エネコ・ツアー(UCIワールドツアー)も後半戦に差し掛かり、スプリンターにとって最後のチャンスとなった第5ステージ。ラスト300mからロングスプリントに持ち込んだジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が、写真判定の末に勝利。キャリア最高の勝利を手にした。

オランダ南部に広がる平野を駆けるオランダ南部に広がる平野を駆ける photo:Cor Vos第5ステージはオランダのホーヘルハイデからベルギーのアールテルまで185km南下する。選手たちが通過する地域は、入り江や河川が入り組む低地ばかり。ヘント近郊にゴールするこの第5ステージが、ピュアスプリンターたちにとっては実質的に最後の活躍の場である。

この平坦コースで逃げたのはデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン、アスタナ)、ローレンス・デヴリーゼ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)、セフ・デウィルデ(ベルギー、アクセントジョブス)の3人。しかしタイム差は5分を上限として縮小し、ラスト25km地点で早くも吸収される。

逃げるデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン、アスタナ)、ローレンス・デヴリーゼ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)、セフ・デウィルデ(ベルギー、アクセントジョブス)逃げるデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン、アスタナ)、ローレンス・デヴリーゼ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)、セフ・デウィルデ(ベルギー、アクセントジョブス) photo:Cor Vosゴール22km手前の第3スプリントポイントでは、ボーナスタイムを狙うオリカ・グリーンエッジが動いたが、ヘルト・ステーグマン(ベルギー)をはじめとするオメガファーマ・クイックステップがこれを阻止。トム・ボーネン(ベルギー)が暫定総合リーダーを維持したまま、集団スプリントに持ち込まれた。

道幅が変化し続けるコースとテクニカルコーナーによって集団は縦に伸び、どのチームも決定的なリードアウトトレインを組めないままゴールに向かう。混雑する集団前方からラスト300mで抜け出したのはニッツォーロ。これをユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ベリソル)が追撃した。

ゴール前で落車したテオ・ボス(オランダ、ラボバンク)ゴール前で落車したテオ・ボス(オランダ、ラボバンク) photo:Cor Vos先頭を駆けるニッツォーロと、追い上げるルーランズ。両者ほぼ同時にゴールラインを駆け抜け、勝利を確信したルーランズが片手を挙げる。しかし写真判定の結果、ニッツォーロの勝利が確定した。

「ゴールラインを駆け抜けたとき、ルーランズが勝ったと思った。不愉快な気分でバスに向かっているときに、自分が勝ったことを告げられたんだ。もちろん嬉しかったし、報われた気分になった。今日はかなり早めに仕掛けたので、後続に追いつかれないかヒヤヒヤしながらスプリントしたよ」。23歳のニッツォーロはウィニングスプリントを振り返る。

スプリントで競り合うユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ベリソル)とジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)スプリントで競り合うユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ベリソル)とジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) photo:Cor Vosニッツォーロは昨年レオパード・トレックでプロデビュー。ベンナーティに続くイタリアンスプリンターとして期待を集め、今年ツール・ド・ワロニーでステージ優勝&総合優勝している。「今はスプリンターだけど、いずれはもっと違うタイプのレースもこなせるように成長したい。ミラノ出身なので、ミラノ〜サンレモで勝つことを夢見ている。目標はロンド・ファン・フラーンデレンやパリ〜ルーベなどのクラシックレースで勝つこと。その意味でボーネンは理想像なんだ」。

ボーネンはステージ5位でボーナスタイム獲得ならず。1秒差でイェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)、2秒差でシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)が続く展開に変化は無し。30秒以内に41名がひしめく混戦状態。総合争いは翌日の17.4km個人タイムトライアルと、最終日の「ミュール」で決する。

ポイント賞トップに立ったジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)ポイント賞トップに立ったジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) photo:Cor Vosリーダージャージを守ったトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)リーダージャージを守ったトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Cor Vos

レース内容や選手コメントはレース公式サイトより。

エネコ・ツアー2012第5ステージ結果
1位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)     4h10'20"
2位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ベリソル)
3位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
4位 アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット)
5位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
7位 アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム)
8位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
9位 アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
32位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)

個人総合成績
1位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)       19h36'26"
2位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)           +01"
3位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)     +02"
4位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)             +03"
6位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)                     +04"
7位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)         +05"
9位 イェンス・モーリス(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
10位 セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)      +06"
115位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)                  +4'40"

ポイント賞
ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)

チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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