マウントバルディ山岳決戦を終えた最終ステージはロスでのスプリントで締めくくられる。ここまで4勝を挙げていたサガンがスプリントで無敵の5勝目。そしてヘーシンクが総合優勝を飾った。

5勝をアピールするペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)5勝をアピールするペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) (c)www.amgentourofcalifornia.com

ビバリーヒルズをスタートする集団ビバリーヒルズをスタートする集団 (c)www.amgentourofcalifornia.comビバリーヒルズ〜ロサンゼルス 72.0kmで行われたツアー・カリ最終第8ステージ。高級住宅地として世界にその名を轟かせるビバリーヒルズをスタートし、大都市ロサンゼルスへと至る完全フラットなスプリンターのためのステージだ。この日のために険しい山岳を越えてきたスプリンターたちのバトルによって大会は締めくくられる。

リーダージャージを着て走るロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)リーダージャージを着て走るロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) (c)www.amgentourofcalifornia.comしかしここまでに多くのスプリンターが去り、あるいは山岳に体力を奪われている。名の知れたスプリンターはここまで4勝のペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)、オメガファーマ・クイックステップのトム・ボーネン(ベルギー)とゲラルド・チオレック(ドイツ)、2位の続いたハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)、そして今日が最後のレースとなるロビー・マキュアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)。

ロサンゼルスに入ってきた集団ロサンゼルスに入ってきた集団 (c)www.amgentourofcalifornia.comこの日を最後に17年の輝かしいキャリアの幕を閉じるマキュアン。しかしプロレースの世界では偉大な選手の最期に勝利を譲るようなしきたりは存在しない。間もなく40歳になるマキュアンは、レース前に「後で時間はたっぷりあるから、今はただレースを持てるすべての力で走るのみ。フィニッシュラインを越えたら感情的になるだろうね」と語った。

レースはスタートしてほどなくしてアタックが掛かりはじめる。最終ステージはパレードではないのだ。10kmで7人の逃げ集団が形成される。
逃げた7人はネイサン・ハース(ガーミン・バラクーダ)、ロリー・サザーランド(ユナイテッドヘルスケア)、トーマス・ダムソー(アルゴス・シマノ)、スコット・ツィザンスキー(オプタム)、モーガン・シュミット(エクセルジー)、ジャスパー・ステューイヴェン(ボントレガー・リブストロング)。

ペーター・サガン(スロバキア、ペーター・サガン)が僅差でトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)を下すペーター・サガン(スロバキア、ペーター・サガン)が僅差でトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)を下す (c)www.amgentourofcalifornia.com7人はうまく協調して逃げ続けるが、やはりそこは平坦ステージの定石通り組織だってコントロールされた集団からは逃れられなかった。
逃げ集団から飛び出したジャパンカップ2011覇者のネイサン・ハース(ガーミン・バラクーダ)が独走で粘ったが、ラスト5kmで集団はハースを捉える。するとゴールスプリントへ向けて位置取り闘いが始まった。

祝福のキスを受けるペーター・サガン(スロバキア、ペーター・サガン)祝福のキスを受けるペーター・サガン(スロバキア、ペーター・サガン) (c)www.amgentourofcalifornia.com意欲を見せるのはオメガファーマ・クイックステップ。もちろんトム・ボーネンの勝利を狙っての動きだ。オメガファーマはゲラルド・チオレックとボーネンのホットな2枚看板を残している。リクイガス・キャノンデールはオメガの後方に位置している。
ラストコーナーを抜けてもオメガファーマトレインが強力に機能し、ボーネンを完璧なポジションへと送り届ける。そしてトップスピードに乗せてスプリントを開始するボーネン。しかし、その後ろから緑のポイントジャージを着たサガンが伸びてくる。
ゴールラインでボーネンとサガンが自転車を投げ合うが、サガンが僅差を持ってラインを先に超えた。

個人総合優勝ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)、2位 デーヴィッド・ザブリスキー&3位トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)個人総合優勝ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)、2位 デーヴィッド・ザブリスキー&3位トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) (c)www.amgentourofcalifornia.com脅威のステージ5勝はもちろんツアー・カリ史上初の快挙。スロバキア出身の若者が、大会中すべての平坦ステージを制してしまった。

