2012年のツール・ド・フランスがベルギー・リエージュで開幕した。初日となるプロローグにはリエージュ市内に設けられた6.4kmのコースが用意され、ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)が圧勝。同時にマイヨジョーヌへ袖を通した。

リエージュの目抜き通りを駆け抜けるリエージュの目抜き通りを駆け抜ける photo:Kei Tsuji「世界最大のレース」ツール・ド・フランスがいよいよ今年も開幕した。栄えあるグランデパールの地に選ばれたのは、モニュメントの一つ、リエージュ~バストーニュ~リエージュのスタート/ゴール地点でもあるベルギー・リエージュ。このワロン地域最大の都市は2004年以来2度目のツールのスタートを迎えることとなった。

リエージュ市内に敷設されたプロローグのコース全長は6.4km。起伏と呼べるものは無いものの2つのロータリーや直角コーナー、石畳が敷かれた区間もあり、純粋な独走力に加えてコントロール力も必要とされる短距離タイムトライアルだ。

リエージュは終始太陽が当たる恵まれた天候。コースサイドには多くの観衆が詰めかけ、グランデパールに相応しい歓声の中、全ての選手たちは1分おきにスタート台を駆け下りていく。

スタート台を駆け下りる新城幸也(ユーロップカー)スタート台を駆け下りる新城幸也(ユーロップカー) (c)Makoto.Ayano11秒差・ステージ6位 ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)11秒差・ステージ6位 ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsuji


序盤にスタートした選手の中で、まず指標となる好タイムを記録したのはウクライナのナショナルチャンピオンジャージを着るアンドレー・グリブコ(アスタナ)。平均時速51.4km、7分28秒を記録し、ホットシートにつく。これをブレッド・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が3秒48上回ったものの、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)が0秒67短縮して辛くも暫定首位に立つ。

日本人として唯一ツール出場を果たした新城幸也(ユーロップカー)は7分51秒でゴールし、最終的に134位に。翌日からのユキヤの活躍に大いに期待したいところだ。

トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)はバイクを交換しながらも23秒差のステージ45位にトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)はバイクを交換しながらも23秒差のステージ45位に photo:Kei Tsuji26秒差・ステージ66位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)26秒差・ステージ66位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) photo:Kei Tsuji18秒差・ステージ14位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)18秒差・ステージ14位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) photo:Kei Tsuji


先日行われたTTナショナル選手権を制し、フランスの期待を背負うシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)は中間計測でトップタイムを記録。そのままのペースをゴールまで維持すると、ボアッソンハーゲンのタイムを3秒39縮めるタイムで暫定首位を更新した。

ステージ優勝候補筆頭に挙げられていたペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)はコーナーでバランスを崩し失速。アルカンシエルを着るトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)は見た目にも速さを見せていたもののパンクのアクシデントを喫し、23秒遅れのステージ45位に沈む不運に見舞われた。

観客を沸かせたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)は13秒差のステージ9位観客を沸かせたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)は13秒差のステージ9位 photo:Kei Tsuji13秒差・ステージ8位 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)13秒差・ステージ8位 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ) photo:Kei Tsuji10秒差・ステージ4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)10秒差・ステージ4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) photo:Kei Tsuji


大歓声を背に受ける地元のスター、フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)も好走を見せ、最終的に9位に入る。

次第に総合成績を狙うオールラウンダー達も次々とゴールへと飛び込んでいく。

新人賞候補、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)は7分23秒のタイムで暫定2位に滑りこみ、結果4位にとなり新人賞ジャージを獲得。デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)は13秒遅れの8位、ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)は18秒遅れの14位。フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)は38秒遅れの136位に沈んだ。

7秒差のステージ3位に入ったシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)7秒差のステージ3位に入ったシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Kei Tsujiトップタイムで優勝したファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)トップタイムで優勝したファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) photo:Kei Tsuji7秒差のステージ2位に入ったブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)7秒差のステージ2位に入ったブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji


続いて今シーズン完璧な仕上りをもってツール制覇を目指すブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)がスタート。中間計測では6秒遅れの10位だったが、後半にペースアップを成功させシャヴァネルを0秒42上回るトップタイムを記録。僅差で首位に踊り出ることに成功する。

最後まで追い込むファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)最後まで追い込むファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) (c)Makoto.Ayanoしかしこのウィギンズを上回ったのは、最終走者・カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)の前でスタートしたファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)だった。

中間計測でトップタイムを記録すると、ゴールではその差を7秒05上回る、7分13秒46(平均速度53.2km)という圧倒的なタイムを叩き出す。

プロローグを制し、マイヨジョーヌを獲得したファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)プロローグを制し、マイヨジョーヌを獲得したファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) (c)Makoto.Ayanoエヴァンスは17秒遅れのステージ13位に入ったため、最終的なトップタイムはカンチェラーラに。ステージ優勝を飾ると共にマイヨジョーヌを手に入れることに成功した。

春先の鎖骨骨折から復活したカンチェラーラは、これがベルナール・イノーと並ぶ5度目のツール初日の勝利。

「とても重要で、特別な勝利だよ。タイムトライアルは僕の仕事で非常にモチベーションも高かったんだ。今まで色々な勝利をしてきたけれど、忘れられない勝利だね。ケガをした時にずっと付き添ってくれた妻と子ども、そしてこれから生まれてくる子どもに捧げる勝利だ」とレース後のインタビューで答えた。

翌第1ステージは、アルデンヌクラシックさながらの無数の起伏が続く198kmのコース。地元のスター、ジルベールは確実にステージ優勝を狙ってくるだろう。


ツール・ド・フランス2012第1ステージ結果
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)7'13"
2位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)+07”
3位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)+07″
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)+10″
5位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)+11″
6位 ブレッド・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)+11″
7位 パトリック・グレッチュ(ドイツ、アルゴス・シマノ)+12″
8位 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)+13″
9位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)+13″
10位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)+15″
13位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)+17″
14位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+18″
15位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)+18″
66位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)+26″
80位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)+28″
90位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+29″
100位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)+31″
109位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)+33″
116位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)+35″
134位 新城幸也(ユーロップカー)+38″
136位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)+38″

個人総合成績 マイヨ・ジョーヌ
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)7'13"
2位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)+07”
3位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)+07″
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)+10″
5位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)+11″
6位 ブレッド・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)+11″
7位 パトリック・グレッチュ(ドイツ、アルゴス・シマノ)+12″
8位 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)+13″
9位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)+13″
10位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)+15″
13位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)+17″
14位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+18″
15位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)+18″
66位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)+26″
80位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)+28″
90位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+29″
100位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)+31″
109位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)+33″
116位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)+35″
134位 新城幸也(ユーロップカー)+38″
136位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)+38″

ポイント賞 マイヨ・ヴェール
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)

新人賞 マイヨ・ブラン
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)



text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji,Makoto.Ayano
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