全日本ロード男子最初の種目となるU17+U15は、 人数の絞られた集団によるスプリントに持ち込まれ、松本祐典(北桑田高)が僅差で先着し優勝を飾った。

8時ちょうどにスタートが切られた8時ちょうどにスタートが切られた photo:Makoto.Ayanoいよいよ幕開けた全日本ロード。その一番先にスタートを切るのが1996~'99年生まれの選手を対象とするU17+U15クラスだ。現在第一線で活躍する選手の次、そしてその更に次に活躍するであろう逸材が多く顔を揃えた。

逃げる小山貴大(前橋育英高)、石上優大(EQADS)、小松定俊(東北高)逃げる小山貴大(前橋育英高)、石上優大(EQADS)、小松定俊(東北高) photo:Hideaki.Takagi優勝候補筆頭は榛生昇陽高の山本大喜と、昭和第一学園に進学した橋詰丈(昭和第一学園)の2名。そして石上優大や(EQADS)小山貴大(前橋育英高)、日野竜嘉(ボンシャンス飯田)などが積極的にレースを動かしてくるだろうと当初より予想された。

戦いの舞台となるのは、岩手県、八幡平に設けられた1周15.8kmの公道コース。前半は緩い下りと平坦路が約12km続き、最後は平均勾配6%、4km弱の上りがゴールまで続く。コーナーの数も少なく、コースは非常にシンプルだ。ちなみに全日本ロードはエリートも含め、全てのカテゴリーが同じコースで開催される。

中盤まで逃げ続けた小山貴大(前橋育英高)と石上優大(EQADS)、中盤まで逃げ続けた小山貴大(前橋育英高)と石上優大(EQADS)、 photo:Makoto.Ayano雪を頂いた岩手山がすっきりと見渡せる快晴と、涼しく過ごしやすい気温。完璧な気候の中、27名の選手たちが8時ちょうどにスタートを切った。

スタート後、まず1周回目の上りでアタックを仕掛けたのは小山貴大(前橋育英高)。ここに石上優大(EQADS)と小松定俊(東北高)が追いつき、3人の先頭集団を形成して集団との差を徐々に開いていく。やがて小松定俊が先頭から遅れ、50秒先を走る先頭2名と追うメイン集団という状況に。

橋詰丈(昭和第一学園)が積極的に上りで動きを見せる橋詰丈(昭和第一学園)が積極的に上りで動きを見せる photo:Makoto.Ayano上りでメイン集団の先頭を牽くのは、山本大喜と橋詰丈の2人。優勝候補が積極的にレースメイクを試みる。すると逃げ2名との間隔が縮まった3周目の上りで、メイン集団から橋詰丈がブリッジをさせるが、4周目に突入した先で吸収された。

逃げた小山貴大と石上優大、そして橋詰丈の3名は、いずれもEQADS所属/準所属選手。そのメンバーを中心として終盤にかけてレースは推移した。

1つになったメイングループの人数は、最終周回突入時点で11名にまで縮小。下りで後方から7名が合流した集団からは、橋詰丈と山本大喜の2名が絶えず抜け出しを試みるものの成功せず。残り距離がわずかになったところから牽制状態となり、30km/h弱ほどのスローペースに。

最後の上りに突入すると、ここで集団はバラけた。橋詰丈と山本大喜、そして松本祐典(北桑田高)が抜け出した状態で残り距離はわずか。ここから早いタイミングで仕掛けた松本祐典が、追い上げる橋詰丈を振り切って優勝を飾った。

男子アンダー17+15でスプリントを制し優勝した松本祐典(北桑田高)男子アンダー17+15でスプリントを制し優勝した松本祐典(北桑田高) (c)Makoto.AYANO

U17+U15表彰台U17+U15表彰台 photo:Hideaki.Takagi松本祐典は、MTBからトライアスロンまで多彩にこなし、MTBクロスカントリーとシクロクロスをメインフィールドとして活躍する選手。

昨年10位に入っているダークホースは、 「最初から優勝を狙っていました。昨年は最後の坂で遅れて10位。だから絶対に勝ちたかった。もし逃げができる展開なら必ずそれに乗ろうと思っていたけれど、そうはならなかった。だから最後のスプリントにかけました。この日のために距離を乗り込んで備えてきたんです。本当にうれしい。」と喜びを語った。




全日本選手権ロードレース2012 U17+U15結果
1位 松本祐典(北桑田高) 2h11′37″
2位 橋詰丈(昭和第一学園)
3位 山本大喜(榛生昇陽高校)
4位 北野龍人(水橋高等学校) +02″
5位 早川侑哉(栄北高) +15″
6位 花立優希(手紫波総合高)
7位 小山貴大(前橋育英高) +18″
8位 大町健斗(チームサイクルプラス) +23″
9位 日野竜嘉(ボンシャンス飯田) +25″
10位 猿田匠(栄北高) +38″


text:So,Isobe
photo:Makoto.Ayano、Hideaki.Takagi