ツール第1週を終え、迎えた休息日。マコンのホテルに新城幸也を訪ねた。ユーロップカーの記者会見と、囲み取材でこれまでの走りとこれからを訊いた。

新城幸也(ユーロップカー)新城幸也(ユーロップカー) (c)Makoto.AYANO

今までの第1週を振り返っていかがですか? 

今までに出たツールの中でも一番余裕があるな、というのが第一の感想です。メンタル的にもそうですし、身体的にも追い込んだというところまできていないので、これからTTとシャンゼリゼを除けば、「チャンスがあるのは(11ステージ中)あと9ステージしかない」という感じなので、その9のうちにステージ優勝を狙えるように走りたいです。

チームのなかでの走り方は?

リエージュのスタートで描いたチームのプランはトマ(・ヴォクレール)とピエール(・ロラン)の総合を狙えるようにアシストするということだったんですが、残念ながら総合狙いはなくなりました。でもそれは逆に山でも総合ではなくステージ優勝を狙って走ることができるので、アシスト選手としては気持ちが楽になったというのが正直なところです。

自分のステージ優勝を狙っていける?

トマ・ヴォクレール、ピエール・ロランとともに共同記者会見に臨んだトマ・ヴォクレール、ピエール・ロランとともに共同記者会見に臨んだ (c)Makoto.AYANO今まではスプリントは最後までやらないと心がけていたんです。ピエールから「今日はもうアシストはいいから、スプリントしていいよ」と言われたら自分で動けたんです。実際それが1日しかなかった。それ以外の日は上りだろうが平坦だろうが彼のそばにいるというのが仕事だったんです。その仕事がなくなるぶん、少なからず自分で狙えるチャンスが増えると思います。
総合が狙えなくなったのは残念ですけど、僕も疲れていないのでチームの次の目標であるステージ優勝目指して頑張りたいと思います。

これまでチームで総合を狙うのというのは初めてだったと思うんですが、初めてその動きをした感想はどうですか?

朝のミーティングでも今日は誰と誰が逃げに乗る、と決められるので、動きがシンプルでしたね。ツール・ド・フランスはやはりチームで動いて狙うレースという意味が強いです。メンバーの9人に選ばれたからにはチームの一員としての動きをしなければいけないですし。それはどのレースでもそうではあるんですが、今回のツールは僕の総合を狙うツールではないので、喜んでアシストができます。
他のワンデイレースと違って、ツールは状況の変化によって誰もがエースを狙えるというレースではないので、割りきって走れましたね。

ピエール・ロランのアシストとして指名されているのはなぜですか?

トマはひとりで全部できるんです。好きな場所に動いたり。でもピエールは位置取り争いなどが苦手で、ひとりでそれが出来ないタイプなので、2、3人でピエールの周りにいて、一緒に動くんです。トマはヨアン・ジューヌをひとりつけておけば動けるんです。

チームではリクイガスやスカイなどと対抗することになると思うのですが、彼らと争うというのはどうですか?

リスペクトするのは最初だけですね。僕らには僕らの仕事があるし、彼らもそうです。レースが始まると譲るとかはないですね(笑)。まあ集団内でいろいろいざこざ、争いはありますが、ツールではそれは仕方ないですね。

休息日のマッサージはいつもより長めの時間で念入りに休息日のマッサージはいつもより長めの時間で念入りに (c)Makoto.AYANO

この先狙うステージはもう決めていますか?

この後2日のステージ以降のコースはまだみていないんです(笑)。明日のステージは逃げのチャンスが大きくあると言えますが、最後は捕まる可能性もある。グラン・コロンビエ峠で逃げられれば逃げ切る可能性は出てくる。でも総合を狙う選手にとってもそこでアタックすれば後ろが追いつくことはできないので、勝負をかけてくる可能性がある。ニーバリやエヴァンスは上りで全開で行って、得意の下りで攻めて、また最後の3級山岳も全開で行くかもしれませんね。挽回できるステージです。50km平坦があるので、僕はたぶん逃げに乗る係になるでしょう。チャレンジしたいですね。
翌第11ステージは、キツくて「血の味」がするステージでしょう(笑)。

上りまではピエールのアシストをしなければいけないですが、逃げに乗っていい日の回数は増えると思います。第1週は一日2人が逃げに指名されていましたが、第2週は行ける選手が増えると思います。まあ、体調的に位置取りアシストに回りたいという日も出てくるとは思いますが(笑)。

上りでもアシストを任されることがある?

