2010年のブエルタ・ア・エスパーニャ覇者で、7月のツール・ド・フランスで総合3位に入ったばかりのヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)が、長年キャリアをともにしたリクイガス・キャノンデールを離れ、アスタナに移籍することを発表した。

ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) photo:Cor Vos2005年にファッサボルトロでプロデビューし、翌2006年からリクイガスに所属してきたニーバリ。2013年に向けてリクイガスと契約を更新しないことはすでに発表されていたが、今回、移籍先のアスタナが正式にリリースを出し、ニーバリとの契約を発表した。

アスタナとの契約は2013年から2年間。今回ニーバリはチームメイトのアレッサンドロ・ヴァノッティ(イタリア)とともにチームを移る。

ニーバリは2010年ジロ・デ・イタリアで総合3位に入り、同年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝。2011年ジロ総合2位。今年は春先のティレーノ〜アドリアティコで総合優勝を果たし、ミラノ〜サンレモ3位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2位、そしてツール総合3位という成績を残した。現役イタリア人選手の中で最も優れたグランツールレーサーであると言える。

ロンドンオリンピックのロードレースで金メダルを獲得し、今シーズン限りでの引退を決めているアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)は、ニーバリの加入について「ヴィンチェンツォとアレッサンドロの加入は、我々の戦力強化に繋がる。これまで2人の獲得のために奔走した成果として、今こうして世界にアナウンス出来ることを嬉しく思う。アスタナチームにとってエキサイティングな瞬間だ」とコメントしている。

ヴィノクロフの引退後、ニーバリはグランツールでエースを担うことになるだろう。2011年にリクイガスからアスタナに移籍したロマン・クロイツィゲル(チェコ)は、現在サクソバンク・ティンコフバンクを含む複数チームと契約交渉中だ。

text:Kei Tsuji