プロ、大学生、高校生そしてクラブチームが一堂に会するレース、それが大町美麻ロード。初日のヒルクライム個人TTは福島晋一(レガルスイ)が制した。そして大学生が2位から6位、高校生が8位と大健闘。

一面に広がる蕎麦畑。大町市美麻新行は蕎麦の産地一面に広がる蕎麦畑。大町市美麻新行は蕎麦の産地 photo:Hideaki.TAKAGI1位の福島晋一(レガルスイ)9分30秒1位の福島晋一(レガルスイ)9分30秒 photo:Hideaki.TAKAGI2位の黒瀬耕平(中央大学)9分40秒2位の黒瀬耕平(中央大学)9分40秒 photo:Hideaki.TAKAGI3位の倉林巧和(日本体育大学)9分45秒3位の倉林巧和(日本体育大学)9分45秒 photo:Hideaki.TAKAGIステージ1表彰ステージ1表彰 photo:Hideaki.TAKAGIジュニア1位の横山航太(長野県連合)ジュニア1位の横山航太(長野県連合) photo:Hideaki.TAKAGI
8月11日(土)、長野県大町市美麻で大町美麻サイクルロードレース(主催:大町美麻ロードレース実行委員会)の1日目が行われた。
土日2日間のステージレースで、ステージ1はヒルクライム個人TT、ステージ2はロードレースで、合計タイムで総合成績が決まる。これらはすべてチーム戦で最大6人、全21チームで行われ、もちろん各賞ジャージが設定されている。なお個人参加のクラス2は日曜日のロードレースのみになる。

このレースの特徴は、なんといっても普段は絶対に同じ土俵で戦うことの無い選手たちが一堂に会することだ。プロ選手、実業団選手、学連選手、高体連選手そしてクラブチーム。彼らが同じ基準で同じレースを走るのだ。チームも混成が認められ、半分近くが複数のチーム員から成り立つ。そして大学生が多いのも特徴。約半分が大学生だ。インカレが月末に行われるため、合宿の途中でこのレースに参加する大学も多い。

大町美麻ロードといえば2009年大会で西薗良太(当時東京大学)が2ステージともに2位となり実質メジャーデビューを果たしたレースだ。西薗はその10日後のインカレロードで優勝、その後は現在にいたるまで右肩上がりに実績を出している。
この「無差別級決戦」は各団体を結果として横断的に繋ぐもので、それぞれの団体の選手の力比べが直接できることがメリットだ。2009年大会では学連トップの選手が実業団トップの選手とそん色ない実力を持つことが証明された。そして今回のステージ1もそれに近い結果となった。

クラス1のステージ1はヒルクライム個人TT。距離3.1kmで標高差244mを上る平均勾配約8%のコース。目安のタイムは2009年大会の佐野淳哉(NIPPO)の9分14秒と西薗良太(当時東京大学)の9分27秒だ。
21チーム6名までなので、各チーム1人ずつ21名単位に6クールの出走に。第1クールの3人が中盤まで暫定上位3人に。第4クール出走の黒瀬耕平(中央大学)が9分40秒のトップ他無を出す。その後に福島晋一(レガルスイ)がさらに10秒も上回る9分30秒を出し、結果優勝。

「TTはコンディションを確認できるいいレース。ここである程度確認できたことは収穫だ。大学生など若い選手たちと走れるいいレース」と語る優勝の福島は、山岳、オーバー40のリーダージャージも獲得。翌日の第2ステージへつなぐ。今回はトレンガヌサイクリングチームから混成チームのレガルスイとして出場だ。

2位以下は大学生など若手が占めた。2位には中央大学2年の黒瀬耕平が入った。黒瀬は元々はトラックの中距離選手。10分弱のヒルクライムにも通用する高いポテンシャルを見せた。また、8位の横山航太(長野県連合)はまだ高校2年生。JCF強化指定選手として海外遠征でも好走する横山は非凡な力を見せた。

翌12日(日)は164kmのロードレースだ。福島がリーダージャージを守るか、愛三工業勢が反撃するか、そして大学生らがどう戦うかが見どころだ。


結果
クラス1 ステージ1 3.1km個人TT
1位 福島晋一(レガルスイ)9分30秒
2位 黒瀬耕平(中央大学)9分40秒
3位 倉林巧和(日本体育大学)9分45秒
4位 村上喜昭(慶應義塾大学)9分47秒
5位 郡司昌紀(中央大学)9分54秒
6位 金井誠人(明治大学)9分56秒
7位 綾部勇成(愛三工業レーシング)9分56秒
8位 横山航太(長野県連合)10分10秒
9位 石垣賢(RITCHEY BREZZAイナメラード)10分11秒
10位 福田真平(愛三工業レーシング)10分11秒

photo&text:高木秀彰

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