何と22年ぶり優勝の41歳小室雅成(キャノンデール・スペースゼロポイント)と、2位は17歳同チームの岡篤志。ベテランと若手が念願の結果を出したいわきクリテは2年ぶりの開催。

小室雅成(キャノンデール・スペースゼロポイント)が優勝、2位は岡篤志小室雅成(キャノンデール・スペースゼロポイント)が優勝、2位は岡篤志 photo:Hideaki.TAKAGI
昨年は震災の影響で開催することができなかったいわきクリテ。9月29、30日、今年は併催の市民レースなどとともに例年通りの規模で行われた。
スタート前スタート前 photo:Hideaki.TAKAGI60分経過、逃げる11人60分経過、逃げる11人 photo:Hideaki.TAKAGI最終周回へ、先頭の5人最終周回へ、先頭の5人 photo:Hideaki.TAKAGIラスト80m、まだ野中竜馬(シマノレーシング)が残るラスト80m、まだ野中竜馬(シマノレーシング)が残る photo:Hideaki.TAKAGIキャノンデール・スペースゼロポイントがワン・ツーキャノンデール・スペースゼロポイントがワン・ツー photo:Hideaki.TAKAGIP1 表彰P1 表彰 photo:Hideaki.TAKAGI西加南子(LUMINARIA)が花の谷を独走西加南子(LUMINARIA)が花の谷を独走 photo:Hideaki.TAKAGIE1 優勝は面手利輝(EQADS)E1 優勝は面手利輝(EQADS) photo:Hideaki.TAKAGIE2 優勝は香西真介(チバポンズかわぐち農園)E2 優勝は香西真介(チバポンズかわぐち農園) photo:Hideaki.TAKAGIE3 優勝は川田優作(TEAM MILANO)E3 優勝は川田優作(TEAM MILANO) photo:Hideaki.TAKAGI
自然に恵まれた運動公園の中を走るクリテリウム、そしてその内側ではイベントが行われる。表彰台ではフラガールたちが花を添えるいわきクリテが戻ってきた。

初日は予選と女子の決勝というスケジュールも同じ。その女子で優勝の西加南子(LUMINARIA)は、自身のイベント(ジャージの販売)での売り上げをいわき市体育協会へ寄付していた。会場で御代田会長から西へ御礼が述べられた。「レースでお世話になっている福島県、昨年は開催することができなかったいわき市へ何かがしたかった」と語る西。会場では無料で振舞われる地元産品など、いつも以上に地元はこれら選手たちを歓迎した。

P1の決勝は9月30日(日)に、予選2組+敗者復活戦を経た40人で行われた。台風が近づく中、強めの風が吹くが晴れから曇りと、天候はまずまず。
コースは運動公園の中の1周1.43kmを周回するもので、カーブや直角コーナー、凹凸のある路面、狭い区間、坂など変化に富んだもの。
P1は時間制で70分+2周でスタート。序盤から各チームがアタック。大きな逃げが決まらない中、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が独走で4周を逃げる。ブリッツェンにとっては他チームのスプリンター達の足をそぎたいところ。これに辻善光(チーム右京)や小室雅成(キャノンデール・スペースゼロポイント)らも先頭でペースを上げて応戦する。

変化のあったのはちょうど中盤の37分経過時。増田の逃げを吸収後、ペースの上がった集団が中切れを起こし、それが広がってすぐに集団が大きく2つに分裂。後方に辻、マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)、鈴木譲(シマノレーシング)ら各チームのエースが取り残される。
前方の11人は増田・普久原奨・飯野智行(宇都宮ブリッツェン)、狩野智也・斉藤祥太・嶌田義明(チーム右京)、小室・岡篤志(キャノンデール・スペースゼロポイント)、野中竜馬(シマノレーシング)、小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)、大久保陣(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)。この中では小室がスプリントに秀でる。

先頭の11人はペースを上げて後方のスプリンター集団を合流させない動きに。終盤になると普久原、そして増田がアタックして集団を揺さぶる。ラスト4周で増田がアタック、これに野中そして岡が合流。さらに小畑、最後に小室が合流してラスト2周で5人の先頭集団ができる。

そして最終周回、飯野が合流して6人になった先頭から岡そして飯野がアタックするが吸収、ラスト500mで野中がアタックして先行でホームストレートへ。野中に後続が迫り、ラスト100mを切ってから小室が伸びて、ゴール前の上り坂でかわして優勝。2位には同チームの岡が入り、チームでワン・ツーを達成した。

優勝した小室は今年41歳。トップクラスのレースでの優勝は1990年、19歳当時の実業団東日本大会(群馬CSC)以来の22年ぶり。その間、病気を患い一時は完全に自転車から離れた時期も。しかし10年前に再び開始、近年はいくつかのレースで入賞できるほどにまで復活した。2週間前のツール・ド・北海道第3ステージでは3位入賞と調子を上げていた。

2位の岡は17歳の高校2年生。自転車競技を始めて1年半、今年6月からJPTで走る。現在JCFのジュニア・ロードの強化指定選手でスピードとテクニックが武器の将来有望な選手。高校2年生で2位の快挙達成だ。

チームは今年8月にエースの鈴木真理が大腿骨骨折で戦線から離脱。鈴木が不在の中でも固い結束で結果を出しつつあった。鈴木はこのいわきで過去4連勝している。チームはその気持ちをつないで小室の優勝という最高の結果を出すことができた。


結果
P1クラス 70分+2周
1位 小室雅成(キャノンデール・スペースゼロポイント)1時間15分22秒
2位 岡篤志(キャノンデール・スペースゼロポイント)
3位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
4位 野中竜馬(シマノレーシング)+01秒
5位 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)
6位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)+03秒
7位 普久原奨(宇都宮ブリッツェン)+1秒
8位 嶌田義明(チーム右京)
9位 大久保陣(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+31秒
10位 斉藤祥太(チーム右京)+33秒

Jプロツアーリーダー 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 安原大貴(マトリックスパワータグ)

Fクラス 40分+2周
1位 西加南子(LUMINARIA)46分25秒
2位 高山真由子(竹芝サイクルレーシング)+57秒
3位 青木房江(GROWING Racing Team)+1分11秒

Jフェミニンリーダー 高橋奈美(Vitesse-Serotta-Feminin)

E1クラス 55分+2周
1位 面手利輝(EQADS)1時間01分17秒
2位 御器谷信之(Racing CUBE)+01秒
3位 金子大介(なるしまフレンド)+10秒
4位 井上人志(クラブシルベスト)+11秒
5位 畠山和也(エルドラード・エスペランサ)
6位 市川貴大(EQADS)

E2クラス 45分+2周
1位 香西真介(チバポンズかわぐち農園)50分18秒
2位 加藤司馬(スミタ・ラバネロ)
3位 加納篤(ブラウ・ブリッツェン)
4位 西城泰裕(なるしまフレンド)
5位 本田広人(WE LOVE O2)
6位 伊藤彰秀(Team ENERGY)

E3クラス 45分+2周
1位 川田優作(TEAM MILANO)50分15秒
2位 石上優大(EQADS)+04秒
3位 今野大輔(ボンシャンス飯田)+33秒
4位 畔上健(スミタ・ラバネロ)
5位 渋谷秀俊(クラブ二輪倶)
6位 山口恒太郎(HONDA R&D 栃木)

photo&text:高木秀彰

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