ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージは、今大会最長204.5kmの純粋な平坦ステージ。弱い追い風に後押しされてメイン集団の平均時速は47.7kmのハイペースとなった。ゴール間近で小集団によるロングスプリントとなり、ベン・スウィフトを僅差で差しきってダニエーレ・ベンナーティが今期初勝利を遂げた。

ステージ優勝のダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)

-- バリャドリドが、元チームメイトで昨年のジロで事故死したワウテル・ウェイラントが2008年ブエルタで勝利した第18ステージのスタート地点であることについて--

先行するベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)にダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が並ぶ先行するベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)にダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が並ぶ photo:Kei Tsujiこの勝利はワウテルにも捧げる。この地で彼にちなんで勝つことができたのは、とても感慨深い。ぼくたちは仲がとても良かった。レオパード・トレックで、ずっとチームメイトだった。今日のレースでは、彼が強さと勇気を与えてくれた。このステージの終盤、とくに最後の1kmはかなり高速で、極めて長いスプリントになった。とても疲れたけど、みんなも同じのはずだ! 暑さや、ハイペースそして連日の山岳ステージのおかげで、このステージはとても過酷なものになった。今日勝てたことは、自分の実績にもプラスになったと思う。

(他のスプリントステージとの比較やデゲンコルブの活躍について)
今日、デゲンコルブはどこにいた? 5位なの? 今日は彼が見あたらなかった。スプリントは毎回、状況が異なるものだ。最初のスプリントステージはデゲンコルブが制したものだけど、それ以外のスプリントステージでは他のスプリンターたちのミスが勝因になっている。
ぼく自身について述べると、自分のキャリアでは、いつもグランツールの終盤に強い。ツールやブエルタの最終ステージで勝ったこともある。昨年もブエルタでは3週間の最終日の前日に勝っている。今回のブエルタのスタート時にはベストコンディションで挑めなかった。今年はケガや病気がいくつか続いたからだ。マドリードが近づくにつれて優勝できたことで、やっと通常通りの自分になった。

ステージ優勝を飾ったダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が表彰台に上がるステージ優勝を飾ったダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が表彰台に上がる photo:Kei Tsuji(世界選手権のメンバーに選出されていない件についてナショナルチームのパオロ・ベッティーニ監督への意見は?)
とくに言うことはない。ベッティーニはオランダのコースがぼくにとっては難しいと考えているようだけど、そうじゃない。この光景が、この何年も繰り返されている。彼はぼくを彼のチームにまったく入れたくないようだ。昨年は、彼には方針がなく、いくらか物議をかもした。ナショナルチーム入りしなかった選手たちを見ると、ぼくがチーム入りする余地はあったと思う。いつだってグランツール後も好調だ。ぼくの「黒豹」というニックネームは、肌の色に由来する部分もあるけど、効果的な「一撃(ザンパータ※)」をよく繰り出すことにも由来するんだ。

※ザンパータ:カギ爪のある動物の一撃。ジロ・デ・イタリア中にマリオ・チッポリーニがガゼッタ紙でベンナーティを評価するコラムの見出しに用いた比喩。


総合1位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)

並んで走るアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)並んで走るアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) photo:Unipublic昨日より遙かに楽なステージだった。風に注意が必要だったけど、幸運なことに、あまり強くは吹かなかった。ただ、常に前方にいるようにした。
ゴールは少し混乱していて、落車が恐かった。でも、今日は最後までステージを問題なく終えることができた。集団内では、ホアキン(ロドリゲス)やアレハンドロ(バルベルデ)と会話することもあった。
ふたりとも今日は戦術的にしっかり走った。数時間前までは、ずっと昨日の再現が起こるんじゃないかと思っていた。
今年のブエルタはかなり難しい。やっと自分向けになってきた。昨日みたいなステージを見たいと望む人も多いだろう。素晴らしいスポーツ精神を持った選手たちと競い合うのは、最も効果的な練習になる。


逃げに乗った敢闘賞のガティス・スムクリス(ラトビア、カチューシャ)

