プロローグは個人TT。0.7kmで2位に1.43秒の大差を付けたのはアンソニー・ジャコッポ(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)。5月31日、今年のツール・ド・熊野の開幕だ。

1位 アンソニー・ジャコッポ(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)1位 アンソニー・ジャコッポ(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ) photo:Hideaki.TAKAGI
和歌山・三重の両県にまたがって行われるツール・ド・熊野。UCI2.2クラスのステージレースで5月31日から4日間で行われる。
2015年紀の国わかやま国体のマスコット「きいちゃん」も応援2015年紀の国わかやま国体のマスコット「きいちゃん」も応援 photo:Hideaki.TAKAGI2位 チェン・キンロー(香港チーム)2位 チェン・キンロー(香港チーム) photo:Hideaki.TAKAGI3位 マクシム・アヴェリン(アモーレ・エ・ヴィータ)3位 マクシム・アヴェリン(アモーレ・エ・ヴィータ) photo:Hideaki.TAKAGIリーダージャージに袖を通すアンソニー・ジャコッポ(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)リーダージャージに袖を通すアンソニー・ジャコッポ(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ) photo:Hideaki.TAKAGI
この熊野地方は、昨年9月の台風による集中豪雨で大きな被害を受けた地域。土石流や熊野川などの氾濫で多くの人命が失われた。新宮市内だけでも熊野川沿いの国道168号などに今だ爪あとが残る。選手たちの宿舎への移動などでも被害を目の当たりにすることができる。それでも大会は例年通り開催されることに、選手たちは走りで応えようと気持ちを新たにする。

初日の5月31日はプロローグ。0.7kmの個人TTだ。新宮市の熊野川河口部に近い市田川沿いのコースで行われた。川の両側を、橋を使って往復するもので、この橋のターン部分(およそ直角が2箇所)の走り方で大きくタイムが変わる。もちろん1/100秒まで計測されるので、最終ステージまでこの秒差が勝敗を分ける可能性も十分にある。

レースの行方は途中で降り出した小雨の影響も左右した。
全18チーム94名が30秒間隔でスタート。7番目くらいから小雨がぱらつく。傘がいるほどではないが、ターン部分は滑りやすいのでウェットならば慎重にならざるを得ない。やがて中盤頃に雨はやみ、路面もいくぶん乾いてくる。

5番目スタートの廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)が53秒25の好タイムをマーク。その後は53秒台がひとつの目安に。終盤スタートのチェン・キンロー(香港チーム)が52秒80で暫定トップ。さらにジャコッポが1秒以上上回る51秒37をマークし優勝。2位との差は1.43秒で、時速にして実に1.4kmほどの大差をつけた。

優勝したジャコッポはスプリンター。今年3月のツール・ド・台湾でステージ2勝している。4日前までのツアー・オブ・ジャパンでは途中で扁桃炎のためリタイアしていた。この日は体調を整え、本来のパフォーマンスを発揮した。第1・3ステージでは、NIPPOリケーゼ兄弟や愛三西谷泰治らの強力なライバルとなるだろう。


結果
プロローグ 0.7km個人TT
1位 アンソニー・ジャコッポ(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)51秒37
2位 チェン・キンロー(香港チーム)+1秒43
3位 マクシム・アヴェリン(アモーレ・エ・ヴィータ)+1秒69
4位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)+1秒77
5位 品川真寛(愛三工業レーシングチーム)+1秒83
6位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)+1秒85
7位 廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)+1秒88
8位 ショー・パトリック(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)+2秒27
9位 キャンベル・フレークモア(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)+2秒48
10位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)+2秒56

個人総合ポイント プロローグ終了時点
1位 アンソニー・ジャコッポ(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)10点
2位 チェン・キンロー(香港チーム)9点
3位 マクシム・アヴェリン(アモーレ・エ・ヴィータ)8点

チーム総合 プロローグ終了時点
1位 ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ 2分37秒
2位 愛三工業レーシングチーム +02秒
3位 宇都宮ブリッツェン +03秒

photo&text:Hideaki.TAKAGI
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