「チームに恩返しができて嬉しい」。155kmの山岳ステージで争われたジロ・デ・イタリア第12ステージ。独走でステージ優勝を飾ったバクは、チームに対する感謝を謙虚に述べた。

ラスト1.6kmから独走勝利を果たしたラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル)

独走でゴールに飛び込むラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル)独走でゴールに飛び込むラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル) photo:Kei Tsuji昨年のジロ・デ・イタリアのチームタイムトライアルで勝利を挙げたけれど、個人としての勝利はこれが初めてで、そして初のグランツールでの勝利なんだ。ずっとビッグレースで勝てると自分自身を信じていたし、グランツールで勝つことをずっと夢見ていて、今日遂にそれが叶ったんだ。全てがゆっくりだけど、着実に僕に向いてきた。

ステージ優勝を飾ったラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル)ステージ優勝を飾ったラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル) photo:Kei Tsuji今僕は32歳で、11年間プロとして走ってきたんだ。今日はツキがあった。最高峰のレースで勝つと何か単純にハッピーになれないものがあるよ。

僕はキャリアで10勝しているけど、そのほとんど全てがラスト1km以内からのアタックを成功させたものなんだ。今回は逃げ集団の後方で、ベストなタイミングを待っていたよ。アタックがかかってサンディ・カザールが3回追走をしたところで僕はアタックした。200mの間隔を広げることができて後続は僕を捕まえることができなかったんだ。運もあったけど、完璧なタイミングだったね。

僕をメンバーに加えてくれたチームに感謝したいよ。春先に手を骨折していたけどチームはプレッシャーを掛けなかったし、ジロ・デ・イタリアに選出した上にステージ優勝の可能性を与えてくれた。チームに恩返しができて嬉しいよ。


マリア・ローザをキープしたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

マリアローザに袖を通すホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)マリアローザに袖を通すホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Kei Tsujiスペインでは僕のジロでの成功が大きく取り上げているらしいね。スペインへとピンクのジャージを持ち帰ることができるかすごく注目されているよ、と家族や友人が言ってくれているんだ。

僕のチームは強い。イグナチエフとブラットのロシア選手2人は今素晴らしい仕事をしてくれているし、クチンスキーとスムクリスはステージ終盤での危険回避のために、僕が良いポジションをとれるようにアシストしている。ロサダ、モレーノ、ビシオソの3人は週末からの山岳ステージでいい働きを見せてくれると思う。僕らは、全員ができる限りの仕事をこなせるように頑張っているよ。

マリア・ローザをかけて走るサンディ・カザール(フランス、FDJ・部ビッグマット)マリア・ローザをかけて走るサンディ・カザール(フランス、FDJ・部ビッグマット) photo:Riccardo Scanferla誰がこのジロを勝ちたがっているかは、山岳が始まる土曜日から明らかになるよ。そしてその時は、僕がジロを勝つチャンスがあると言える時でもあるだろうね。


マリア・ローザとステージ優勝を逃したサンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット)

もちろん勝利を狙っていたよ。行くならばこのステージと決めてずっと狙っていたんだ。今日は何かをできると思っていたんだけれど。総合ですぐ後ろにつけるサンタロミータが僕の背後につけていたから動くことができず、(バク)のアタックを阻止できなかった。

アタックしたミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)アタックしたミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Riccardo Scanferlaリクイガス・キャノンデールがコントロールを開始すると、タイムはあっと言う間に減少してしまった。残念だけど仕方ないことだよ。終盤は危険だったし、リクイガスはリーダーのバッソを守らなくてはいけないからね。シーズン序盤は体調不良を多く抱えていたんだ。今は徐々に回復しているけど、山岳ではまた身体に問題がでてくると思う。


マリア・アッズーラを獲得したミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)

マリア・アッズーラに袖を通したミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)マリア・アッズーラに袖を通したミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Kei Tsujiジャージを獲得できてとても嬉しい。ポディウムでジャージを着ることができるのは最高の気分だよ。ポーランド人選手がジロの山岳賞ジャージを着るのは初めてのことで、とても名誉で自国を誇りに思うよ。

今朝の作戦会議で、僕と(ジュリアン)ヴェルモトが逃げに乗りに行くことにしたんだ。40kmほどずっとアタック合戦が続いていて、最終的に僕は逃げに乗ることができた。統率のとれた逃げグループだったけど、終盤は上手く回らなかった。お互いを見あっていた状態だったから、そこで僕は自分のカードを切ることにしたんだ。

でも残念ながら最後の山岳で追走を振り切ることはできなかったよ。とても疲れてしまっていた。逃げというのは、いつでも脚の状態と運に左右されるものなんだ。とにかく今、僕は山岳賞のリーダーで、スーパーハッピーだよ。チームにとっても僕にとっても価値あるものだけれど、ステージ優勝は逃してしまった。またトライしていくよ。


7分12秒遅れ84位でゴールした別府史之(オリカ・グリーンエッジ)

今日は大失敗。逃げが決まる瞬間そこにいたのに...気持ちが足りなかった。
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