ブエルタ・ア・エスパーニャ2012第5ステージは、グランツールでは珍しい21km×8周の周回コース。ハビエル・チャコン(スペイン、アンダルシア)の単独逃げが容認され、最終周で吸収。最後の集団スプリントはデゲンコルブが制し、ブエルタ2勝目となった。

ステージ優勝・ポイント賞のジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)

ゴールスプリントを制したジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)ゴールスプリントを制したジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) photo:Unipublic(今日の勝ち方については)まったく予想していなかった。スプリントの準備は万全だった。レース前のチームミーティングでは、できるだけ小集団が先行する形が望ましいと話した。ハビエル・チャコン(スペイン、アンダルシア)が単独で逃げたのは、ぼくらのプランには理想的だった。残り6~7kmのところでチームメイトたちが先頭まで引き上げてくれた。それから、クーン・デコルトが発射台であるドイツ人選手のサイモン・ゲスクのところにまで連れて行ってくれた。あんなに速くゴールラインを超えられたかは自分でも本当に不思議だ。そのくらい速かった。

ステージ2勝目を飾ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)ステージ2勝目を飾ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) photo:Unipublic(登り坂のゴールについて)そんなに簡単に勝てるとは思っていない。簡単ではないけど、気楽に挑めるくらいのアドバンテージは持っていると思う。昨年のドーフィネではステージ2勝した。1勝目は登りゴールで、2勝目は平坦だった。そこではエドヴァルド・ボアッソンハーゲンなどの高速スプリンターたちに勝てた。だから、今日は勝てる可能性はあると思った。それだけの自信はあった。

(明日の3級山岳ハカのゴールについて)明日のステージは、この部屋のあそこで待機している選手のものになりそうだよ(と言って、会場で質問に答えるために待機しているホアキン・ロドリゲスを示す)

(マドリードまでポイント賞を維持するつもりかと訊かれて)グランツールで、この緑のジャージを1日でも着ることは大きな夢だった。キープしようとは思うけど、まだレースも序盤だ。昨年のブエルタでは、総合上位勢によるポイント賞争いが最終日までもつれ込んだ(ホアキン・ロドリゲスと争って最終的にバウク・モレマが獲得した)。いま言えるのは、ひとつひとつのポイントをしっかり獲得したいということだ。

総合1位・複合賞のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

マイヨロホを着て走るホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)マイヨロホを着て走るホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Unipublicとても平穏なステージだった。最終周になって、アンダルシアの選手(ハビエル・チャコン)が道を空けてくれた。ぼくたちにとっては、とても都合がよかった。明日のハカのステージでは勝ちに行くつもりだ。チームメイトのアンヘル・ビシオソが(現地を)確認しに行って、ぼく向けの登りだと言っている。ぼくも好調だし、チームも強力だ。明日のゴールは特別な意味がある。爆発力あるライダーたちの直接対決となりそうだ。

山岳賞のサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

昨日の逃げのせいで今日はとても疲れていた。今日の緑色のポイント賞ジャージに続いて、明日は青い水玉の山岳賞ジャージを着ることができてうれしい。緑色のジャージは失うだろうと予想はしていたので、今度はこの山岳賞がどのくらい続くか試してみたい。日々の積み重ねが大切なんだろうけど、それは疲労から回復具合にもよるだろうね。

ステージ2位のダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)

あれこそレースだった。集団スプリントで粘れたことに、本当に満足している。ぼくは今までたくさんの問題を抱えていた。今シーズンはレース中に3度もリタイアしていて、身体も万全ではない。今日はがんばってスプリントしてみた。100%復調したとはいえないけど、コンディションは良好で、今日はしっかり走れた。ゴール付近になると誰もがリスクを取る。現時点のブエルタでは、誰もがフレッシュなのでラウンドバウト(ロータリー)をハイスピードで抜けていく。チームメイトたちは、しっかり仕事をしてくれた。前方に出ようとする選手も多かったので、簡単ではなかった。このステージの終盤が少し険しいプロフィールなら、ぼくには好都合だったと思う。だから、バルセロナがゴールの第9ステージには期待している。

3位のジャンニ・メールスマンについて語るオリヴィエ・カイセン(ベルギー、ロット・ベリソル)

中間スプリントでは、時速70kmで走行していた。今日のような地形は、ジャンニ向きではないのだけど、3位でゴールした。これなら、ゴールが過酷で、小集団が一列になるようなステージでも、大きく期待できそうだ。

ステージ4位のナセル・ブアニ(フランス、FDJ・ビッグマット)

ゴール間際ではチームメイトが見つからなかったので、自力で走った。残り1kmのフラムルージュを越えたときは、前から20番目くらいで、全力を出して先頭に上がることにした。スプリントを始めたときは前から4番目で、その順位でゴールできた。過ぎたことはアレコレいうのはムダだし、ぼくがデゲンコルブに勝てるだけの脚があったかはわからない。でも、今日はステージ優勝できるチャンスだった。それを逃したのが残念だ。

チームメイトの勝利を喜ぶ土井雪広(アルゴス・シマノ)

今日の戦略は、僕ではなく、ジーとアレックスが集団コントロール。ラスト15キロを切ってからは下り基調で位置取りが大変だから、前回同様の並びで走った。僕自身はラスト10キロから前で位置をキープし、下りが始まるラスト6キロ付近まで風よけになること。いやー怖かったですわ。ゴリラたちのぶつかり合い。ラスト6キロ付近でトレインからポディションを下げると、できる限りジョンの後ろで皆がスムーズに位置を上がられるように隊列を組んで走った。最後は見ての通り、綺麗な並びでゴールを迎えましたね。ラスト2キロのアーチの際に並びを後ろから確認した時は、僕自身勝利を確信しました。

テレビの映像で確認した感じでは大して難しいファイナルには見えませんでしたが、実際の集団内はかなり危険な状況でした。もっとリアルな情報を提供したいけど、言葉では表せない。強いて言えるのは、下りがない今日のステージ。最高時速は72キロ。速くてテクニカルで、本当に血の臭いがプンプンするファイナルだった。

アルゴスは少なくてもあと3回は勝てると思う。それをサポートできる事に幸せを感じるわ。最後にコンタドールは今日もバナナを食べまくっていた。

コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより抜粋。

text: Seiya YAMASAKI