2009、2010年に続く3度めのツール・ド・フランス完走を果たした新城幸也(ユーロップカー)。2時間29分13秒遅れの総合84位。シャンゼリゼにフィニッシュしてすぐ、チームバスの前で感想を聞いた。共同インタビューより。

ステージ32位で最終日を終えた新城幸也(ユーロップカー)ステージ32位で最終日を終えた新城幸也(ユーロップカー) photo:Makoto Ayano——お疲れさまでした。3回目の参加にして、感想はどうですか?

成績だけ見ても、例年よりは……84位でしたっけ? 総合はよかったんじゃないかと思います。2時間半遅れ? たぶん(例年は)もっと遅れてたんじゃないかと。そういうイメージがあったので、例年と比べて走れていたというか、余裕をもって終われたツールかな、と思います。
※これまでの日本人の完走記録について記事下部に注釈があります

——パリにゴールする感慨のようなものはありますか?

エッフェル塔の横を通ってきて、(セーヌ河の)河岸で「ああ今日で終わるな」って感じはありますね。でこぼこの石畳をだいぶ味わいました。ちゃっかり1周目は一番後ろで回ってみると、あまりにも集団が速すぎて一周の間前に上がれなかったです。…あはは(笑)。今年はすごく速かったですね。

——ツールがスタートした時の目標は達成できましたか?

目標はまあ……達成ではないですけど、本当にいいツールでした。その一言ですね。僕が勝つにはまだ早いかなってことで、来年・再来年にチャレンジしていきたいなと思います。

——このツール・ド・フランスでのこだわりを教えてください。

日の丸を身にまとい凱旋門に到着した新城幸也(ユーロップカー)日の丸を身にまとい凱旋門に到着した新城幸也(ユーロップカー) (c)Makoto.AYANO見てのとおり、パリにたどり着く喜びと、あとは世界一のレースで自分がどれだけできるかという挑戦もあります。これ以上のレースはないですから、その中でどれだけ走れるか、スポーツ選手だったらみんなそうかも知れないですけど、その可能性に賭けるというか……優勝するために走ってるようなものですから。それができるのがツール・ド・フランスだと思います。

あと、こうやって活躍すれば、みんな国が違えども応援してくれます。フランスのレースで優勝しても、フランス人は知ってるけど、他の国の方は知らないです。でも、ツール・ド・フランスで優勝すれば、フランス人だけじゃなく、いろんな国の人が僕の名前を知ってくれる。それが応援される側にとってはモチベーションになったりします。すべてにおいてツール・ド・フランスという名は大きいし、選手に対する影響もすごい大きくいです。なので、やめられないのがツール・ド・フランス……長くなりましたけど(笑)。

——来年のツール・ド・フランスに期待するものは?

新城幸也の日の丸を一緒に持つ赤い水玉のトマ・ヴォクレール(ユーロップカー)新城幸也の日の丸を一緒に持つ赤い水玉のトマ・ヴォクレール(ユーロップカー) (c)Makoto.AYANOもう少しいろんなことがしたいですね。今年は少しは登りで仕事ができましたけど、登りの中で、逃げが決まるようなところで逃げたいと来年は思います。でも、そうなると平坦で逃げたり動いたりするのが逆に大変になるんですが。

自分の今できない、そういったことにチャレンジすることか、今できていることを伸ばすこともいいかも知れません。それはまた来年のコースを見ながら、自分の走りを見ながら、シーズンはじめから見極めていきたいです。でも、今は自分の力を伸ばすのがいちばん大切かな、と思います。

チームのエースと一緒に逃げに乗って、乗ることができたら彼をアシストをする。平坦〜アップダウンのステージは自分でも逃げを狙っていく。平坦の風が強い日はチームのエースを守る。こういったことさえできれば、チームとしては必要な人間として見てもらえるので、それを伸ばしていければいいかなと思います。

——6日後のロンドンオリンピックについてはどうでしょう?

晴れることを願います。ロンドンは雨が多いらしいので(笑)。
月、火、水の3日間を休んで、木曜日にちょっと数時間走って、金曜日にまたゆっくり(身体を)起こして、本番に挑みます。

——今日はこれから、思う存分……

はい。そうですね、もう1杯目を飲んじゃった……ははは(笑)

——このツール中に、チームの監督や選手から言われた言葉で、一番嬉しい言葉を覚えてたら教えてください。

(ここでベルノドー監督がインタビュー現場に割り込んでマイクに向かってフランス語で「日本人で最初にツールでステージ優勝を挙げるのはユキヤだ」とメッセージを残す。)

「日本人で最初に勝つのは新城だ」って(笑)。まあ、それは嬉しい言葉ですよね。観客からもみんな応援に来る人たちによく言われます。今年のツールで一番言われたことかも知れないですね。それと「よく働いた」と。

トマ(ヴォクレール)が2回目に勝った時に言われた「プロフェッショナルらしい」という言葉も。まあそういうのを含めて「最初に日本人で勝つのはお前だ」と言われるのは嬉しいですね。
……いいときに(監督が)入ってきましたよね(笑)。本当ですよ、日本語わかってるよね(笑)。


※新城は2009年ツールはトップから3時間16分44秒遅れの総合129位。2010年ツールは3時間13分20秒遅れの112位だった。
なお別府史之(当時スキル・シマノ)は2009年ツールを2時間55分21秒遅れの総合112で終えている。つまり個人総合成績の過去最高順位は2010年の新城と2009年の別府の、ともに112位。総合タイム差を考慮すれば2009年の別府の記録が過去最高だった。


edit:Makoto.AYANO,Seiya.Yamasaki
photo:Makoto.AYANO
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