「このツアー・オブ・カリフォルニアには大満足。スポンサーのキャノンデールにとっても重要なレースで、良かったと思う」。
そして記者からはサガンの次の大きなターゲットであるツール・ド・フランスについて質問が飛ぶ。サガンは応える
ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)のシャンパンファイトロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)のシャンパンファイト (c)www.amgentourofcalifornia.com「ツール・ド・フランスではいつくかステージ優勝を挙げたいと思う。しかしカヴェンディッシュがとても強いと思う。平坦ステージでカヴェンデュッシュを打ち負かすことは難しいと思う。たぶんスプリントの前に登りがあるステージで僕にチャンスがあるだろう。ツールを楽しみにしていてほしい。僕はオリンピックも世界選手権にも出るんだ」。

ヘーシンクが初の総合優勝 苦難の1年を振り返る

ラボバンクのチームメイトに守られ、無難に最終ステージを終えたロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)がツアー・オブ・カリフォルニア第7代目の総合チャンピオンとなった。ヘーシンクは過去ツアー・カリ2007、2008、2009年大会で新人賞に輝いている。

しかしヘーシンクの過去1年以上は苦難に満ちたものだった。一昨年の10月に父をマウンテンバイクの事故で亡くし、昨年のツール・ド・フランスは落車の負傷でリタイア。そして回復して間もなく、9月の世界選手権前のトレーニング中に落車し、右大腿骨を骨折する大怪我を負ってシーズンを棒に振った。今回の勝利はそれ以来の怪我からの完全復活を証明する勝利。ヘーシンクは苦悩に満ちた日々を振り返る。

2010年の10月、僕はそれまでの人生でもっとも調子が良かった。ビッグレースに3勝。そしてジロ・ディ・エミリアに勝利した翌日に父が自転車でひどい落車をした。父は2週間後に病院で死んだ。ひどく悲しい日々だったけど、僕は自転車に乗り続けた。昨年はいい調子でスタートを切ったが、再びすぐに悪い日が訪れた。ツール・ド・フランスで落車して、9月にはトレーニング中の落車で脚を折ってしまったんだ。

そんな苦しい思いをした後だけに、この勝利は格別な思いがある。

この勝利はチームが待ち望んだもの。僕らにとってとても重要なレースだった。以前は新人賞ジャージをとった。今回は総合優勝ジャージだ。カリフォルニアは僕にとっていいところだ。
高いレベルに戻って、もっとも厳しいステージに勝って総合優勝を手に入れたのはとても感慨深いね。またカリフォルニアに戻ってきたい。そしてまた勝ちたいね。

ステージに上がった各賞受賞者。このレースを最後に引退するロビー・マキュアンの姿もステージに上がった各賞受賞者。このレースを最後に引退するロビー・マキュアンの姿も (c)www.amgentourofcalifornia.com

ロビー・マキュアンは16位。土井雪広は総合67位で完走

ロビー・マキュアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)は最後のゴールスプリントを16位でフィニッシュ。17年のキャリアを終えた。

土井雪広(アルゴス・シマノ)は集団内ゴールし、総合トップのヘーシンクから53分51秒遅れの総合67位で初めてのツアー・オブ・カリフォルニアをフィニッシュした。

ツアー・オブ・カリフォルニア2012第8ステージ 結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 1h27'36"
2位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ロジャー・クルーゲ(ドイツ、アルゴス・シマノ)
5位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)
6位 ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
7位 ケン・ハンソン(アメリカ、オプタム・ケリーベネフィット)
8位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
9位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
10位 ギョーム・ボワバン(カナダ・スパイダーテック)

個人総合成績
1位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)30h42'32"
2位 デーヴィッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)+46"
3位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)+54"
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)+1'17"
5位 ファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア・コルデポルテ)+1'36"
6位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)+2'13"
7位 ウィルコ・ケルデマン(オランダ、ラボバンク)+2'30"
8位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)+2'49"
9位 ティアゴ・マシャド(ポーランド、レディオシャック・ニッサン)+2'54"
10位 ピーター・ウィーニング(オランダ、ラボバンク)+3'05"
67位 土井雪広(アルゴス・シマノ)+53'51"

山岳賞
セバスティアン・サーラス(カナダ、オプタム)

ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

新人賞
ウィルコ・ケルデマン(オランダ、ラボバンク)

チーム総合
レディオシャック・ニッサン

text:Makoto.AYANO
photo:Mark johnson/CorVos,amgentourofcalifornia
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