

パリ〜トゥール2012コースプロフィールパリ〜トゥール2012コースプロフィール image:A.S.O.秋も深まるフランス中部のロワール地方を舞台に行なわれた第106回パリ〜トゥール。別府史之(オリカ・グリーンエッジ)や宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク)を含む190名の選手たちが、パリの西100kmに位置するシャトーヌフ・アン・ティムレをスタートした。

追走グループに入ったマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)追走グループに入ったマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM) photo:Cor Vosレース当日は北風。つまりトゥールまで南下する行程のほとんどは追い風基調。レースは開始早々からハイスピードな展開に持ち込まれる。2km地点で飛び出したシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)にミカエル・モルコフ(デンマーク、サクソバンク・ティンコフバンク)、ラスロ・ボドロギ(ハンガリー、チームタイプ1)ら10名が追いつき、11名が逃げグループを形成した。

メイン集団を牽引するBMCレーシングチームメイン集団を牽引するBMCレーシングチーム photo:Cor Vosレース1時間目の平均スピードは50.6km/h。逃げグループとメイン集団のタイム差は最大4分50秒まで広がったが、逃げに選手を送り損ねたガーミン・シャープやヴァカンソレイユ・DCMのコントロールによって縮小傾向に。

タイム差が2分まで縮まると、ゴールまで40kmを残して逃げグループからモルコフがアタック。他の逃げメンバーがラスト35km地点でメイン集団に吸収されてしまう。

マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)にテルプストラとデヴリーゼが食らいつくマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)にテルプストラとデヴリーゼが食らいつく photo:Cor Vosすると今度はマルカートやニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)、ロイ・カーヴァス(オランダ、アルゴス・シマノ)、ジュリアン・ベラール(フランス、アージェードゥーゼル)、ローラン・デヴリーゼ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)、セバスティアン・テュルゴー(フランス、ユーロップカー)、ローラン・ピション(フランス、ブルターニュー・シュレー)がカウンターアタック。この7名は先頭モルコフに追いつき、15秒ほどのリードを得て終盤のアップダウン区間に入った。

テルプストラ、デヴリーゼ、マルカートによるゴールスプリントテルプストラ、デヴリーゼ、マルカートによるゴールスプリント photo:Cor Vosゴール10km手前から始まる「ボーソレイユ」「レパン」の登りで、マルカートの積極的なペースアップによって先頭は3名に。BMCレーシングチームが牽引するメイン集団が、15秒遅れでマルカート、デヴリーゼ、テルプストラを追う展開。

細く、コーナーが続くコースは逃げグループに味方する。集団落車の影響もあってタイム差は縮まらず、むしろ広がりながらラスト5kmを通過。追撃体制が崩れたメイン集団からは、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)がカウンターアタックを仕掛けて単独で追走を開始する。

ローラン・デヴリーゼ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)をかわしてゴールするマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)ローラン・デヴリーゼ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)をかわしてゴールするマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM) photo:Cor Vosローテーションを回して逃げるマルカート、デヴリーゼ、テルプストラは、後続の単独デゲンコルブを振り切ってフラムルージュ(ラスト1km)を駆け抜け、名物グラモン大通りに突入する。

追走デゲンコルブは届かず、短い牽制の末に先頭3名によるゴールスプリントが始まる。先に仕掛けたテルプストラを追い抜き、デヴリーゼをかわしたマルカートが勝利した。この日の平均スピードは48.629km/h。2010年大会の47.730km/hを抜いて史上最速をマークした。

キャリア最高の勝利を手にしたマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)キャリア最高の勝利を手にしたマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM) photo:Cor Vos昨年フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー)との一騎打ちで敗れたマルカートが、1年後のグラモン大通りでリベンジを達成。28歳のイタリア・ヴェネト州出身選手がキャリア最高の勝利を手にした。マルカートは2009年からヴァカンソレイユ・DCMに所属しており、2009年ツール・ド・ルクセンブルク総合3位、2010年アムステル・ゴールドレース8位、2011年ツール・ド・ポローニュ総合3位という成績を残している。

トップ10には終盤にメイン集団から飛び出した選手や、逃げグループから脱落した選手が入る。28秒遅れでゴールしたメイン集団の中には別府の姿も。終盤の登りでメイン集団から遅れたサクソバンク・ティンコフバンクの宮澤崇史は、2分14秒遅れの第2集団でゴールしている。

29位でゴールした別府は「今日はチームメイトのサポートをフルに受けて走らせてもらった。終盤まで力を温存して最後の10kmの勝負所まで待ち、前方でかなり余裕をもって丘を越えることが出来た。でもレースは終盤に出来た逃げグループをメイン集団が追いきれず、逃げを行かせる展開になってしまった。もっと積極的に勝負に出れば良かったかもしれない。ちょっと様子を伺って待ち過ぎてしまったのが敗因だった」とツイート。加えて「これでジャパンカップに向けてベストコンディションで戦うことが出来そうです!」と力強いコメントを残している。

パリ〜トゥール2012結果
1位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)        4h50'34"
2位 ローラン・デヴリーゼ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
3位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)             +06"
5位 ローラン・ピション(フランス、ブルターニュー・シュレー)         +12"
6位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
7位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
8位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ソール・ソジャサン)          +19"
9位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
10位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
29位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)                 +28"
93位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク)            +2'14"

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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