逃げたガティス・スムクリス(ラトビア、カチューシャ)ら逃げたガティス・スムクリス(ラトビア、カチューシャ)ら photo:Kei Tsujiスタート前には、一日中追い風があるおかげで逃げが成功する確率は30%くらいだと予想していた。最初の100kmは楽に走れて、残り50kmになってスピードを上げた。これは有力スプリンターのいるチームのためでもあったけど、彼らには責められた。
それと同時に、総合成績を狙うチームが、自分たちのリーダーの位置取りを良くする狙いのほうが大きかった。結果として、集団のスピードが上がってしまった(カチューシャはホアキン・ロドリゲスのためにスピードをアップした)。


総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

アルゴス・シマノが徹底的にメイン集団をコントロールするアルゴス・シマノが徹底的にメイン集団をコントロールする photo:Kei Tsuji今日のステージの最後の1kmは全力で走った。この最長のステージで、ぼくのバイクは平均時速50kmを示していた(公式記録では集団の平均時速は47.691km)。総合成績ではプリト(ホアキン・ロドリゲス)に近づいた。しかし、できるだけアルベルト(コンタドール)と戦いたいと思っている。


総合4位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

今日は昨日より調子が良かった。だから少し先行して、残り5kmではベン・スウィフトのスプリントの準備をしつつ、トラブル回避に備えた。
リードアウトについてはイアン・スタナードに譲った。彼は最高のアシスタントの割には、集団内で最も過小評価されていると思う。チームはいい仕事ができた。ベンは優勝まであと一歩だった。


ベン・スウィフトのステージ2位に手応えを感じるチームスカイのニコラ・ポルタル監督

スウィフトとデーヴィスを下したダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)スウィフトとデーヴィスを下したダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) photo:Kei Tsujiクリス・フルームは集団前方で走りたがるので、そこにリードアウトのトレイン用に2名のコロンビア人を送り込んだ。チームの自信を取り戻すのに最適なステージだった。平坦ステージで、この方法を改良していけば、日曜日(第21ステージ)にはベン・スウィフトでステージ優勝を獲得できるだろう。
総合優勝の見込みはなくなってしまったが、土曜日(第20ステージ)のボラ・デル・ムンドは良いステージになるだろう。私たちのレースは終わっていない。全力を尽くす。


ステージ3位のアラン・デーヴィスについて語るニール・スティーブンス監督(オリカ・グリーンエッジ)

アラン・デーヴィスが3位に入った。優勝できれば良かったのだけど、これも素晴らしい結果だ。選手たちの仕事ぶりも良かった。ダメな仕事は、まったく結果を残さないものだ。明日もトライするつもりだ。


デゲンコルブが最後に届かなかった理由を語る土井雪広(アルゴス・シマノ)

土井雪広(アルゴス・シマノ)は常に集団先頭でローテーション土井雪広(アルゴス・シマノ)は常に集団先頭でローテーション photo:Kei Tsuji今日のヘットラインはもちろんジョンのスプリント&がちがちの集団コントロール。
レースの最初は5人を先行させ、4分半差がついたところでコントロール開始。レディオシャック二人と共に話し合いながら差を詰めていった。5人に対し4人でのコントロール。前回のコントロールに比べると遙かに楽だった!笑登り以外は45キロ?速いときで53キロ?56キロ前後のスピードで集団を引き続けた。タイム差は意外とすんなり縮まり、個人的にはスペインの大地を走ってるぞーーーー!!!!的な心境で思い切り楽しんでいた感じです(^_^)

185キロ地点ぐらいでしょうか。サクソや、スカイが前に出てきたところで僕の任務は終了。180キロに及ぶ集団コントロールを終え、他のメンバーに託した。完全にレースを支配して結果は5位だったけど、勝利までの課程はいつも通り良かったみたい。

スタートを待つ土井雪広(アルゴス・シマノ)スタートを待つ土井雪広(アルゴス・シマノ) photo:Kei Tsuji今日4位に入ったモンドリー(AG2r)がいつも僕らのトレインの真ん中に無理無理割り込んできたり、集団内では嫌われている選手の一人なんだけど、彼がラストコーナーで無理矢理ラストのリードアウト役を勤めるクーンとジョンをバリアに追い込んでギャップが開いてしまったみたい。

まぁそれも勝負の世界だから、ただ一言ジョンには明日ライバル蹴散らそうぜ。とは伝えましたが、彼はもう怒り狂っていて手のつけよう無し。笑 エネルギーをびしびし感じましたわ。

(土井雪広のブログより抜粋)


コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより。


text: Seiya.YAMASAKI
photo: kei.Tsuji, CorVos, Unipblic
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