笑顔でインタビューに応える新城幸也(ユーロップカー)笑顔でインタビューに応える新城幸也(ユーロップカー) (c)Makoto.AYANOいえ、山で一緒に走ってアシストすることは僕の役目ではないですね。それはゴティエとマラカルネの仕事で、僕はその前までと、山を前で越えれた場合はボトルを運んだりします。僕とジューヌは前の方で働く選手です。でも今年は山も登れているので最後の局面でも仕事をしたいですね。そうすれば僕の新しい面が見えてくるかもしれません。レースでないと破れない殻がありますから、そういう部分には挑戦してみたい。
ツール・ド・フランスでチャレンジするというのは意味があると思います。調子がいい日には山も登りたい。

ヴォクレールはまだステージ優勝を狙っている?

ここまでの第1週はキツかったと思いますよ。やはりツール前に1週間自転車に乗らないというのは賭けだったと思うんです。2週目、3週目には狙って走るんじゃないかと思います。フランス人の脚の貯め方は半端ないですから、ホントに(笑)。

チーム同士の派閥や連帯はできたりしていますか? スカイにどう対抗しようとか、チームが組むといったことが?

チームバスには敢闘賞の盾とユキヤのポストカードが飾られるチームバスには敢闘賞の盾とユキヤのポストカードが飾られる (c)Makoto.AYANOそれはないですね。僕らチームは僕らの仕事があるし。それにしてもおとといのスカイは強かったですね…。
ピエールには「激しいレースになるから前にいろ」と言っていたのに、僕が中切れで後方に取り残されてしまった。彼は山が楽で僕は平坦が楽。山で先に行かれてアシストできなかった。

敢闘賞をとったあとは何か変わった?

翌日は集団のなかで何人かの選手におめでとうと言ってもらえましたね。

総合優勝は誰がすると思いますか?

メンショフ!(笑)。やっぱりツールは期待を外して勝ってくれる人がいないと面白く無いですからね! 誰かが面白くしてくれないと。

今後の自分の可能性について、このツールが広げるものはある?

今年じゃないですが、いつの日か、最初のステージで逃げてジャージを着た日があったとしたら、山も頑張って登らなきゃいけないですし、ツールだけじゃなくて、他のレースでもそういうチャンスは巡ってくるでしょうし、そういうときにも走れるようにしておきたいですね。今楽しんで走っているぶん、楽しく強くなるというのが僕のモットーなので、調子がいい時は自分の殻を破れるような走りにトライしたいですね。

第9ステージの個人TTのビデオを見ながらマッサージを受ける第9ステージの個人TTのビデオを見ながらマッサージを受ける (c)Makoto.AYANO体重や身体の状態は?

体重は63.5kgのまま変わっていません。普通ならツールを出るときの体重です。その体重のままリエージュから走っていて、変わっていない。昨日の写真を見ると筋肉がついた気がしてならないですね、少し太った感じ。でも身体は軽いです。

今日の休息日の過ごし方を教えて下さい。

9時半に起きてゴハン食べて、11時すぎに練習に出て、1時間半チームで走って、そのあと一人でゆっくり30分走って。シャワー浴びてゴハン、これからマッサージして、そのあと待望の昼寝です。

休みの日だからできたことは? 何かをして遊んだとか

ヒゲも剃ってないですね…。あ、脚はゆっくり剃りました。そしたらゴハン片付けるぞって言われて急いでしまいましたが…(笑)。
楽しみでやることも、とくにないですね。リズムがあるので、そのリズムを崩さないことが大事です。ダラっとしちゃうとそのあとそのリズムに戻すのが大変になるので。リズムを崩さないように。ツールだと集中しているので、あまり何かして遊ぶということはないですね。
食事も量は減りますがいつもどおりです。チームの食事の時にワインは飲んでいますよ。

ユーロップカーに帯同する移動式トラックレストラン この中で専属コックが料理を作るユーロップカーに帯同する移動式トラックレストラン この中で専属コックが料理を作る (c)Makoto.AYANOチームにカミオン・キュイジーヌ(レストラントラック)があるのはいいですね。僕らのチームはツールのずいぶん前からすでに献立メニューが決まっていて、それを食べるんです。お代わりはできないぐらいきっちり管理された献立です。
それにしても150ユーロのワインがテーブルに出てくるのを待っているんです。フランスでその値段は超高級。それはいつ出てくるんだろう?って楽しみで(笑)。

ツールが終わって6日後にオリンピックがありますが?

今まだツールのことだけなので、オリンピックについて考えることはないです。プレ大会を走った感じでは何かできそうな感じはあります。大集団のスプリントではなくて、最後はいても50人ぐらいの集団になると思うので、やりやすいですね。別府さんと二人でもがけるのはいいでしょうね。

ツールに出てからすぐに五輪を走るというのは?

僕はいつも狙っているレースの前に他のレースが入っている方がいいタイプなんです。レースを走っている感覚そのままで入れるので、練習で調整して臨むよりいいと思います。


photo&text:Makoto.AYANO
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