ベルギーのフランドル地方を舞台にしたセミクラシック、第67回ドワーズ・ドア・フラーンデレンでニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)が後半34㎞を独走してプロ2勝目を飾った。

形成された8人の先頭グループ形成された8人の先頭グループ (c)CorVos2位争いではクーン・デコルト(オランダ、プロジェクト1t4i)とのマッチスプリントを制したシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)がテルプストラから47秒遅れでゴールし、オメガファーマ・クイックステップはワン・ツーフィニッシュを飾った。

独走するニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)独走するニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ) (c)CorVos3月22日にベルギーで開催されたドワーズ・ドア・フラーンデレン。今年で67回目を迎える伝統のセミクラシック。「フランドル横断レース」とも呼ばれるこの大会を皮切りに、フランドル地方はクラシックウィークに突入。大会のカテゴリーはUCI1.1クラスだが、4月1日のロンド・ファン・フラーンデレンに向けての調整レースの意味合いも濃く、その戦いはクラス以上の重要度がある。

全長201kmのコースには「オウデ・クワレモント」や「パテルベルグ」「ノケレベルグ」などの急坂が13カ所、そして数キロに渡るパヴェ区間が数カ所設定されている。レース後半に詰め込まれた急坂の多くは石畳に覆われた悪路で、勾配が20%を超える激坂も登場する。

強力な追走を見せるセプ・ファンマルク(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)とフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィー二)強力な追走を見せるセプ・ファンマルク(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)とフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィー二) (c)CorVos昨年覇者ニック・ナイエンス(ベルギー、サクソバンク)はパリ〜ニース個人タイムトライアルでの落車の負傷が癒えず、出場しなかった。ナイエンスはロンド・ファン・フラーンデレンへの不出場も決めている。

34㎞におよぶ独走勝利を飾ったニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)34㎞におよぶ独走勝利を飾ったニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ) (c)CorVosレースは50㎞を過ぎてアタックが続き、8人の逃げが形成される。メンバーはミカエル・モルコフ(デンマーク、サクソバンク)、ヤン・ギセリンク, ベルギー、コフィディス)、マールテン・ワイナンツ(ベルギー、ラボバンク)、ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)、イェーレ・ワライス (トップスポート・フラーンデレン)、ヴァンサン・ジェローム(フランス、ユーロップカー)、そしてオメガファーマ・クイックステップの2人、テルプストラとシャヴァネルが先頭グループを形成。

勝負どころのパヴェの激坂オウデ・クワレモントとパテルベルグの間で、その先頭グループから飛び出したのはテルプストラとワライス 。しかしワライスは途中から遅れてしまい、テルプストラは早いタイミングで独走に入ることになった。

優勝したニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)、3位 クーン・デコルト(オランダ、プロジェクト1t4i)シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)、2位優勝したニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)、3位 クーン・デコルト(オランダ、プロジェクト1t4i)シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)、2位 (c)CorVosメイン集団からもアタックがかかり、逃げグループと合流する。テルプストラを追うことになったのはフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィー二)、セプ・ファンマルク(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)、クーン・デコルト(オランダ、プロジェクト1t4i)、イェンス・ケウケレール(ベルギー、グリーンエッジ)、アレクサンドル・ピショ(フランス、ユーロップカー)ら。
しかし独走力に秀でたテルプストラは力強く逃げ続け、ゴールまでそれらの追走を寄せ付けなかった。

追走グループから飛び出してテルプストラを追ったのはクーン・デコルトとシャヴァネル。グループから逃げきった2人のマッチスプリントを制して2位になったのはシャヴァネル。オメガファーマ・クイックステップは嬉しいワン・ツー勝利となった。

なおレース終盤にはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)が落車し、負傷している。チーム発表によれば骨折等はないという。

あらゆるレースで果敢な逃げを披露してきたテルプストラだが、これがプロ入り2勝目に過ぎない。1勝目は2010年のオランダ選手権での優勝。この勝利がキャリア最大の勝利だと言える。

優勝したニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)のコメント
これは2010年の(オランダ)ナショナル選手権以来の、最高の勝利。今日の僕の脚は最高に強かった。今までにこうして逃げてきたけど、いつかは今日みたいに勝てると思っていた。この勝利はそれほど大きな魚ではないという人もいるだろうが、僕にとっては脂のった大きな魚だ。シルヴァンと一緒に逃げに入ったのは大きかった。

ドワーズ・ドア・フラーンデレン2012 結果
1位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)4:29:36
2位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +0:00:47
3位 クーン・デコルト(オランダ、プロジェクト1t4i)
4位 ヤン・ギセリンク, ベルギー、コフィディス)+0:00:51
5位 アレクサンドル・ピショ(フランス、ユーロップカー) +0:00:53
6位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィー二)+0:01:00
7位 セプ・ファンマルク(ベルギー、ガーミン・バラクーダ) +0:01:05
8位 マールテン・ワイナンツ(ベルギー、ラボバンク) +0:01:16
9位 ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
10位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、グリーンエッジ)

photo:CorVos
text:Makoto.AYANO

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